ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの代表理事
志村季世恵さん

しむら・きよえ。
バースセラピストとしての活動と並行して、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの代表理事として、ダイアログ・ミュージアム「対話の森」の運営に力を注いでいる。
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五感を研ぎ澄ますソーシャルエンターテインメント「ダイアログ・ミュージアム『対話の森』」。
“見えないからこそ、みえるもの。聞こえないからこそ、聴こえるもの。老いるからこそ、学べること。”
障がい、世代、性別、文化、民族など、さまざまなものを超えた出会いから対話が生まれる。
その対話を通して人は変化し、その変化は世界を進化させる力を秘めている。
“対話”を通した
エンターテインメント
光を閉ざした真っ暗闇の中を、視覚障がい者のアテンドとともに歩く。“見えない”ことで“みる”ことを問い直すソーシャルエンターテインメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は1988(昭和63)年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケ氏の発案で生まれた。これまで世界50カ国以上で開催され、900万人以上が体験している。日本では1999(平成11)年11月の初開催以来、体験者は23万人を超える。代表理事の志村季世恵さんは、
「ドイツ人の父親とユダヤ人の母親のもとに生まれたハイネッケは、文化や民族など、いろいろな違いからくる争いを解決したいと願い、違いをダイアログ=対話を通したエンターテインメントとして、人とのかかわりや対話の大切さを五感で感じられるものとして考案したんです」
と教えてくれた。日本では初開催以降、年1~4回のペースで、東京を中心に各地で開催を続けた。
【画像1、2】
「ダイアログ・イン・サイレンス」の参加者は、音を遮断するヘッドセットを装着し、音のない世界で、言葉の壁を超えた対話を楽しむ。
「有志が集まって、その都度、開催していたのですが、あるとき、目の見えないアテンドが『開催中の3カ月は活躍できるけど、終わればまた、ただの障がい者に戻ってしまう。まるでシンデレラみたい』と言ったんです。それを聞いて、障がいがあっても対等に活躍できる、対話できる場所の必要性をあらためて実感しました」
その想いから、2009年には東京・神宮外苑に常設会場を開設。さらに2017年には、聴覚障がい者がアテンドする「ダイアログ・イン・サイレンス~静けさの中の対話~」、2019年には後期高齢者がアテンドする「ダイアログ・ウィズ・タイム」を日本で初開催した。そして昨年、ダーク、サイレンス、タイムという3つの〝対話〟を体験できる「ダイアログ・ミュージアム『対話の森』」が竹芝に誕生した。
【画像3】
エントランスの壁には、体験後の参加者の感想(写真や言葉)を葉に見立てた“木”が枝を伸ばしている。
認め合い、支え合いながら
みんなで守り育てる“森”
「ダイアログ・ミュージアム『対話の森』」の展示物は”対話”。
「なにも話すことばかりを意味するのではなく、表情や感情、笑い声や身ぶりなど、人とかかわることで生まれるすべてのもの。そして、そうした人とのかかわりを通して見えてくる、自分自身の気づきも対話だと思います。人と人が出会うと対話が生まれ、対話が重なり合うと変化が生まれます」
「対話の森」では、開館に際し、「対話とは?」をテーマに言葉を募集。結果、1400名から寄せられた言葉をらせん状につないだものをロゴとしている。言葉は今後も追加され、それに応じてロゴは進化する。「みんなで一緒につくっていきたい」という想いを表したものであり、「対話の森」という名にも、「鎮守の森のようにみんなで守り育てる場所にしたい」という願いが込められている。
【画像4】
エントランスの天井から下がる色鮮やかなオーナメント。透明色の短冊には、1400名から寄せられた「対話とは?」に対する言葉が書かれており、重なり合うと色が変わって見える。これは、対話が重なり合うと変化が生まれることを表現している。
「絵画や演劇など、一般のアートやエンターテインメントは、鑑賞の対象があって、お客さんはあくまでお客さん。でもここは、相互のかかわりである〝対話〟が展示物ですから、誰もが主役になれる。みんなでつくる“森”なんです」
対話を通したエンターテインメントを楽しむうち、同じものを見たり聞いたりしても、いままでと違う感じ方ができるようになる。
「満員電車で人とぶつかるのは嫌でも、暗闇だと安心する。普段は恥ずかしくても、ここでは素直に助け合える。そういう人の温かさを感じられるようになるんです。それを暮らしや生き方に反映してほしいと思います。違いを認め合った上で助け合う社会を、頭ではなく五感で理解し、広め合う。みんなで明るい未来を育てる“森”になれたらいいなと思います」
【画像5、6】
エントランス。一画はオリジナルグッズが並ぶショップになっている
ダイアログ・ミュージアム
「対話の森」
所在地:東京都港区海岸1-10-45 アトレ竹芝シアター棟1F
Tel:03-6231-1634
開催時間:11:00~21:00(日程により異なる。HP予約ページを参照)
参加料金:3500円(中高生・大学・大学院生2500円、小学生1500円)※いずれも税別
https://taiwanomori.dialogue.or.jp
しむら・きよえ。
バースセラピストとしての活動と並行して、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの代表理事として、ダイアログ・ミュージアム「対話の森」の運営に力を注いでいる。
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