東京感動線

第35回のゲストは
小島慶子さん
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DIALOGUE RADIO
-IN THE DARK -

交流・体験
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毎月第二日曜日25:00〜26:00 ONAIR
真っ暗闇の中で、心と対話する時間を。
日曜の深夜。全てのしがらみから離れて本当に「独り」になっている特別な時間。人は誰もが不安や悩みを持っているはず。この番組は、自分の心と対話することの大切さを伝え、明日への活力を求める人への応援メッセージを発信するラジオ番組です。

志村:よろしくお願いします。
小島:よろしくお願いします。
志村:慶子さん、本当にいつもダイアログを応援くださってありがとうございます。
小島:いえいえいえ、もう本当にご縁をいただいて嬉しいです。もう20年近いご縁ですもんね。
志村:本当にそうですよね。そんな20年前からダイアログをずっと大切に思ってくださって私本当に嬉しいんですけど、今回もクラウドファンディングでもお世話になって・・・
小島:いやよかったですね!本当に達成されて、私たまたまその達成される本当に直前にサイトを見て、あ、ちょっとあと19万2000円ぐらいで達成されると思って、あとちょっとじゃない・・・!と思って本当にちょっとしたらもう2000万超えててウワーっと思ってね、本当に嬉しかったなーなんか、いろんなクラファン私も関わらせていただいたけど、本当にうわ達成した!っていう喜びをこんなに鮮やかに感じたのは初めてでしたね〜。
志村:あー本当に本当に。
小島:おめでとうございます〜。
志村:ありがとうございます、おかげさまで・・・私達はご恩返しを子供たちにしたいと思っていて、5000人の子供たちをダイアログにご招待できるんですけどいろんなお子さんに来てもらいたいなと思っていて、そうするとダイバーシティとか硬い言葉じゃなくていろんな人がいて友達になれるんだなってことを知ってもらえると、将来の宝物になるかなと思ったりしてるんですよね。
小島:お子さんたちってどんな感想が多いですか?ダイアログ・イン・ザ・ダークを特に経験されると。
志村:ダークの場合は、例えば暗闇で大人も子供も遊ぶでしょ?で、明るいところに出てきて、そうすると今まであんなに頼りにしていたアテンドたちのことを置いて出て行っちゃうんですよ、明るくなっているともう見えたと思って。でも子供たちも置いて行かなくて、もうお友達だからずっとくっついて歩いていて、そしてここに椅子があるよーとかここはこうだよーっていう風に、もう暗闇の体験そのまんまリアルに使ってくれるんですね。
小島:そうなんですか・・・!可愛いですねなんか・・・!
志村:すっごいの!だからねーそれでもう私がうるうるしちゃったのは、もう相手の状況をすぐわかってるから、これから街で会ったときに例えば「僕のことは見えないからこんにちはってできないかもしれないけど、でも自分がアテンドのことを覚えてるからまずは私がとか僕が声かけるね。だからお兄ちゃんはちゃんと私の声を僕の声を覚えといて」って言うんですよ。
小島:あら優しい・・・。


志村:それを皆さん言うのね。なんか子供ってすごいなあーって、もうすぐに経験を今に生かせて将来に向かせるのは子供の力なんだなと思うんですよね。
小島:うーんそうですね、なんか今回5000人でしょ?5000人ってかなりの人数ですけど、私はね、本当は日本で育ったお子さんは大抵1回は最低でもダイアログに行ったことがあるっていうのが当たり前になるといいなーと思って、小学校なり中学校なりどこかのタイミングで、あ、行くよねダイアログ!っていう風になるといいなと思うんですよねー。
志村:でもね私思うんですよね、ダイアログ私たちがこうやって人の絆を信じることができたんですよね。まあ信じてるからこそやってるんですけど、でも改めて今回もこれだけの応援団を見ることができて、感謝とともに1人でやってるんじゃないんだなってわかったんですけど、でも世の中にはまだご自身が独りぼっちだなと思って、今もこのラジオを聞いてる方もいらっしゃるかもしれないし、実際に親子で苦しかったりしてる人もいるでしょ?で、慶子さんは「ひとりじゃないよプロジェクト」をやっていらっしゃいますよね?
