講座の舞台を旅する
第18回 出羽三山、江戸隆盛の秘密

「江戸の信仰を体感する修験の地」

講座の舞台となった山形の地図
慈恩寺テラス

慈恩寺テラス

奈良時代に聖武天皇の勅命で開山したとされ、東北有数の文化財所有数を誇る本山慈恩寺。境内と周辺一帯は「慈恩寺旧境内」として国史跡の指定を受けている。「慈恩寺テラス」は、最新技術を駆使した展示を通してその魅力をわかりやすく紹介する総合案内施設。

  • 住所/寒河江市大字慈恩寺1178-1
  • 交通/JR「寒河江駅」より車で約15分
  • 電話/0237-84-6811
  • ホームページ/慈恩寺テラス別ウィンドウで開きます
講師/岩鼻 通明氏の写真

慈恩寺は当時、羽黒山を超える規模の巨大寺院であり、出羽三山が天台宗と真言宗に分かれ対立した際には、真言宗側をバックアップする存在でした。背後にそびえる葉山は中世までは出羽三山の一つで、修験の地でもありました。

岩根沢三神社

岩根沢三神社

月山南東の修験集落に佇む古社。かつては日月寺という寺院で、登拝する行者の拠点として創建したと伝わる。出羽三山への登拝口に残された唯一の中心的な建築遺構。正式名称は「月山神社 出羽神社 湯殿山神社 摂社 月山出羽湯殿山三神社 社殿」。

  • 住所/西村山郡西川町大字岩根沢字上ノ平94
  • 交通/JR「左沢駅」より車で約20分
  • 電話/0237-74-4732
  • ホームページ/出羽三山神社 岩根沢三神社別ウィンドウで開きます
講師/岩鼻 通明氏の写真

江戸時代より出羽三山には「八方七口」と呼ばれる7つの登拝口があります。その一つ、岩根沢に立つ神社で、かつては天台宗系の日月寺という寺院で、門前には宿坊が立ち並んでいました。天宥が羽黒山別当になる前、この寺で修行していました。

羽黒山 三神合祭殿

羽黒山 三神合祭殿

月山、羽黒山、湯殿山の三神を合祀する荘厳な大社殿。2メートルを超える厚さの茅葺屋根を持つ茅葺木造建築物で、山伏が滞在する長床(ながとこ)などの構造を残す。周囲は自然地形に応じて建物が配される山岳寺院特有の景観が広がっている。

  • 住所/鶴岡市羽黒町手向字手向7
  • 交通/JR「鶴岡駅」よりバスで「羽黒山頂」下車、徒歩約5分
  • 電話/0235-62-2355(出羽三山神社)
  • ホームページ/出羽三山神社 羽黒山 三神合祭殿別ウィンドウで開きます
講師/岩鼻 通明氏の写真

出羽三山の三神を祀る、巨大な茅葺屋根の建造物です。かつてのご神体は向かいに広がる御手洗(みたらし)池とされ、池の中からたくさんの古い鏡が見つかったことから、「鏡池」とも呼ばれています。

湯殿山本宮

湯殿山本宮

月山南西の山腹に連なるなだらかな稜線にある湯殿山。出羽三山の奥宮であり、境内での写真撮影は禁止。参拝には土足厳禁という厳しい戒めがあり、現在も履き物を脱ぎ、裸足になり、御祓いを受けてからでなければお詣りが許されない神域とされている。

  • 住所/鶴岡市田麦俣字六十里山7
  • 交通/JR「鶴岡駅」より車で約55分
  • 電話/0235-54-6133 ※開山期間中のみ
講師/岩鼻 通明氏の写真

湯殿山のご神体は撮影禁止。ご神体の奥には、岩供養と呼ばれる先祖祭祀の場があり、神道となった今も先祖を祀る習俗が続いています。これが出羽三山信仰の大きな特徴です。ぜひ一度、訪れてみてください。

いでは文化記念館

いでは文化記念館

出羽三山の文化を学び、体験できる施設。出羽三山への知見が深まる企画展示をはじめ、三山の歴史や修験の世界に関するセミナーも開催している。また、衆生の迷夢を覚し諸悪を祓うという、山伏が吹く法螺貝を、実際に試吹できる体験コーナーもある。

  • 住所/鶴岡市羽黒町手向字院主南72
  • 交通/JR「鶴岡駅」よりバスで「いでは文化記念館前」下車、徒歩約1分
  • 電話/0235-62-4727(羽黒町観光協会)
講師/岩鼻 通明氏の写真

羽黒山の神道と仏教、双方に関するさまざまな展示を行っている施設です。また、羽黒山の秋の峰と呼ばれる山伏修行の、ミニ体験ができる施設としても知られています。