東京感動線

日本一美しい本棚より
時間旅行への誘い
006

この記事をシェア

お気に入りに追加する

東洋文庫ミュージアム

まち
Scroll

コロンブスも読んだ『東方見聞録』が駒込に!

三方の壁をぐるりと囲む本の数は、圧巻の約2万4,000冊!本を愛する人なら憧れてやまない、美しい本棚に迎えられるのが、駒込にある東洋文庫ミュージアムだ。
東洋文庫の誕生から今日に至るまでの同館の歩みを紹介する「オリエントホール」を抜け、2階へと続く階段を上ると、目に飛び込んでくるのがこの「モリソン書庫」。
モリソンとは、ここに並ぶ本のもともとの所有者、オーストラリア人のジョージ・アーネスト・モリソンのこと。
18歳で単独のオーストラリア縦断徒歩旅行に出て以降、さまざまな土地を旅した冒険家。旅を記録した文章をきっかけにジャーナリストとなり、後に特派員として滞在した中国で政治顧問まで務めた人物だ。
東洋文庫は三菱の3代目社長・岩崎久彌氏がモリソンの蔵書を購入したことにはじまる、東洋学研究の施設。

蔵書総数は100万冊を数え、質・量ともに日本随一。

アジアの歴史や文化をわかりやすく一般の人にも伝えるため、2011年にミュージアムとして開かれた。
ときには借金さえもして、何より本の購入を優先したモリソンのコレクションには、ヨーロッパで活版印刷技術が発明された当時の本も含まれる。
中でもマルコ・ポーロが記した『東方見聞録』は、あらゆる時代、各地で発刊された約50種を集め、世界に3冊のみが現存するラテン語バージョンもこの場所にある。
同じ版をかのコロンブスも読んでいたのだとか。ほかにも、マリー・アントワネットの愛蔵書や、映画『王様と私』で知られるシャム(タイ)の国王ラーマ4世の署名入り手紙など、貴重な資料がいくつも。
年3回の企画展では、そうした本や資料が、親しみやすい解説とともに公開されている。
何百年もの時を超え現在に伝わる本とともに、人類の英知を感じるタイムトラベルはいかが?

アクセス

所在地:東京都文京区本駒込2-28-21
開館時間:10:00〜19:00(入館〜18:30)
入館料:大人900円、高中生600円
休館日:火曜
http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/

関連記事