小島:そうなんです。
志村:私ね、今日はこの話をお聞きしたくて、私たちもなにかできないかなと思ってるんですけど・・・
小島:ありがとうございます。あのう去年・・ね、去年の5月なんですけど、やっぱり去年から今年もずっとそうですが、コロナでやっぱりね、経済が停滞すると一番最初に打撃を受ける方っていうのは、これは世界でどこでもそうですけれども、やっぱり不安定な雇用で元々あまり余裕のない状態で働いていらっしゃった方々ですよね。日本でもやっぱり特に女性の非正規雇用の方っていうのが最初に打撃を受けて、今も完全にシフトがなくなってしまったりして実質的な失業状態にある女性の非正規雇用の方々ってのは103万人ぐらいいるっていう記事も見たんですけど。
志村:見ましたね。
小島:はい。やっぱり去年からすごくもうそれは既に大きな打撃を受けていらした方々がいて、でもなんかこう、みんな大変なんだからとかね、世界中が大変なんだからっていう中であんまりそこに関心が行かなかったりもするんだなってことがわかったんですね。やっぱり日本は女性の貧困っていうのがすごく語られてこなかった・・ので、ずっとあったんですけど、高齢女性なんてのは本当に30年前から4人に1人はずっと貧困状態にあるんですけれど、そういうことってあんまり「女性の貧困」っていうタイトルでは語られてこなかったので、でも去年の春に、もうそれは本当に顕著で今までずっとギリギリの状態で、例えばシングルマザーの方がお子さんと暮らしてたり、単身者でもね、なかなか苦しい中にいた方が本当にコロナで食べ物もどうしようかなっていう状況になられてるっていうのを聞きましたので、なんかそういうときってなかなか人と繋がる余裕できませんよね・・?


志村:そうなんですよね。あと発信できなくなっちゃうんですよね。
小島:ですよね、やっぱり辛いお気持ちとか、このことをあまり人に言いたくないなぁとかね、思ってしまうので・・。でもきっと困ってる人はいるはずだなと思ったら、たまたま私NPOをやってる友人がたくさんいるんですけど、やっぱり彼らが「ものすごく今支援を必要としてる人が増えてるんだよ。増えてるんだけど、ボランティアに来ていただくことができないから人手も足りないし、あとやっぱり資金面でも今までより支援を必要としてる人が増えた分NPOも資金が必要なんだけれどそれがなかなか・・」っていう話を複数の人から聞きまして、それでじゃあ微力ではあるけれどそういうね、女性と子供の支援に力を入れている団体の方々のサイトをですね、1つの寄付のサイトに21団体の方々の情報を載せて、ここからだったらご自身が応援したいと思う団体に直接寄付ができますよっていうサイトを作ろうっていうことに友人たちとしまして、それで立ち上げたのが「ひとりじゃないよプロジェクト」なんですよね。だからちょうど1年ぐらい経つんですけど。
志村:そうかー・・。
小島:そうなんです。
志村:1年経ってどうですか?
