東京感動線

アート、モノ、ヒト。
このビルには想いの詰まった
小さな世界が集まる
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アガタ竹澤ビル

交流
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ここには複数のギャラリーやハンカチ専門店ほか、ヴィンテージ家具ショップなどが集まる。
アートとモノを軸に人が集まる、近隣エリアを象徴するビルといえそうだ。

Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery

写真作家と鑑賞者が
対話できる場でありたい

大手の会計事務所で公認会計士として働くかたわら、趣味の写真学校にも通ったという桑原清幸さんが、独立して開いたのは、会計事務所と画廊を融合した空間だ。

「会社を辞めるときも、このビルを借りたときも、まずは驚かれました。『ギャラリーと会計事務所を一緒に?』と(笑)。会計業務はスペースを取らないので、どうせなら写真家と鑑賞者が交流できる場を併設しようとしたんです。作家が作品について説明することで、作品の価値も上がると思うんです」

と桑原さん。

運営する「Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery」では、月ごとの頻度で写真家の個展を開き、そんな機会を多く設けている。

ギャラリーの設立にあたっては、人との接点の大切さを感じたという。

「写真学校でプロの写真家との関係もできましたし、写真集を買いにいった銀座の書店のご主人には設計士を紹介してもらいました。多くの画廊が夕方には閉館するのに対し、ここは遅くまで開けているのも、鑑賞者と作家の密な対話を通じて作品の先にある何かを感じてほしいから」

と桑原さん。

そんな、人との関係性を大切にする桑原さんのいる空間では、今日も撮る側と見る側の、深いかかわりが生まれはじめている。

クリエイターをサポートする、公認会計士直伝の「お金の話」

ギャラリーを通じて多くのアーティストを支援する桑原さんは、本業の会計業務でもアートビジネスを支えている。

駆け出しのクリエイターに向けた独立準備や確定申告をテーマにした書籍を執筆し、クリエイター志望の若者が集まる専門学校では特別講義を開いた経験もある。

「この書籍に、一度知れば一生困らないお金に関する知識をまとめました。確定申告とはそもそも何か?それがわかれば、自分が行う申告作業の意味もわかるはず。なるべく簡単に説明しているので、悩まれている方はぜひ、お手にとってみてください。もちろん、確定申告のお手伝いもしますよ」。

YLiNUM

自分がいいと思うハンカチを
プレゼントしたい、と思ってほしい

アガタ竹澤ビルの3階に居を構える専門店には、美しく独創的なデザインのハンカチがところ狭しと並ぶ。
単純な一枚の布のようでいて、実はそれぞれのハンカチには多くの職人による熟練の技が生きているという。
また、安心して使えるよう生地の多くを日本製にこだわり、ガーゼも一度湯通ししてから手触りを調整しているとか。
ここYLiNUM(イリナム)のハンカチへの強いこだわりは、どのように生まれたのだろう?

オーナー・羽澄久子さんは言う。

「YLiNUMのハンカチを娘さんに贈った方から、今度は娘さんが親友にプレゼントをするからと新たな注文が入りました。そのときに、愛用し続けているハンカチの写真を一緒に送ってくれたんです。お手紙も入っていて、変化する布の風合いも楽しんでくれたそうです。そんなハンカチの魅力を大切な人に感じてほしいとお客さまが思ってくれたことが、とてもうれしいんです。いまでも自分がいいと思ったハンカチをつくり続ける原動力ですね」。

注文が殺到した純白のブライダルハンカチ

ブランドを立ち上げて驚いたのは、ブライダルハンカチの注文が多いことだそうだ。

YLiNUMでは上品な刺繍入りの白いハンカチが豊富に扱うからだろう。

ブライダルにはもちろん、普段使いにもおすすめ。汚れが気になる場合は、白と色のあるハンカチを2枚持ちにし、用途によって使い分けるのもよいかもしれません。

白いハンカチを一枚持っているだけで、きちんとした印象になり、汗をかきやすい季節には、乾きやすい、麻の白いハンカチも使いやすいとのこと。

gallery αM

年に一度、生まれ変わる
アートの匣がもつ広がり

1988(昭和63)年に吉祥寺に開設された「ギャラリーαM」を前身とする「gallery αM」は、武蔵野美術大学が運営するノンプロフィットギャラリー。
運営委員会が毎年選ぶゲストキュレーターが年間5本の企画展示を行う。

「大学が運営しているといっても、アーティストもキュレーターもOB・OGに限定しているわけではありません。学内外の多彩なジャンルのアーティストの作品を見る・見せることが学生の教育、そして日本のアートシーンの活性化につながると考えています」

とアシスタントディレクターの神祥子さん。

昨年、プロジェクト開始から30年を迎え、現在の場に開設して10年という節目となる今年、通常の企画展示と連動するかたちで、運営委員会が企画に携わる展示1本を行う「αM+」が始動。
自由で柔軟なギャラリーとしての在り方に立ち返りつつ、既存の概念にとらわれない視点でアートを発信し、新たな可能性を模索し続ける。

壁一面に並ぶ本を手に、アートをひもとく

ギャラリーの奥、一面の壁に本が並ぶスペースを発見。さまざまなジャンルのアートについての資料はもちろん、『武蔵野美術大学六〇年史 1929~1990』、現在は休刊中の『季刊 武蔵野美術』の貴重なバックナンバーなど、武蔵野美術大学が運営するギャラリーならではのラインアップも魅力。「作家さんの本棚」と題して、展示中の作家の自著や愛読書などを並べている棚がある点が特徴的だ。

アクセス

●Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery
所在地:東京都千代田区東神田1-2-11アガタ竹澤ビル405
桑原清幸会計事務所内 Tel:03-3862-1780 
営業時間:15:00〜21:00
休廊日:日・月・火曜(展覧会会期中のみ開廊)

●YLiNUM
所在地:東京都千代田区東神田1-2-11アガタ竹澤ビル305
Tel:03-5829-8568
営業時間:13:00〜18:00(不定期営業)
定休日:不定休
(営業時間は同店Instagramを参照)

●gallery αM
所在地:東京都千代田区東神田1-2-11アガタ竹澤ビルB1F
Tel:03-5829-9109
開廊時間:11:00~19:00
休廊日:日、月、祝(展覧会会期中のみ開廊)

http://gallery-alpham.com