東京感動線

ともに働き、ともに生きる喜びが
園生の誇りと一流のワインを生む
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ココ・ファーム・ワイナリー

取締役池上 峻さん
池上 峻さん
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一教師の想いから生まれた
ブドウ畑とワイナリー

山の急斜面に広がるブドウ畑で、農作業に勤しむのは、知的障がい者支援施設「こころみ学園」の園生たち。育てたブドウは「ココ・ファーム・ワイナリー」のワインとなる。
畑は1958(昭和33)年、当時の特殊学級の中学生たちと担任の川田昇さんによって開かれた。川田さんは、何もできないと思われ、誰からもあてにされていなかった子どもたちに働く喜びを感じてほしいと、私財を投じて山を購入。農作業をともにするうち、子どもたちの身体はたくましくなり、心も安定していった。
「昔ながらの農家の暮らしの中で我慢もしなければなりません。その我慢が人を育てます。何より、 誰かの役に立っていると実感することが自信になり、心を成長させます」と、川田さんの孫・池上峻さんは教えてくれた。現在、こころみ学園には約140名の園生がおり、何らかのかたちで皆、ワイン造りに携わっている。「真剣にものづくりに励んでいるからこそ周囲に認めてもらえるのだと思います」。そしてそれが園生の誇りとなり、生きる力につながる。

【画像1】
ワイナリーのスタッフの皆さん。畑では開墾以来、除草剤を一切使わずに、園生が手作業でブドウを育てている。
【画像2】
「ココ・ファーム・ワイナリー」のワインは国内外で高い評価を得ている。

アクセス

所在地:栃木県足利市田島町611
Tel:0284-42-1194
https://cocowine.com

取締役 
池上 峻さん

池上 峻さん
いけがみ・たかし。 こころみ学園の初代園長であり、ココ・ファーム・ワイナリーの設立に尽力した川田昇さんの孫にあたる。 園生とともに学園で暮らした経験をもち、現在もともに農作業、ワイン造りを行っている。

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