小島:例えば私たちの作ったサイトに寄付が集まってそこから分配するっていう仕組みではなくて、私たちのサイトを訪れた人がそのまま直接自分が応援したい団体のサイトから寄付するという形なので、詳しく「ひとりじゃないよプロジェクト」を経由してどれぐらいの金額がってことは詳しいデータは取れないんですけど、ただ21団体の皆さんからは、やっぱり普段とは違う地域の方とか、あるいはひとりじゃないよプロジェクトを見ましたという方からの寄付が増えました、と言っていただいて、なんか本当に微力ではあるけれどお役に立てたならよかったなと思って、これは本当にコロナが終わるまでこのサイトはずっと続けていこうと思っているので、ちょうど1年経って去年よりもっと厳しい状況の方もたくさんいらっしゃるので、ぜひ、もしね今お聞きになってる方、関心持っていただけるんだったら【ひとりじゃないよプロジェクト】で検索するとすぐ出てくるので、ちょっと覗いてみていただけたら。
志村:いや是非とも是非とも・・・私もセラピストとしてなんですけど、いわゆる貧困家庭と言われているお子さんやお母さんとお会いすることが多かったんですね。本当に給食が唯一の楽しみだっていう風に言っていて、でもその給食のパンを持ち帰って、学校にまだ行けていない弟や妹に食べさせるんだとか・・・
小島:うーん、そうすると給食がね、やっぱり学校が休みになって給食がなくなってしまうとその分食費がかかったりとかね、ご家庭にとってもきついんですよねやっぱり負担が・・・。
志村:そうです・・本当に本当に・・・そうなるともうなんかお母さんも本当に気の毒
で・・・小麦粉を溶いて、ね、それを焼くことしかできないんだとか、そういうお家とか本当にあるんですよね。そのときにやっぱり「宇宙でひとりぼっちな気持ちになる」っていう風におっしゃるんですけど・・・だけど、とにかく誰かがなにかをやってるんだよってことを知ってもらって、で、元気になったらまた違ったことができるようになるから、それまでは助けてもらって、やがて助けることもできるみたいな、そういう助け合いっこできるような世の中になったらいいですよね。


小島:そうですね、あのう、ある団体の方がおっしゃってたのは、やっぱり今回のコロナ禍の特徴としては、それまで貧困と全く縁のなかった方々がやっぱりお仕事がなくなってしまって、まさか自分が・・・という状況で本当に食べるものもどうしようかというところに追い詰められてしまうということがとても多いそうです。そうすると、まさか自分はそんなことにはならないだろうと思っていらっしゃった方っていうのは、声も上げられないし、あと情報にもなかなかたどり着けないんだそうですね。でやっぱり孤立してしまって・・ということが多いそうなので、なんか今季世恵さんがおっしゃったみたいに、やっぱりその団体の代表の方もおっしゃってたのは、例えば恥ずかしいなとか辛いなとかって思ってしまう気持ちはもちろんわかるんだけれども、困ったときには助けてって言っていいんですよって、僕たちがいますから私達がいますから、助けてって、なんか誰かいませんか?助けてって言ってくれたら、なんとかして必要な支援に繋ぎますから、で、それは恥ずかしいことでも何でもなくて、助けてもらいたいときには助けてくださいと。でも自分が誰かを助けてあげられるようになったときには今度自分が助けてあげればいいのだから、あのう、あんまりこうね恥ずかしいとか情けないとか思わなくても大丈夫なんですよっておっしゃった言葉がとても温かいなぁと思って・・・心理的なハードルってすごく高いと思うんですよね、困ってるときほど。
志村:うんうん、誰でもそうですよね、それって別にあのう、みんなそうだと思うんですよね、今って自分が困ってるよっていうのって言いにくい世の中になっちゃってるし、なんか簡単に普通に助けるよ、助けてねとかって言い合える社会になったらいいなって。昔はね意外と簡単だったんですよ、私が子育てしてる頃なんかは。もう約40年近く前ですけど、本当に知らない方たちが寄ってたかって一緒になって子供を育ててくださったみたいな、そういう風な時代にまた進んでいったらいいな、特にこのコロナが良くないものを産んでるけど、でも、また温かいものも作っていったんだっていう風になったらいいなと思いますよね。
小島:そうですね。
志村:うーん。


志村:本当に慶子さんはね、助けるよーも本当に得意で、私本当にお世話になってるんだけど、もう私に何かあったら助けてって言ってね?
