神田川を眺めつつ、気軽にワインと食と会話を

「円と縁をかけて農家さんとお客様、私たちによいご縁があるようにという想いを込めています」

『FUJIMARU浅草橋店』の齋藤健一郎店長は自社ワインのエチケットの意匠を指しつつ、続けた。

「産地で味が変わり食との相性も多彩。だからボトルを開けると会話が弾む。そんなワインがつなげる人の“輪”をつくり続けたくて」

秋葉原の東、小伝馬町にほど近い神田川沿いに『ワインショップ＆ダイナーFUJIMARU浅草橋店』はある。
大阪でワイン醸造とショップ、飲食店を手掛けていた同社が14年に東京進出。自社オリジナルと国内外の美味しいワインを直接手に取り、味わってもらうために創った場だ。その後、清澄白河に醸造所を立ち上げた。

「だからビールのように楽しむ生樽ワインから自然派、クラシックヴィンテージまで約1000種を揃えました。それに仏、伊、和こだわらずワインと合う料理です」

ただ強くこだわるところもある。
美味しいワインや食材を誠実につくり続けるつくり手を丁寧に紹介することだ。
たとえば冒頭の写真の3本。山梨のメルロー、山形のマスカットベイリーAとシャルドネは各地から直接仕入れ、清澄で醸造した。

「いま各地でワイン用のブドウが育てられて、今後もっとおもしろくなる。微力ながら応援したい」

人と人をワインでつなぐ。ここはまた、日本のワインをよりよい未来へとつなげる場でもあるのだ。

「美味しい」を自由に見つける、ワイン×食のコツ

とにかく「自由に気軽に」美味しいワインと出会ってもらうのが『FUJIMARU』のコンセプト。

だから料理は、写真１のような「リヨン風ソーセージのグリル」（1700円）などもあるが、たこ焼きに衣をつけて揚げたクロケットや、ポテサラなど気取らないメニューも多い。

本格フレンチのシェフがワインに合うようアレンジして提供するので安心。好みのペアリングをじっくり、スタッフと会話を楽しみながら探すのが正解だ。