講座の舞台を旅する
第20回 近代化を支えた常磐炭田の盛衰

「いわきの炭鉱史を掘る」

今回の講座の舞台は福島。講師おすすめのスポットを動画でご紹介します。講師がガイドする「現地ツアー」の詳細は、下のボタンからご覧ください。

現地ツアーへ別ウィンドウで開きます
講座が深まるおすすめスポット
講座の舞台となった福島の地図
いわき市石炭・化石館ほるる

いわき市石炭・化石館ほるる

常磐炭田の採掘の歴史を展示するほか、市内で発掘されたフタバサウルス・スズキイの化石や世界の化石資料などを併せて紹介する博物館。地下に広がる模擬坑道では、石炭産業隆盛期の様子を見ながら採掘方法の変遷が学べる。

  • 住所/いわき市常磐湯本町向田3-1
  • 交通/JR「湯本駅」より徒歩で約10分
  • 電話/0246-42-3155
  • ホームページ/いわき市石炭・化石館 ほるる別ウィンドウで開きます
講師/渡辺 文久氏の写真

地下600mまで下る坑内への入坑を疑似体験できます。模擬坑道には、初期から現代までの採掘の様子が忠実に再現されており、掘削の仕組みが学べます。機会があればぜひご覧になってください。

みろく沢炭砿資料館

みろく沢炭砿資料館

かつて炭鉱で働いていた故渡邉爲雄氏が長年に渡り、炭鉱関係用具・資料を収集して開いた私設の資料館。展示資料はいわき市文化財にも指定されている。実際に使われていた採炭道具や、露頭している石炭層が見学でき、炭鉱の歴史を後世に語り継ぐ。

  • 住所/いわき市内郷白水町広畑223
  • 交通/JR「内郷駅」よりバスで「上入山」下車、徒歩で約5分
  • 電話/0246-26-6282
  • SNS/みろく沢炭砿資料館別ウィンドウで開きます
講師/渡辺 文久氏の写真

みろく沢は江戸時代に片寄平蔵が石炭(燃える石)を発見した常磐炭田発祥の地。渡邉さんは、炭鉱写真や鉱具類、炭鉱地形図など、資料の収集に精力的に励まれました。炭田の歴史が克明に残されています。

常磐炭礦住吉一抗(中央選炭工場・坑口・扇風機上屋)

常磐炭礦住吉一坑
(中央選炭工場・坑口・扇風機上屋)

石炭産業の近代化・機械化が進められた内郷地区の産業遺産で、当時の最新技術を誇った。原炭からズリ(岩石や粗悪な石炭)を除去し、塊炭と粉炭を選別する選炭工場や、石炭を運ぶ本卸(ほんおろし)と人や資材を運ぶ連卸(つれおろし)の2つからなる坑口、炭鉱の坑道における空気調整の扇風機上屋が残る。

  • 住所/いわき市内郷宮町金坂
  • 交通/JR「内郷駅」より徒歩で約15分
  • 電話/0246-42-3155(いわきヘリテージ・ツーリズム協議会)
  • ホームページ/いわきヘリテージ・ツーリズム協議会別ウィンドウで開きます
講師/渡辺 文久氏の写真

内郷は常磐炭田の歴史で象徴的であり、常磐炭礦が持てる技術力を発揮して、地下の採炭現場と一体化して採炭・坑内運搬・選炭商品化・鉄道搬送と総合的な施設の建設を行った場所です。中央選炭工場・坑口・扇風機上屋は近接しています。

湯本山神社

湯本山神社

炭鉱の安全を祈るために祀られた山神社では、毎年盛大な山神祭が行われていた。現在の湯本山神社は昭和9年に建立。炭鉱の閉山によって統廃合が繰り返され、各坑にあった神社はここに合祀された結果、いわきに残る唯一の山神社となっている。

  • 住所/いわき市常磐湯本町台山6
  • 交通/JR「湯本駅」より徒歩で約10分
  • 電話/0246-42-2007(温泉神社)
講師/渡辺 文久氏の写真

坑内での仕事は常に危険を伴うもので、炭鉱に携わる人はヤマの神を信仰してきました。当時の祭りは神輿が練り歩くほか、境内には多くの出し物、スポーツ大会などのイベントで大いににぎわい、炭鉱社会の精神的結合の核となっていました。

スパリゾートハワイアンズ

スパリゾートハワイアンズ

エネルギー政策の産業転換に伴い、日本人が憧れたハワイをコンセプトに、日本初のリゾート施設として、昭和41年にオープン(旧称:常磐ハワイアンセンター)。湯本温泉を使用した温泉テーマパークで、プールや温泉、ポリネシアンショーなどが楽しめる。

  • 住所/いわき市常磐藤原町蕨平50
  • 交通/JR「湯本駅」より車で約10分(無料シャトルバスあり)
  • 電話/0570-550-550(いわき予約センター)
  • ホームページ/スパリゾートハワイアンズ別ウィンドウで開きます
講師/渡辺 文久氏の写真

三井藤原炭礦の跡地に立ちます。採炭時に湧出し、経営を圧迫していた排温水を温泉として利活用しました。常磐炭礦の理念である「一山一家」を体現しつつ、「炭鉱から観光へ」と地域の構造転換を象徴した歴史ある施設です。