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「ナイトクラブではなくライフクラブをつくりたい」
度の濃いラウンジと夜を仰ぐルーフトップ
中央通りに面した銀座一丁目のキラリトギンザ内で2018年秋オープンしたPLUSTOKYOは、近年まれに見る内容の濃いナイトスポットだ。
まずは12階。ホテルのロビーをテーマにした約300坪のラウンジフロアは、多面的な空間構成によって広さを感じさせるスペースと、距離の近い親密な夜を体験できる部分を巧みに織り交ぜている。
エントランスのすぐ目の前には15mのギャラリースペース。
その裏手は国内にわずか2名といわれる銭湯絵師・中島盛夫氏が描いた富士山をシンボルとするメインロビー。
窓側のメインバーから通路を反時計回りにたどると、メインロビーの富士山の真裏の壁に赤富士。再び角を曲がると小さなバーカウンターが現れ、その先にはローズとサロンのふたつのVIPルームの入り口が。
さらに進めばより落ち着いた雰囲気のスペシャルバーも用意されている、という説明で具体像をつかむのは難しいだろう。
しかし、道(あるいは夜)に迷うような空間の連続こそがPLUSTOKYOの醍醐味なのだ。
エモーションを刺激されるのはそれだけではない。
新緑のアーチを伝って上るのは、東京の夜を仰ぐルーフトップ。ここでは、屋上専用のDJが心地よい音楽を流す中で手ぶらOKのBBQが楽しめる。この場所で驚くべきは、深夜まで音を鳴らせる日本初認可のルーフトップクラブにもなることだ。
12階のラウンジフロアに漂う密度の濃さから一転するルーフトップの開放感。明暗・陰陽が一体となった遊び場は、やはり“こなれた大人の”と評する他ないだろう。
【最初の写真】
12階のメインロビーに巨大な富士山。真裏には赤富士が描かれている。
【写真2】
メインロビーの奥にはVIPルームのローズが。各空間は間仕切りでいかようにも構成できる。
伝統の街・銀座から最新の東京を
「ニューヨーク、パリ、ロンドンなどのホテルのラウンジに根づいているソーシャルクラブ、いわば大人の夜の楽しみ方を、この銀座でこそ紹介したかったのです」
それがプロデューサーである中本幸一さんがPLUSTOKYOで展開したい新しさであり、ひいては東京に加えたい魅力だという。
「やはり海外の大人たちは、音楽、酒、ファッション、そして出会いの使い方が上手です。対して日本のナイトシーンはいまだDJを軸にしたクラブが主体ですが、従来のクラブを卒業した人たちが行き場を失っている部分もある。そういう大人がより自由に楽しめる場所、自分流に言わせてもらえばナイトクラブではなくライフクラブを創造したかった。京都を中心にナイトマーケット事業に携わってきた私にとって、銀座はいまでも伝統を感じる街です。しかも近年は東側が元気ですから、ここから最新の東京がはじめられると信じています」
中本さんの確信には、東京五輪と前後するナイトタイムエコノミーやインバウンド需要の発展も含まれている。
一方で都内在住の外国人は、彼らにとって慣れ親しんだ雰囲気をPLUSTOKYOに感じ取り、相当数が通い詰めているという。
しかし、銀座をよく知っているはずの日本人がそれを見逃していいのか?
海外交流に関するさまざまな流行はさておき、新世代の和魂洋才を醸し出す遊び場はできた。それをこなれた大人が放っておく手はないだろう。
国産クラフトスピリッツを提供するバー、MIXOLOGY SPIRITS BANG(K)で一番人気のカクテル「ヴォルケーノ」(1620円)。
バーにつながるサロン。
女子会の利用も多いローズ。
この二つは趣の異なるVIPルーム。
中央通り側の窓に添うように走る約30mのメインバー。
カウンターの表面は本物のアスファルトを敷き詰めている。
アクセス
所在地:東京都中央区銀座1-8-19 12F/RF
Tel:03-3563-3776
営業時間:PLUSTOKYO17:00~24:00(金・土曜、祝前日~28:00)、
ROOFTOP BBQ17:00~23:00(L.O.21:00)、Mixology Spirits Bang(k) 18:00~24:00(金・土曜、祝前日~28:00)
定休日:不定休
https://plustyo.com