一般社団法人 五反田バレー 代表理事
中村岳人さん

“五反田バレー”は、アメリカのシリコンバレーをもじったもので、IoTやAIなどのスタートアップ企業が集積する五反田エリアを呼び表している。
「スタートアップ企業が集まりはじめたのは2014(平成26)年ころ。渋谷や恵比寿よりも賃料が手ごろで、交通の便がよいのが大きな理由でした。飲食店も充実していて、生活コストが高くないのも魅力です。スタートアップ企業が集まった結果、コミュニティとしての横のつながりも自然発生的に生まれ、勉強会などを行うようになりました」と教えてくれたのは、自身も五反田に拠点を置くスタートアップ企業で働く中村岳人さん。中村さんが代表理事を務める一般社団法人五反田バレーも、そうした勉強会の中から生まれた。目指すのは、“スタートアップ企業が社会課題を解決し、より豊かな未来を創っていくこと”。
「五反田バレーという概念を法人化することで活動しやすくなると考えました。日本のシリコンバレーとして、五反田=スタートアップ企業がチャレンジしやすく集まる場になることを目指し、勉強会や交流会、情報発信のためのイベントなどを通して、在籍する企業の自発的なチャレンジを促す環境づくりに取り組んでいます」
品川区と協定を結び、地元とのコラボイベントの開催、地元のリソースを使っての実証実験やサービスのテスト導入を行うなど、地元や行政との連携を強化していることも強み。コロナ禍における商店街と商店街店舗向けの「しながわ商店街応援プロジェクト」では、中延商店街のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めている。
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(一社)五反田バレーは、画像2の6社が理事企業となり、2018年に設立された
「ウェブサイトのリニューアル支援や情報整理、SNSなどの立ち上げ運用支援を行っています。そのときに大切なのは、店主と実際に会って想いを伝えること。区と商店街連合会の担当者と一緒に、1軒ずつ訪ね回っています。とても地道な作業ですが、そうして素性を理解してもらえてはじめて、お互いに納得できる支援になるんだと思います。オンラインだけでなく、オフラインでも地元と行政、そしてスタートアップ企業同士のつながりを強めていきたいですし、オフラインのつながりこそが、コミュニティの価値だと思います」
そうした想いに応えるように会員数は増え続け、2018年の立ち上げ当初は6社だった会員数は現在、100社以上。入会するための条件は、IT系の企業であること、社会問題を解決するために挑戦している企業であること。
「スタートアップ企業は定量的に定義できませんし、クローズ過ぎると視野が狭まって、成長の機会が奪われてしまうように思うんです。コミュニティとして心掛けているのは、オンラインとオフライン、そして人と人とのつなぎ方のバランス。その点でも、肩ひじを張らずに仕事ができ、暮らせるけれど、ビジネスの刺激に満ちている五反田は、最高の街です」
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(一社)五反田バレーの会員企業と大手企業によるマッチングイベントの様子
所在地:東京都品川区北品川5-5-15 大崎ブライトコア4F SHIP内
https://gotanda-valley.com