東京感動線

懐かしいのに
新しい。
懐の深い商店街
128

この記事をシェア

お気に入りに追加する

権之助坂商店街

まち
Scroll

歩いてこそ楽しい
坂の街の商店街

権之助坂は、JR目黒駅西口から、目黒川に架かる目黒新橋までの約400mを結ぶなだらかな坂道。その名は江戸時代、刑に処されるのを覚悟で、村人のために立ち上がり、死罪となった名主・菅沼権之助にちなむという。かつては、対面通行の道だったが、北側に新しい道が開通して以降は、西に向かって下る一方通行となっている。

「対面通行の時代、沿道に桜並木が続く権之助坂は桜の名所でした。いまは、目黒で桜といえば目黒川沿い。1980年代に植えられたものをはじめ、さまざまな樹齢の桜が川沿いに並んでいます」
と教えてくれたのは、権之助坂商店街振興組合の理事長・佐藤 功さん。振興組合は毎年、桜の見頃に開催される桜まつりで、ほかの商店街や町会とともに、川沿いに〝ぼんぼり〟を設置し、目黒ならではの春景色を盛り上げている。
また、「権之助茶屋」と題し、商店街の各店による出店や、目黒駅直結の目黒学園カルチャースクールの生徒たちによるステージプログラムなどを楽しめる催しも開催。

【最初の画像】
(右より)権之助坂商店街振興組合の副理事長・鈴木昭子さん(弘南堂書店)、理事長・佐藤 功さん(東洋花環)、副理事長・王 孝安さん(香港園)

【画像1】
目黒駅から権之助坂を写したもの。上は1966(昭和41)年撮影(写真提供:品川区)
 
 
 
 

「目黒に来る人と、目黒で暮らす人とが、桜を通して交流できたらいいなと思いますし、そうして、人と人とのつながりを大切にする気風は、商店街にも根づいていると思います」と、副理事長の鈴木昭子さん。権之助坂商店街には、代々の店を守る昔ながらの店主もいるが、テナントとして出店する若い店主が増えているという。
「目黒は、若い人が挑戦できる街。そしてそういう人がはじめる店は個性的でおもしろいから、周りにいい刺激を与えてくれます。目黒には、屋敷町としての上品な文化があって、外国人や海外で仕事をする人たちが多く暮らしているため国際的な雰囲気もあります」と話す副理事長の王 孝安さんは、「目黒は、古いものと新しいものが交じり合って、いままでにない魅力を生み出す街」と続けた。
権之助坂商店街を歩けば、アーケードがあったり、レトロな佇まいの建物があったり。
「権之助坂商店街は歩いてこそ楽しい商店街。ぜひ歩いてみてください。坂の街ですから歩けば歩くほど足腰が強くなって、長生きにもつながると思いますよ(笑)」

【画像2】
目黒川の桜並木。商店街は川沿いの清掃活動にも取り組む©momo/PIXTA


http://gonnosuke.com