東京感動線

暮らして見える
東京の魅力
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暮らして見える東京の魅力

交流・体験
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東京の大学で学ぶ留学生に、暮らして感じるこの街の魅力を聞いてみた。
東京の好きなところ、印象的なエリア、故郷との違い……。
大学で知り合った友人も交えて語る、外から見ているだけではわからない東京の魅力とは。

谷根千のように静かだったり、
渋谷のように活気にあふれていたり。
表情の異なるエリアが混在する多面性は、
東京の大きな魅力

上智大学に通う3人が出会ったきっかけは、同じ授業を取っていること。週末などに集まって、ごはんを食べに行ったり、散策に出かけたりと楽しい時間を過ごしているそう。

中尾さん(以下、中):「二人とも日本が好きで留学してきただけあって、いろいろなことに好奇心旺盛。先日は、谷根千(谷中・根津・千駄木)エリアを一緒に散歩しました」

トマソさん(以下、ト):「谷根千は歴史を感じる街並みが好きですね。落ち着いた雰囲気があって、どこか故郷(イタリア・ミラノ郊外の小さな町)を思わせます。写真を撮るのが好きなんですが、谷根千は暮らす人たちの息づかいが感じられて、被写体としても魅力的な町です」

アンドレアスさん(以下、ア):「そういう静かなエリアがある一方で、渋谷のように人が多くて活気にあふれるエリアもある。この多面性は、東京の大きな魅力じゃないかな。その日の気分でまったく雰囲気が違う場所へ行けるのは楽しいですね」

ト:「実は公園があちこちにあるのも東京のいいところ。自然が好きなので、お台場の海辺に行ったときはホッとしました。風が気持ちよくて」  

ア:「上野公園も見どころがたくさんある場所。博物館や美術館など文化的な施設が集まっているだけでなく、不忍池のあたりは散歩にぴったり。動物園はまだ行ったことがないけれど、近いうちに行ってみたいなあ」

東京で暮らし、東京で得た友人と過ごすことで見えてきた、普段着の東京の魅力。家族や地元の友人が旅行に来たら、観光地だけではない東京を案内したいと2人は声を揃える。

ア:「初めての東京なら定番的な観光もはずせないけれど、地元の人が行く場所ならではのよさもあります」

ト:「単なる大都会だけではない東京の表情を、味わってほしいですね」


驚きの鉄道事情に、
コンビニや街なかで出会った温かい心。
知れば知るほど、東京はもっと面白くなる

東京で暮らし始めて驚いたことのひとつは鉄道事情、と2人。

ト:「とにかくひんぱんに走っているうえ、時間も正確。1本乗り逃してもすぐに次の電車が来るなんて、故郷では考えられないこと」

中:「私たちには当たり前のことが、そんなに驚かれるなんて(笑)」

ト:「小さなエリアに駅がたくさんあったり、山手線は円を描いて走るのも面白い。電車が次々に行き交って、止まるたびに大勢の人が乗り降りして、すごく躍動的」

ア:「山手線の駅の中でとりわけ気に入っているのが新大久保。山手線を境に内側には有名なコリアンタウンが広がり、外側には他のアジア諸国の飲食店が並んでいる。面白い街だなあ、と足を運ぶたびに思います」

中:「私たちには当たり前といえば、コンビニにも感激していたよね」

ア:「品揃えやサービスがとにかく素晴らしくて! でも、さらに感激したのは人が親切なこと。ある時、店内でイヤホンを落としたら、店員さんが30分も一緒に探してくれました」

ト:「人の温かい気持ちに触れると、本当に嬉しい。日本に来たばかりの頃、千駄木を歩いていたら近くのバーの店主に声をかけられて。話が弾んで、時々行くようになりました」

ア:「お店の人と話してみると、世界が広がることがある。なじみの場所や人ができることで、東京をもっと身近に感じられるようになるよね」
 
 
 
 
▍アンドレアス・オステルガードさん(画像1:右)
デンマーク出身。交換留学生として2023年3月に来日、現在は上智大学で言語学を学ぶ。かつて祖父母の家が日本人留学生を受け入れていた影響などもあり、日本に興味を抱く。19年に旅行で、20年に語学学校へ通学するために来日経験あり。

▍トマソ・ローロさん(画像1:左)
イタリア出身。交換留学生として2023年3月に来日、現在は上智大学で経営学を学ぶ。10代の頃に触れた本や日本製アニメなどの影響で日本好きに。これまでに旅行で多くの国を訪ねたが、日本は長期滞在をしてみたかった。今回が初めての来日。

▍中尾愛美さん(画像1:中)
上智大学3年生。小学校時代を海外で過ごし英語が堪能なため、3人での会話は英語がメイン、時々日本語。
「2人とは友人を介して知り合いました。私もフランスに留学する予定なので、今度はヨーロッパで再会するのが楽しみです」