トランヴェール Train Vert
トランヴェール 2021年2月 東北

2021年 2月号 特集
若い力で醸す
これからの日本酒

東北は言わずと知れた酒どころである。歴史のある蔵、若さにあふれる蔵、それぞれに流儀がある。まさに「酒屋萬流」だ。東日本大震災から10年。岩手・宮城・福島で、酒造りと向き合ってきた若い蔵元たち。彼らの酒造りの10年の軌跡を追いながら、酒造りに情熱を注ぎ、若い力で進化を続ける若者たちのこころざしを訪ねた。

DATE SEVENが語る10年

酒造りユニット「DATE SEVEN(伊達セブン)」ロゴの写真

宮城県の7つの酒蔵による酒造りユニット「DATE SEVEN(伊達セブン)」。技術研鑽を目的に酒造りを分業し、毎年リーダーを回り持ちしながら、共同作業によって1つの酒を生み出している。2015年に第1号をスタートさせ、2021年にめでたくフィナーレを迎える。それぞれの震災を経験し、酒造りに日々格闘してきた7人が、この10年の思いを語り合った。

2020年度のお披露目イベントの様子の写真

実力があるのに控えめな宮城の酒をPRするために、新しい酒を生むユニットを作ってみてはと、酒販店の方に飲み会で提案されたのが、このユニットの始まりだった。その時、たまたま集まっていたのがメンバーの7人だ。20代から50代と世代も幅広く、まさにオープンイノベーションで、いい刺激がたくさんあったという。写真は、2020年度のお披露目イベントの様子。

勝山酒造の伊澤平藏さんの写真

DATE SEVENの最終回となる2021年のテーマは「世界へも発信」。元禄年間創業の仙台の老舗で、世界的な品評会でも受賞歴のある勝山酒造の伊澤平藏さん(写真)がリーダーを務める。宮城から全国へという想いが強くあったため、全国から海外へというのは自然な流れ。世界の市場に媚びず「まっとうでいて既存のものではない」日本酒を造り、ラストメッセージにしたいという。