森の案内人・
三浦豊さん

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増上寺、芝東照宮、芝丸山古墳など数々の史跡を堪能できる港区立芝公園界隈。木々を観察しながら、森の案内人・三浦豊さんと歩く2時間半のツアーは、東京感動線と地域体験予約サイト「TABICA」が共催する企画のひとつ。
秋冬に花を咲かせる桜、あえてまずい実をつける木。一本一本に秘められた物語に、参加者から大きな歓声が上がる。圧巻は“森の王様”、椨(たぶのき)。
「この木が育つ場所は土が肥沃なので、昔の人はこの木を伐採して村をつくっていました。だから、人が住むところに椨は残っていません。ここに残っているのは、近くに祠(ほこら)があったから。当時、人々は神聖な場所では草木すら抜かなかったのです。椨のある風景は、数百年前の東京の一部。この豊かさは、次世代に残したいですね」
5世紀の古墳、16世紀の増上寺、20世紀の東京タワー。
時を超えてすべてが共存するランドスケープの中で生き続ける木々の姿から東京の原風景が立ち上がり、進むべき未来を示してくれる。
江戸から令和へ、託された徳川家光お手植えの銀杏
港区立芝公園の南側にある芝東照宮。鳥居をくぐって階段を上がると右手に巨大なご神木が佇んでいる。
樹齢約400年。江戸幕府三代将軍徳川家光お手植えの銀杏だ。東京大空襲が周囲をことごとく焼き払った後も、その傷跡とともに生き延びた。少し離れたところに、樹齢30年ほどでありながら注連縄を施された銀杏がある。
森の案内人・三浦さんいわく「この樹齢で注連縄を巻かれるということは、普通の木ではないということ。距離から考えても、家光公のご神木の子に違いないでしょうね」とのこと。