小島:言います(笑)ありがとう、ありがとう季世恵さん・・・!季世恵さんいろんな方のお話聞いていらっしゃるじゃないですか、しんどいなとかね、辛いなとか困ったなとかって。でもそうすると時々そういう思いとかをご自身が吸収して、なんかちょっと抱えちゃって辛くなっちゃったりとかしないんですか?
志村:うーん、あのね、あんまりしないのね。
小島:うーん。
志村:えーっと、解決に向かっていくことを一緒になって考えることができるっていうことだから、私はその人になれないじゃないですか、なろうと思ってもできないでしょ?だから多分ね、心痛めるのと心患うのって違うと思うんだけど、相手のことをなにか考えすぎて自分まで患っちゃった場合は、お互いが破綻しちゃうんですよね、きっと。
小島:ありますよね、カップルとか夫婦なんかでもそういうことってね、近すぎて心配しすぎて一緒に病んじゃうみたいなこと。
志村:本当。それはでもよくないことなので、私自身は足元はしっかりしてるっていう風なポジションにいて・・・と、思っておこうと思うんですね。そうしないと一緒になってイライラしちゃうから。
小島:でも一緒に心は痛める。
志村:そう、痛めるというか心は一緒にいる。だからそこまでは一緒に考えて共に考える方向性を見ていこうみたいな、っていうことはできると思うんだけど、だからそこで共倒れになるとお互い潰れちゃうから、それはしないことは大切なのかなと思ったりする。
小島:それなんか大事なことですね。相談されたときにね、どこまでも一緒になっちゃうと解決に向かっていけなくなっちゃうことはあるかもしれない確かに。
志村:うーん、どっちかがね、例えばこの暗闇の中で、まあアテンドがいてくれれば別なんだけど、今誰もいないときにどっちかがこの道知ってるよっていう人がいたときにはその人に道案内してもらったらいいもんね。で、もしどっちも知らなかったら、じゃあ一緒になって道を探そうってなると思うんだけど・・・そういうことかなぁ?
小島:あのう、例えば悲しんでる人とか辛がってる人を前にすると、自分はこの人の悲しみとか苦しみを、本当にはわかってあげてないんじゃないかとか、自分はこの人ほど辛い目にあっていないから・・・っていう風に罪悪感を持っちゃうことってあるじゃないですか。なんかね、この人と同じぐらい辛い目に遭わないと本当は対等じゃないんだ!自分は安全地帯からこの人の辛さの話を聞いてるなんて、なんかそれはフェアじゃない気がする!みたいに気になってしまってね、なるべく相手のしんどいところまで近づいて行って一緒に苦しもうって思うと、本当に辛さが移ってきてしまって励ませなくなっちゃうとか、自分も一緒に辛くなっちゃったことって、私もかつてちょっと経験があって、だからそこの距離の取り方がすごく難しくて、その人のそばにいながらも、さっき地に足をつけてっておっしゃっていたけど共倒れにならないように踏ん張るっていうその距離の取り方、相手に孤独を感じさせず、あ、突き放されたって思わないようにしながら、でも相手に引きずり込まれないような微妙な立ち位置で寄り添うって結構高等テクニックな気がして、すごい・・・どうやってやっていらっしゃるんだろうと思ってセラピストの方とかね・・・!


