東京感動線

日本人がつくった 生命の森
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明治神宮

まち
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原宿駅からほど近い、誰もが知る明治神宮が世界的にみても珍しい「都市の中の森」だということはご存知だろうか。
豊かな自然が広がる社をゆっくりと散策してみたい。
多くの参拝者は南参道を通り本殿に進むが、代々木駅側の北参道には原始の森のような光景が広がる。
100年の歴史をもった都会の生命の森の佇まいにひたることができる。

100年続く森と人との関わり

豊かな自然に囲まれた歴史と伝統が今も息づく社

2020年に鎮座100年を迎える明治神宮は、明治天皇と昭憲皇太后を御祭神とする神社。
年間約1,000万人の参拝者が訪れる祈りの地で、都心にあって自然が身近に感じられる憩いの場所としても多くの人に親しまれている。

明治神宮があるのは創建以前、現在の御苑一帯を除いては荒れ地が広がっていた場所。
「永遠の森」を目指し、東京ドーム15個分もの境内には、全国から献木された10万本もの木が植樹され、いまなお約230種の木々が生い茂る豊かな森が生まれた。

春には色とりどりの花菖蒲が咲く御苑内の菖蒲田は、仲睦まじかったことでも知られる明治天皇と皇后ゆかりの場所。「清正井(きよまさのいど)」の湧水をひき、天皇が皇后のためにつくったお花畑だ。拝殿前には仲良く手をつないだ夫婦楠もある。
創建から100年の間に人工的な森としては稀に見る多様な生態系を築き、世界中から注目を集める「東京の鎮守の森」。
小さな世界の中にも豊かな自然が息づく明治神宮の森は、この街の象徴として未来永劫生き続ける。

代々木という名を生んだ、一本の大樹

御苑東門付近にある創建以前から代々この地に根をはっていた「もみの木」が代々木の由来。
江戸時代に、高さ50mあったという大樹からは江戸中が見渡せたという。
明治時代には惜しくも枯れてしまい、現在二代目が立つ。

武将・加藤清正が堀った、絶えることのない水

御苑の中にひっそりと佇む「清正井(きよまさのいど)」。
これは明治神宮ができる前、この地に下屋敷を構えていた加藤清正が掘ったとされる。
都会にある珍しい湧水の井戸で、いまも一年中絶えることなく清水が湧き出る。

建築家・隈 研吾さんが設計する杜に調和するミュージアム

南参道の神橋の脇に建設中なのが、隈研吾氏設計による明治神宮ミュージアム。この建築には、1921年に建設された宝物殿より明治天皇と昭憲皇太后ゆかりの品々を移し、御物、馬車などを展示する。
2019年10月26日開館予定。

神宮の良運は、正参道の曲がり角にもあり!?

明治神宮には“小さな”見どころが多く存在する。

ひとつ目は、第一鳥居が、木造の明神鳥居としては日本一であること。
ふたつ目は、参道の幅が3つの入り口ですべて異なることだ。

南門から向かう参道の幅は8間、北門は6間、西門は4間と、参拝者の数を推測して設計されている。
ちなみに、本殿に向かう正参道の幅は、南北からの合流を考慮し、10間とられている。

最後の見どころは、本殿に向かう途中にある右折の曲がり角にある。
「桝形」と呼ばれる曲がり角の角度は88度。
末広がりの8が並ぶ縁起のよい道は、境内にある知る人ぞ知る良運スポットといえる。

明治神宮境内図

70haの敷地に本殿を中心に建物を配置。その周辺に池や深い杜をかたちづくった都会の中のオアシス。欧州の都市デザインを手本として表参道のケヤキ並木、神宮外苑の4列の銀杏並木と一体となり計画された側面も。

アクセス

所在地:東京都渋谷区代々木神園町1-1

Tel:03-3379-5511

拝観時間:
1月6:40~16:20
2月6:20~16:50
3月5:40~17:20
4月5:10~17:50
5月5:00~18:10
6月5:00~18:30
7月5:00~18:20
8月5:00~18:00
9月5:20~17:20
10月5:40~16:40
11月6:10~16:10
12月6:40~16:00

※月により時間が異なるのは、日の出と共に開門し、日の入りに合わせて閉門するため。
http://www.meijijingu.or.jp/