東京感動線

夢は、キャットストリートに“田んぼ”。
そこから新しいなにかが生まれる。
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小池精米店

小池精米店小池 理雄さん
小池 理雄さん
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生産者と消費者をつなぐ原宿唯一の精米店

1930(昭和5)年創業の小池精米店は、キャットストリートの一角にある。

「“原宿でお米屋さん!?”とよく驚かれます。昔はたくさんあったのですが、いまではうちだけです。このあたりは昔、穏田という地名で、周囲は田んぼでした。いまでは住民は減りましたが、米屋も八百屋もありますし、原宿最後の生活感のある街なんじゃないかなぁと思います」(小池理雄さん)

生まれも育ちも原宿という小池さん。
この街には、「ほかでは得がたい個性がある」という。

「情報の発信力と浸透力が半端ない。それを培っているのは街並みだったり、街に集まる人だったり。だからこそ自由で新しい文化が生まれる。街を歩く人がみんな笑顔なんです。これはすべて、安心して遊べる街をつくるために力を尽くしてきた先達のおかげです」

小池精米店が扱う米の種類はブレンドも含めて約90種類。一日に約900㎏を精米する。

「気温、湿度、米の種類に合わせて精米機の機能、たとえば摩擦の力を加減するなどしています。種類や産地のほか、精米でも味は変わります。そこを調整できるのは米屋ならでは。当店では、好みに合わせたオリジナルブレンド米もつくっています」

米の好みが多様化する一方で、国内の消費量は減り続けている。
そこで小池さんは、米に関心をもってもらうことが大切と考え、SNSやイベントなどで米についての情報を発信している。

「それを原宿にある米屋がやることに意味があると思っています。同じことをやっても目立ちますから。目立つことが関心につながり、それをきっかけに、少しでも消費につながればいい。僕は、お米をツールとして、生産者と消費者、そして地方と都会の架け橋になりたいと思っています」

小池さんの夢は、キャットストリートに田んぼを復活させること。

「昔から、田んぼはコミュニケーションの場。原宿という街で、田んぼをきっかけに人と人とがつながる。そこから、新しいなにかがきっと生まれると思います」。

親子2代でつむぐ、原宿を見守る“お米屋さん”

取材班を「どうも、いらっしゃいませ」と笑顔で迎えてくれた小池理雄さんの母・篤子さん。

その笑顔に魅せられ、「ぜひ撮影させてください!」とカメラマンが説得することしばし。

願いを聞き入れてくださり、理雄さんの父であり、小池精米店2代目店主である將雄さんとともに親子3人で撮影させていただいた。

理雄さん同様、將雄さんも五ツ星お米マイスター。
原宿神宮前まちづくり協議会の一員として、より魅力的で快適なまちづくりにも尽力している。

アクセス

小池精米店
所在地:東京都渋谷区神宮前6-14-17
Tel:03-3400-6723
営業時間:8:00~20:00(配達時間は9:30~17:00)
定休日:日曜・祝日、第2・4・5土曜
http://www.komeya.biz/