志村:そっか。よく同じような質問をいただくんですよ、特に若いナースの方とか。それで、私はターミナルケアもしていますよね。患者さんから「あなたのような元気な人に自分の痛みはわからない」っていう風に言われた場合どうしますか?っていう風に質問されるんです。で、そう言われてみるとそんな質問って・・いや、そういう風なことって経験ないんですよ、言われたことって。で、そうだなーと思っていたんだけど、でももしそうやって言われた場合は「そうですって言ったらいいよ」って言うようにしてるのね。
小島:へ〜。
志村:なぜかというと、「私は今元気だからあなたの看護ができるんだ」ってなるでしょう?立場的には、ナースだとすると。で、私も同じで「もし私が病気だったら、この病室の同じ病院の中に入院してる仲間にはなれるかもしれないけど、あなたのことのカウンセリングができないよね」っていう風になると思う。だから、同病相憐れむとは違っていて、違ったポジションにいるからこそやれる役割があるんだってことを尊重しようっていう風にお伝えしてるんですね。
小島:あー素晴らしい!なんか・・・そうですよね!それこそね、だからひとりじゃないよプロジェクトなんかをやってても思うんですけど、中にはね、自分はそういう本当に苦しい経済的に苦境を経験したことがない人がなんかいい気分になるためにやってるんじゃないか!とかね、口先だけひとりじゃないよとか言ってるけどあなたには実感なんかないじゃないか!っていう声もあるんじゃないかとか思うと、あーでもそう言われても仕方がないかなーとかって、なんかすごく罪悪感というか後ろめたさというかですね、感じることもあったんですよね。それでも自分になにかできることがあるんだったら、まああんまりいろんな人がいろんなこと言っても気にせずにやろう!とは思ってきたんですが、なんか・・・今の季世恵さんの話ですごく納得した、そうだよね〜。
志村:そうそう、同じような立場になったら、じゃあ私も仕事辞めるねってなるじゃない?そしたらもう同じように助けを求める人になるわけだから、やっぱりそれは今できるんだったら今は助ける方に回る、でも必ず自分もあるから、きっと困ったときって必ず来るから、必ずって言い方変だけど、でもそういうときは助けてねっていう風にする、お互い様の関係を本当に大事にすることが、続けることになるのかなと思うんだけどな〜。
小島:いやぁ本当にそうですね。
志村:うん。


志村:慶子さんはそうやって、この1年間を過ごしていらしたんですね〜。
小島:いやーでもなんか、季世恵さんも大変な1年間だったと思うんですけど、もう今大変な方いっぱいいらっしゃいますけど、なんかね、私は家族とずっと会えないで1年間いたでしょ?
志村:そうそう、どうしていらっしゃるんだろうと思って今日はお話をお聞きしたかったんです〜。オーストラリアにいらっしゃるお子さんたちも旦那さんも。
小島:そうですね〜(笑)だから夫と子供たちはずっとオーストラリアなので、もうこの1年以上もうビデオ通話だけの家族との会話なんですけど・・・(笑)
志村:ね〜、どうやってやってるの?なんかそのビデオ通話とかも含めながら、いや寂しいお気持ちもお互いあるでしょうし・・・。
小島:あるけど、なんかね、結構長い時間繋ぎっぱなしにしておくんですよ。例えば夜ご飯食べて、夜ご飯食べ終わった後誰かの部屋に連れてってもらうんですね、iPadを。
志村:あ〜そうっか〜!
小島:で、画面の向こうで息子はベッドにひっくり返ってゲームやってたりとか、夫はパソコンに向かってパチパチやってたりとかして、私はこっちで洗い物してたり書き物してたりして、お互い違うことやってるんですけど、でも画面を通じてなんとなく音も聞こえるし、呼べばこっち振り向いてくれるっていうね、時差が1時間しかないので。
志村:あ〜そうか〜すごい素敵。
小島:そうなの!そうなんか、あれ?これって同じ家の中にいて過ごしてるときとそんなに距離感変わらない(笑)側に行ってハグすることはできないけど、でもなんか8000キロ離れてるけど大きい家の中に一緒にいるみたいな感じだなと思って、意外となにか喋ってるときも大事ですけど、喋ってないけどその空間が繋がってる時間、気配を感じ合う時間っていうのはなんか大事なんだなってわかりました!だから人と人を繋いでるのは言葉じゃなくて気配なんだなってことがね、この1年でわかりました(笑)
志村:あーなるほどー。同じお部屋に同じお家にいるっていうの大事ですもんね〜。
小島:そう〜。
志村:気配ね〜そうだ〜。あっていうことは、例えば入院してる方とかで、家族と会えないとしますよね、ずっとそうやって繋げておけばいい場合もあるかもね〜。
小島:だからあのう、まあ生身がね、側にあると、それはその人の体温を感じたりね、匂いがあったり、手を伸ばせば温かい体に触れられるから、それはもうそれに越したことないんですけど、でもそれぐらい体が近くにあっても何にも・・なんて言うんだろうな、その人を近くに感じないこともあるじゃない?
