東京感動線

ともに料理し、ともに食べる。
“美しい食”の発信基地に
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美食倶楽部

美食倶楽部主宰本間勇輝さん
本間勇輝さん
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肩書きを越えた交流
だから、おもしろい

「美食倶楽部」というと北大路魯山人が設立した会員制の食堂を思い浮かべる人もいるだろう。だが、令和の美食倶楽部のモデルは、スペイン・バスク地方にある“ソシエダ・ガストロノミカ(美食倶楽部)”という会員制のキッチンだ。
「バーもレストランも沢山あるのに、人々は大切な日に美食倶楽部に集い、共に料理し食事を楽しんでいた。そこは街の食文化そしてコミュニティの中心地だった。こんな場所が日本にもあったらなと思ったんです」」と話すのは主宰の本間勇輝さん。

【最初の画像】
美食倶楽部を主宰する本間勇輝さん。
スペイン・バスク地方で出会った「美食倶楽部」に惚れこみ、近い将来バスクへの移住を考えているという

【画像1】
参加者たちが一緒に料理し、食事をすることで、より深いコミュニケーションが生まれ、食材や器などへの興味もわいてくる

2019年夏に六本木で初の店舗を開設した。会員になるとプロ仕様のキッチン付きスペースが使い放題。貸し切りではなく他の会員と共有するので交流が生まれるのもポイントだ。また、ホームパーティと異なり、終了後の片付けの必要はない。「コワーキングスペースならぬ、コクッキングスペースですね」と本間さん。
美食倶楽部の目的は、老若男女が肩書きや立場を超えて交流することで、食を基軸とした新しいコミュニティを創ることだ。本間さんが理事を務める生産物の背景を知って食べるよろこびを伝える「食べる通信」の精神も息づいている。
「美食倶楽部は、六本木を皮切りに日本各地9カ所に広がりつつあります。常設型だけでなく、定期イベントで繋がりを生む形態も。昭和の美食は“グルメ”でしたが、持続可能性や生産者との繋がりのような、これからの“美しい食”が生まれる場所になってほしい」と、本間さんは目を輝かせて語る。そんな美食倶楽部は、未来の食の最先端基地になるに違いない。

【画像2】
美食倶楽部のスタートは乾杯から。ほかのグループとの交わりも、“飲みながら”だからこそ料理自体が「エンタメコンテンツ」になる
 
 
 
 
 
 
美食倶楽部
https://bishok.club/

美食倶楽部主宰 
本間勇輝さん

本間勇輝さん

1978年生まれ。
富士通(株)を経て、2005年にITベンチャーの創業に携わる。
09年に退社し、妻と二人で2年間の世界旅行へ。2011年10月に帰国した後、NPO法人HUGを立ち上げ「東北復興新聞」を主宰する。
その後、「東北食べる通信」の創刊に関わり、「食べる通信」理事、「ポケットマルシェ」取締役などを歴任する

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