飲む人に寄り添う懐の深いワイン
「マデイラワイン」をご存じだろうか?シェリー酒やポートワインと並んで世界三大酒精強化ワインに挙げられる酒で、ポルトガルのマデイラ島でのみ造られる。
はじまりは世紀頃、大航海時代にさかのぼる。
船に積まれた多くのワインが熱や振動によって劣化する中でマデイラ島のワインだけが唯一美味しく熟成し、キャラメルのような芳醇な色と香りを発したという。
偶然によって誕生したワインは、酒精強化の製造工程が追加され、独特の風味をもつマデイラワインとして世界中に知られるようになる。
現存最古といわれる1700年代のマデイラワインでも、その味わいを保ち、美味しく飲めるというから驚きだ。
この奇跡のワインに惚れ込んだのが「レアンドロ」のマスターである鈴木勝宏さん。
「歴史の古いマデイラワインの醸造所の中には、オールドヴィンテージを多くストックしているメーカーがあります。そのため、『誕生年と同じマデイラワインで乾杯』が気軽にできるんです。一般的なワインだとコストが高くつきますし、保存状態によっては美味しく飲めるとは限りません。ヴィンテージがグラスで気軽に楽しめるのは、マデイラならではですね」
レアンドロでは、なんと100年前、200年前といった超オールドヴィンテージも揃えている。
これらの特別なマデイラワインは、店で飲んだ後の余韻も楽しめるよう、ワインを注いで香りを移したグラスを持ち帰ってもらうという。
グラスを枕元に置いておけば、その昔、香水としても使われていたマデイラワインの甘く芳醇な香りに包まれて眠ることができるというわけだ。
唯一無二のポテンシャルをもつこの酒。はじめて口にするなら鈴木さんの語りとともにぜひ味わってほしい。
大航海時代を生き抜いたマデイラワインに出合う夜
レアンドロで飲めるマデイラワインは約150種。
最も古いもので1720年!とはいえ3年以上の熟成を必要とするため、新しいものでもマデイラ独特の芳醇な香りと風味は十分に楽しめる。
マスターの語りにも酔いしれる
上)左から10年ごとに歳を重ねたマデイラワイン。1杯300円〜。
下)マスターの鈴木さんによるマデイラワインの歴史、現地の生産者の話など、マデイラに関するストーリーを肴にワインを楽しむ常連客も多い
マデイラワインを使った伝統菓子「ボーロ・デ・メル」。スパイスで風味豊かに。500円
音と一緒に楽しむ
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BRANDED AUDIO LABEL[SOUNDS GOOD]
Madeira Wine in "Leandro" around Otsuka Staion (Loop) - YAMANOTE / OTSUKA STATION ISSUE
アクセス
所在地:東京都豊島区北大塚2丁目8−6
Tel:03-3576-5778
営業時間:午後0時00分〜午後2時00分、午後6時00分〜翌午前2時00分(月〜金)、午後0時00分〜午後4時00分、午後6時00分〜翌午前2時00分(土・日、祝日)
定休日:なし
https://www.cafebarleandro.com/