志村:あるある。
小島:ね。だから、体がどうにも離れてしまっているが故に抽出された気持ちの近さみたいなものをこの1年間はすごく感じた年でしたね〜本当にこの1年はずっと。
志村:あーすごいなー。そう側にいるのに離れてるのが一番つらいですもんね。
小島:ねー、ありますもんねーそういうことはやっぱり・・・。


志村:そうかー。じゃあお子さんたちも寂しくないね。そりゃあ会いたいだろうけど。
小島:でもね寂しいときは私結構言うようにしてて、寂しいーみんなに会えなくて寂しいーとかって泣いたりするんですけど、そうするとなんか息子たちも寂しいね〜って言ってくれて、でもその内会えるから大丈夫だよって言って、なんかその、そのときにね、よく保育園に行ってた頃を思い出しますよ。朝保育園に送って行くと、「ママー嫌だー」とか言うときありますよね。そのときに、「ママもお別れしたくないなー、お互いお別れしたくないよねーううーでも行かなきゃいけないからお互い寂しいけど頑張ろう、夕方また会おうね」とか言って寂しさを分かち合って行ってきますって子供を置いて・・・でもその昼間、多分子供は昼間親のこと忘れて遊んでるんですけど(笑)
志村:そうそう。
小島:ね、多分親が行った2分後には遊んでるんですけど、でもなんか寂しさで繋がる関係ってのもあるんだなーと思って、寂しさは別に悪いことじゃないんだ!だから会ったときにお互いにあー会えたー!って喜んで抱き合えばいいわけで、寂しい時間があること自体は別に悪いことじゃないなとかって思ったのを久々に思い出しましたよ。
志村:あーそれすごく素敵な言葉ですね。
小島:それありますよね〜。
志村:いや、愛ある故に寂しさたちね。そうだよね、寂しさで繋がる愛ってすごいな〜。
小島:私も2年前に父が他界して。
志村:あーそうでしたか・・。
小島:そんなにね、パパっ子でもなかったし、そんなに交流もなかったんですけど、亡くなってから本当に毎日父と話すんですよね私(笑)
志村:あーわかります、そうですよね、うーん。
小島:父のこと知らなかったから、すごいなんか亡くなったときに父が完璧なエンディングノートを残していて(笑)
志村:あーそうだったんだ・・。
小島:そう自分の生い立ちとかをDVDとか写真に残してくれたりしたんですね。それで全部知ってですね、父が亡くなった後で私が生まれる前に、父が父になる前の人生っていうのも初めて詳しく知ってね、それで私この間ね、父が勤めてた会社が私がいつもよく通るところに建ってるんですよ、でっかいビルが。で、なんかここにパパ毎朝通ってたんだよなーとはよく思ってたんですけど、ふと気づいたらそこ入り口の口ビー誰でも入れるってことに気がついたんです。
志村:あー素敵―!うーん!
小島:それでね、なんか初めてですけど、じゃあパパはここでどんな風景を朝晩見てたのかなあ?と思って入ってみたんですよ。なるほど、結構大きい会社なんですね。これをじゃあパパは朝見てよしって気合入れてエレベーター乗って職場まで行って、夜遅くここを出てそのままお仕事でなんかいろんな接待とかに行ったのかもしれませんけど、ここを朝晩パパは見てたのかと・・・!というね、なんか父が見続けてた風景を初めて48歳にして見たんです。で・・・なんかね、パパすごいじゃん!こんなでかい会社に勤めてて!とか言って(笑)
志村:うーん!わ〜〜(笑)


小島:これは生きてる間にね、本当は話したかったなって思ったんですけど、でもなんかそのときにね、そうなんかとてもやっぱり父が生きてたときよりも亡くなってからの方がすごく父のことを身近に感じるというか・・
志村:そうそう、そうでしょう?離れたら近くなるでしょ?
