東京感動線

作品に包まれて過ごす。
アートの価値を広める仕組み
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BnAスタジオ秋葉原

まち
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新しいアートの体験が人とのつながりを生む

「ホテルというかたちを取ったのは、アートを存分に味わう体験をしてほしいから。ギャラリーで作品に対峙する時間は、5分もないでしょ。でもホテルなら観客はアートの中に長時間滞在できる。アーティストにとっては自分の世界観に誰かを留める装置として、宿泊客にとってはひと晩かけてアートに包まれる貴重な体験ができる場として、相互に魅力的なんです」

そう語るのは、「BnA STUDIO Akihabara」を企画・運営する田澤悠さん。
現在、欧米からの感度の高い富裕層の間で話題のここは、宿泊費の一部をアーティストに還元しているという。
宿泊客が作品を提供したアーティストの支援者となり、新たなオーダーのきっかけになることも多いとか。

「僕たちのプロジェクトは、コミュニティを通した“つながり”が鍵。たとえば参加アーティストは僕らが直接探すのではなく、東京を拠点とするアートディレクターのコミュニティにアクセスして選り抜きのメンバーを集めてもらいました。部屋が稼働すれば、次はアーティストと宿泊客との新たなコミュニティが築かれる。それぞれのコミュニティ同士が交錯して、新たな展開を生み出しています」。

【最初の写真】
客室は「体感できるアート」の見本帳。キュレーターの佐藤拓と「51.3 G-WAVE」がコラボした客室は、海外で解釈された「禅」の世界を作為的に創り出している

【写真2】
アーティスト集団「81 BASTARDS」がデザイン。俵屋宗達筆の風神雷神図をモチーフに、神々の世界をシンプルに表現。下写真の部屋と共通するモチーフを描くことで、2部屋が呼応。
 
 
 
 
 
 

【写真3】
写真2の部屋が神の世界を描いたのに対し、こちらは俗界。
すべての生物がもつ「生」の姿を描く。
どの客室も決められた図面はなく、作品性を優先して空間を決定するアプローチ。

ホテルの扉を開いたら、公園が広がっていた…なんてことがリアルにあるのがこのホテル。

秋葉原の残りの2部屋は、公園をイメージしたアートが満喫できる。

まるでアスレチック遊具のように二つにベッドが階層的に並ぶ部屋(ATHLETIC PARK)と、おもちゃや小型の遊具がインテリアとして設置された部屋(WONDER PARK)。
そのいずれもが、廃品や身近にある既製品をマッシュアップして再構築されたものだ。
特に後者は、studioBOWLのショーケースとしての役割も。遊び心満載のアートの中で童心に返りたい。

アクセス

所在地:東京都千代田区外神田6-3-3
Tel:03-5846-8876
チェックイン:15:00
チェックアウト:10:00
部屋数:5
料金:2万5000円〜5万円(1部屋1泊)
http://www.bna-akihabara.com/