炭火で焼き上げるうなぎは
参拝客に愛される縁起物
大正年間、巣鴨のとげぬき地蔵尊(高岩寺)の近くで川魚料理専門店として創業した「八ッ目や にしむら」。
目黒店は、1960(昭和35)年に現在の地、目黒不動尊の門前に開店した。
父の後を継いだ店主の松本 清さんは、
「お客さんに美味しいと思ってもらえれば商売は繁盛する。それが親父の教え。うなぎを浸けるときに出汁がタレに染み出すから、焼けば焼くほど美味しくなるんだよね」と教えてくれた。
焼き上がりの味を大切にするため焼きだめをせず、注文が入ってから焼くのが美味しさの基本。
平日でも1日に約300枚、週末は約700枚、丑の日そして目黒不動尊の縁日(毎月28日)ともなれば約1500枚を焼く。
「昔に比べたら、縁日の参拝客は減ったけど、縁起物として買うのを楽しみにしてくれているお客さんがいる。だからありがたいことに、うちには毎月、丑の日があるようなものなんだよね」
ほかにも週1で通うお客もいれば、遠方から足を運ぶお客もいる。中には親子代々の常連客も。
「信頼してもらえているということなんでしょうね。その気持ちに応えられるように、これからも、うちの味を守っていきたいね」
目黒店には行列ができることも珍しくない。うなぎを炭火で焼く香ばしい煙は、焼き上がりを待つ間のごちそう。そして行列の先には、ふんわりと焼き上がったうなぎと、松本さんの笑顔がある。
【最初の画像】
うなぎは、時期によって旬の産地を見極め、国産の最高級品を問屋から仕入れている
アクセス
所在地:東京都目黒区下目黒3-13-10
Tel:03-3713-6548
営業時間:11:00~14:00、16:30~19:00(夜は予約のみ)、店内販売10:30~19:00、出前11:00~19:00
定休日:水曜(祝日、縁日の場合は営業)
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