小島:不思議ですね。
志村:ね〜、そうなの。本当に・・だからさっきの寂しさっていうものの中の深い愛っていうのは、なんか私の心にストンと入ってちょっと涙が出ました・・・。
小島:ね〜。うーん。
志村:いや〜・・・すごいなー慶子さん、素敵な感性だな〜。
小島:暗闇の中ってお互い姿が見えないから、まあ声は聞こえますけど黙ってたら気配だけじゃない?そうするとなんて言うのかな、オカルト的な意味じゃなくてね、いるといないってなんかよくわからないなって思いますね。
志村:本当にね〜。
小島:体のあるなしとその人のいるいないって必ずしもイコールじゃないんだなーと思うし。
志村:そうだ、思いが自分にあると、なんかね、エールを送ってくれてるかもしれないですもんね〜。
小島:そう、それ生きてる人との間でもあるんじゃないかなと思うんですよね。だから本当、ひとりじゃないよじゃないですけど、ある特定の名前と顔がわかってる誰かが自分にとっているかいないかっていうのも大事だけど、なんか顔も名前もわからないし、その個人としては別に知らないんだけど、でも自分の側には自分のことを考えてくれる人がいるんだっていう風に、なんかこう確信できるなにかがあればね、なんか意外と頑張れるときってある気がする。
志村:あーそうですね、本当にそういう力って大きいねー。あのう、慶子さんはいつも忙しくてお仕事も本当にいろいろやっていらっしゃるけれども、でもほらたまに疲れちゃったりとか、あーもう駄目かもって思うときはそういう風な形で元気を取り戻したりしてるのかな?他になにか方法ありますか?
小島:私めちゃくちゃヘタレますね。
志村:ヘタれるときあるんだ。
小島:物凄く弱虫なんです私。
志村:あーそう?


小島:はい。なので、夫に泣き言を聞いてもらうこともありますし、夫もさすがに寝ちゃってる時間にどよーんと沼に落ちてしまうとですね、あのう・・普通に1人で三角座りして泣いたりしてます(笑)丸まって・・!
志村:あ〜それわかる、私もあるそれ・・!
小島:大人なのに・・(笑)え、ある!?季世恵さんもそんなことある!?
志村:あるある!結構ある。
小島:そう?
志村:三角座りしてる(笑)
小島:なんか・・・そう、弱いなー自分とかって思うんですけど、そのときになんかおまじないを唱えて元気になれたりとかしたらいいんですけど、でもね、本当に落ち込んで本当に不安だったり悲しかったりして、もうどんよりそれこそ消えてしまいたいみたいに三角座りして丸まっちゃうときなんかには、時々ね・・・うーん、こういうときに未来の自分が側にいるのかもしれないって思うときあります。
志村:あ〜そっか〜。
小島:あのね、私ちっちゃいときに結構・・小学校2年ぐらいのときにね、いじめられてたりとか、あと両親がちょっと会社の用事で夜中までパーティーに行かなくちゃいけないときがあったりしてね。
志村:あーうちもそうだったー。
小島:そう、海外で駐在員だったので、そうすると夜遅くまで1人でお留守番とかするとね、怖くて夢遊病みたいになんか泣きながらお家の中歩いちゃったこととかあったんですよ。でそれをね、40代になってからはっと思い出してね、でね、その2年生だった慶子ちゃんの側に行ってね、「あー怖いよね、でも大丈夫だよ、必ずパパもママも戻ってくるから」って言ってベッドまで連れてって寝かしてやったんですよ、頭の中で。志村:あ〜そう〜。
小島:そしたらなんか不思議なんですけど涙が出てね、あー、今の私が多分あの時2年生の私の側にいたんだなって思いました・・(笑)
志村:あ〜そっか〜。
小島:だから今も三角座りしてる時とかに、コロナでお仕事も不安だし、なんかひとりぼっちだしって言って三角座りしてる時も、もしかしたら何歳の私かわからないけど今私の隣に未来の私がいたりするのかなと思ったりすることはありますね(笑)
志村:そっか〜。

志村:じゃあ明日、今日このラジオを聞いてくださっている方たちが、明日、あーいいじゃん今日って思えるようになるのは、どんなだろう?
