講座の舞台を旅する
第1回 第1部 国づくりに懸けた政宗の夢

「政宗、国づくりの足跡をたどる」

講座の舞台となった宮城県の地図
仙台市博物館

仙台市博物館

仙台伊達家寄贈の文化財を保管・展示・研究。実在の日本人を描いた最古の油絵という「支倉常長像」、伊達政宗の陣羽織や具足の他、仙台藩に関わる多彩な資料を収蔵する。季節ごとに、およそ1000点の常設展示の入れ替えを行っている。

  • 住所/仙台市青葉区川内26(仙台城三の丸跡)
  • 交通/地下鉄「国際センター駅」より徒歩約8分
  • 電話/022-225-3074
講師/佐藤 憲一氏の写真

支倉常長の肖像は、十字架に祈りを捧げている武士の姿。日本と西洋の交流を示す歴史的資料として、ユネスコの世界記憶遺産に登録されています。

貞山運河

貞山運河

松島湾と阿武隈川を結び、年貢米や木材などを運んだ。伊達政宗の命により建設を開始し、明治初期に完成(※)。政宗の法名にある貞山の文字が冠された。治水・利水機能を持つ現役の土木遺産として親しまれている。

※明治中期までに、旧北上川へと至る東名運河、北上運河も建造。貞山運河と合わせた運河群の全長は約49キロメートルとなった。

  • 住所/仙台市宮城野区蒲生付近~若林区荒浜付近~若林区井土・藤塚付近
  • 交通/
    (岡田付近)地下鉄「荒井駅」よりバスで「新浜」下車、徒歩約15分
    (荒浜付近)地下鉄「荒井駅」よりバスで「南長沼」下車、徒歩約10分
    (井土・藤塚付近)JR「仙台駅」よりバスで「中野」下車、徒歩約10分
  • 電話/022-211-3173(宮城県土木部河川課)
講師/佐藤 憲一氏の写真

東日本大震災で甚大な被害を受けた貞山運河。国や自治体、地元の人々が協力し、観光向けの渡し船や沿岸の整備など、復興プロジェクトが進んでいます。

瑞巌寺

瑞巌寺

円仁開創と伝わる古刹で、創建時は天台宗延福寺。鎌倉時代、臨済宗となり円福寺と改名。伊達政宗が江戸初期に桃山様式の粋をつくした伽藍を造営し、瑞巌寺とした。約9年間の大改修を終え、平成30年6月に落慶法要が行われた。

  • 住所/宮城郡松島町松島字町内91
  • 交通/JR「松島海岸駅」より徒歩約5分
  • 電話/022-354-2023
講師/佐藤 憲一氏の写真

藩主の部屋「上段の間」の脇には、天皇や将軍など貴人を迎える「上々段の間」があります。間取りは秀吉が築いた「聚楽第」に類似。今はなき仙台城大広間の間取りと同じだったといわれています。

岩出山城址

岩出山城址

豊臣秀吉の所替えにより、伊達政宗が約12年間城主となった。一揆で荒廃した城を、徳川家康が政宗のために改修したという。治府を仙台に移してからは、四男・宗泰が城主に。土塁や石垣が残る城址を、政宗像が見守っている。

  • 住所/大崎市岩出山字城山42-2
  • 交通/JR「岩出山駅」より徒歩約15分
  • 電話/0229-72-1211(岩出山総合支所地域振興課)
講師/佐藤 憲一氏の写真

秀吉の命で京都に詰め、政宗が岩出山で過ごしたのはわずか半年。しかし、この時代に未開の大崎平野を知ったことが、後の新田開発へとつながっていくのです。

宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)

宮城県慶長使節船ミュージアム
(サン・ファン館)

対外貿易を目的に、伊達政宗がメキシコ、スペインへ派遣した慶長遣欧使節。一行を運んだガレオン船「サン・ファン・バウティスタ」を復元し(※)、慶長使節が派遣された時代や使節の足跡、大航海時代の歴史などを紹介している。

※復元船は2021年3月末をもって、公開を終了いたします。

講師/佐藤 憲一氏の写真

支倉らが出発する2年前、慶長三陸津波という大津波が仙台藩に襲来。その復興への思いが、国際貿易を見据えた遣欧使節の派遣を、後押ししたといわれています。