

INTERVIEW 1
国際事業の推進

国際事業の推進
有森 由紀
YUKI ARIMORI
- 国際事業本部
- 企画・国際交流部門
- 企画・国際交流ユニット
- 2014年入社(エリア職)
グループ経営ビジョン「変革2027」において、国際事業のビジネスモデル構築を重要な取組みの1つに掲げたJR東日本。すでにいくつもの海外プロジェクトが進行中だが、今後のさらなる拡大に向け、国際事業本部としての広報活動にも力を注ぎ始めた。そうした中、1年ほど前から広報業務の担当となったのが有森である。国際事業本部は今どのような活動を行っていて、どんな技術やサービスを提供できるかを社内外に伝え、理解を深めるのが主な使命。社内向けには毎月発行される社内報の国際事業本部ページの企画および記事作成、社外向けには全社の広報窓口であるコーポレート・コミュニケーション部門を通じたプレスリリースの発行や各種刊行物への対応などがある。より効果的な情報発信を行うには留意すべき点が多く、もちろん誤った情報を出すわけにはいかない。自分が担っている役割の重さと難しさを認識しながら、JR東日本の国際事業の発展に寄与すべく、有森は社内外の様々な人たちとのより良いコミュニケーションに努めている。

駅勤務の頃からイベントの企画・運営を経験。
大学時代に1年間、米国サンフランシスコに語学留学し観光案内所でインターンシップを経験したことが、有森がJR東日本を志望する大きな理由になった。お客さまに市内の観光名所を紹介したり、バスツアーのチケットを販売する中で、地域の魅力を伝え多くの人に喜んでもらう仕事に興味とやり甲斐を感じたという。
最初に配属された高尾駅では、駅員としてJR東日本の業務の基礎を身につけるとともに、「My Project」という社内制度を利用していくつかの駅イベントを企画・運営。この制度は社員の誰もが自由に提案でき、上長の了解を得た上で実行できるもので、有森は主に観光促進につながるイベントを具体化した。
「高尾駅は高尾山に近いため、海外からの観光客にもよくご利用いただいています。そこで英語やデザインが得意な社員と協力して日英表記の案内図をよりわかりやすくリニューアルしたり、駅周辺の見所を紹介する英語のガイドブックを作りました。ガイドブックはその後、地元の大学の先生やゼミ生に協力していただき、中国語版も追加しています。また地元の「八王子いちょう祭り」では、高尾駅と西八王子駅が会場の一角に位置することもあり、駅の利用促進も兼ねて両駅間のスタンプラリーなども行いました」
4年間の駅勤務の後、有森は社内の人材育成制度を利用して英国のサリー大学院に留学する。ここでは1年間、観光学を学んできた。
「英国留学で得たものとしては、観光に関する知識はもちろんですが、タイムマネジメントやタスクマネジメントのスキルが大きかったように思います。馴れない英語で読み書きして、様々な課題を期限通りに提出するのはかなり大変で、効率的かつ確実に作業を進める方法が身につきました。このスキルは今の仕事にもすごく役立っていると感じます」

JR東日本の認知を高め海外ビジネス拡大に繋げる。
JR東日本の海外向けの広報・宣伝活動には、観光客の招致促進や利便性向上を目的としたもの、株主・投資家向けのものなどがあるが、国際事業本部の広報が目指すのは海外でのビジネスの拡大に寄与することにある。この取組みは本格化してからまだ日が浅く、有森たち担当者は試行錯誤を繰り返しながら活動の幅を広げつつある。しかしこの1年ほどで、プレスリリースの頻度は確実に高まってきた。
「プレスリリースや社内報に出すネタは、担当者自らが持ち込んでくれることもあれば、私たちから依頼することもあり、本部内でどんな動きがあるのか広くアンテナを張るようにしています。コーポレート・コミュニケーション部門や社外の方とやり取りを重ねているうちに、本部の外ではどのような情報を求めているのか、どんな情報の出し方が良いのかといった勘所が徐々につかめてきました」
最近、有森はサブ担当として国際交流業務にも携わるようになった。具体的な業務内容としては、公共交通に関わる国際組織とのやり取りや会議の運営、展示会への出展など。展示会は海外に広くJR東日本が提供できる技術やサービスを紹介し、国際ビジネスの拡大に結びつけるチャンスとなる。
「サブ担当になって間もない頃にシンガポールで大規模な展示会が開催され、展示物の準備に携わりました。今回は叶いませんでしたが、担当者が出展ブースで来場者に直接対応することもあり、海外の公共交通関係者の想いやJR東日本の印象などを肌で感じることを楽しみにしています」
広報や国際交流業務の魅力を改めて尋ねると「形に残る」ことだと言う。毎回内容が異なり、その都度柔軟な対応が求められるのは苦労するところだが、自分が携わった仕事の内容や成果が印刷物やWebのアーカイブとして形に残る。その足跡を辿れば、自分の成長を実感することもできるに違いない。
国際事業本部の中にも様々な業務があり、これまでの3年ほどは企画系ユニットの一員として、海外関連の教育プログラムの企画・運営や海外駐在員の支援、広報活動などに携わり、JR東日本が海外ビジネスを広げる上での後方支援的な役割を担ってきました。この間の経験で国際事業本部の使命や各部署の役割がある程度わかってきたので、今後は本部内の理解を一層深めると同時に、海外ビジネスを実際に推進する仕事も経験できればと思っています。
また、これとは違う方向になるかもしれませんが、入社前から抱いていた観光に対する興味は今も失ってはいなくて、いつかは海外の方にJR東日本の事業エリアの魅力、日本を旅する楽しさを広める仕事にも関わりたいと考えています。

長崎県佐世保市の出身で、大学進学を機に上京。大学ではヨーロッパ文化を専攻し、ヨーロッパ圏の文学や絵画、建築について学んだ。高尾駅で3年、立川駅で1年、駅業務を経験し、社内の研修制度へ応募し、1年の英国留学を経て国際事業本部へ。本部内では部内・部外向けの各種教育プラグラムの企画・運営や留学生対応、次に本部内の総務・庶務担当を務めて現在の広報・国際交流の担当となる。高尾駅のイベントメンバーで地元のいちょう祭りに参加したときには、自ら八王子支社のマスコットキャラクターの着ぐるみに入りスタンプラリーの盛り上げに努めたという。