小島:そうだな〜。1週間の始まりって憂鬱じゃないですか結構。
志村:そう、そうなのよ〜。
小島:そのとき私が必ず自分に声に出して言うことがあるんですよ。「始まれば終わる」っていうのを・・・(笑)なので月曜日にもう始まってあーこれから1週間かー!って思うけど、始まったらあとは終わるだけですからね。結構そうやって、しんどいときなんかはなんかやり過ごすこともいいと思うしね、なんか目の前に来ること全部と向き合わなくても、あーもう始まったんだからあとは終わるだけ!って、自分を楽させてあげることが大事なときもあるかなっていう気がするのが一つと、なんかそういう風に受け流していると意外と儲けものというかですね、意外と面白いこととか誰かが思いがけないことを言ってくれたりすることもあったんですよね。なので、まあ明日なにがあるかは誰にもわからないので、ものすごく感動的ななにかが起きなかったとしても、意外と通りすがりの誰かが元気になる一言とか言ってくれることはあると思います。私1回だけあるんですよ(笑)産後うつでね、初めて産んだ子供を満1ヶ月で外に連れ出したときに、もう不安と憂うつでさめざめ涙が出るような状況だったんですけど、通りすがりのコンビニに行く途中の名も知らぬおばさまがね、「あら、赤ちゃん可愛いわね!産まれたばっかりなの?」とか言って「はい・・生まれたばっかりで今日で満1ヶ月なんです・・」って言ったら「もう今大変でしょ〜寝られないしね〜、でも大丈夫よ、ちゃんと楽になるからね、だんだん楽になるからね〜でも可愛いわね〜よかったね、じゃあね」って言っていなくなっちゃったんです。その人私今でも命の恩人なんですよ。その人は多分忘れてんですよ、多分牛乳買って家に帰る途中で私とその子供のことは忘れてると思うんですけど、もう私一生忘れない、命の恩人だって思って、私が言ってほしいことを通りすがりに言ってくれた!って思ってね、全然その人はたまたま気分がいいから言っただけだと思うんだけど、でもそうやって助けてもらうことってさ、ある気がして。
志村:本当にね〜。
小島:だから、まあ今ちょっとどんよりした気持ちだったりちょっと元気がなかったりする人もね、明日、明日になってみたらそういう通りすがりの誰かが案外元気になる一言を言ってくれたりするかもよ?って思います。
志村:あー本当にそうだ。しかも今日は慶子さんからこんなに素敵なお話いただいてるので・・・。
小島:よかったですよ。
志村:本当に〜よかった〜。
小島:闇の中っていくらでも話しますねこれ、まずいですね。
志村:まずいでしょ、エンドレスでしょ〜。
小島:はい。
志村:朝になっちゃいますよ〜。
小島:朝になりますね(笑)っていうか朝来ないですから闇の中だとしかも(笑)
志村:見えないしね〜(笑)いやーでも本当に今日いっぱい素敵なお話いただきました、ありがとうございます。
小島:ありがとうございました季世恵さん、なんか季世恵さんとこんなにじっくりお話できたの、今回なんか改めて初めてだったのですごく嬉しかったです。
志村:私も嬉しかった〜。これからもよろしくお願いします。
小島:これからもよろしくお願いします。
志村:ありがとうございました。
小島:ありがとうございました!