東京感動線

呑みながら、ゆるり
親しむ盤上の戦略性
037

この記事をシェア

お気に入りに追加する

将棋バー あるじゃん

まち
Scroll

将棋盤とグラスを挟んで人と人がつながる夜を

仕事帰りのビジネスマンが街にあふれる宵の口、西日暮里駅の高架を見上げる小さな店に続々とお客がやってくる。
入り口に銀将のオブジェが光るこの店は、グラスを片手に将棋を指せる“将棋バー”。有段者が常駐するので、初心者からベテランまで誰もが楽しめる。

「たとえば将棋道場だと、昇級を目指す場だから負けられないんです。もちろん素面ですしね。ここは、勝ち負け関係なく、肩の力を抜いていこうよという場所。道場の帰りに寄る人もいます。一杯やりながら、その日の勝負を振り返るのも楽しいものですから」

店長・福田さんはここ数年のブームに踊らされることなく、将棋そのものの魅力を堪能できる場づくりに励んでいる。

「将棋は完成度の高いゲーム。戦略性の奥深さにロマンを感じる人も多いですね。企業の管理職の方には、戦国武将さながら自分のチームをどう動かすか、考えながらゲームを楽しむ人もいますよ」

将棋といえばインドが発祥の地だといわれるが、現在のかたちになったのは日本であるため、身近な日本文化としての一側面もある。

「ここが文化継承の場かって? 堅い言い方をすればそうですが、基本はバーだから楽しんでもらうのが一番。趣味は人と人の距離を縮めますから。ここで知り合ったお客さん同士が、いつの間にか将棋を脇に人生を語り合っているのを見るとうれしいですね」。

チーム「あるじゃん」、団体戦に挑む熱い夏

将棋バー「あるじゃん」では、この数年、スタッフとお客さんでチームを組んで夏の団体戦に参戦している。

「将棋部の学生さんたちは大会に慣れていますが、大人になってから将棋を始めた方は、大会に出る機会なんてなかなかありませんよね。せっかくだから経験してほしくて、参戦するようになりました」

と店長の福田さん。揃いのゼッケンで挑むチーム「あるじゃん」の闘い、戦績はいかに!?

アクセス

所在地:東京都荒川区西日暮里4-1-20 西日暮里エーシービル105
Tel:03-3824-9480
営業時間:18:00~23:00
定休日:日・月曜
http://www.argent.tokyo/