揚北衆も食した 村上の鮭

色部氏の正月元日の食膳が、新潟県立歴史博物館に展示されていた(写真)。その中で目を引いたのが鮭の塩引きや鮭のすし、はらこなどの鮭料理である。揚北の川では昔から鮭がよく取れた。古くは平安時代の法令集「延喜式」に、この地域で取れた鮭を都に献上した記録がある。村上の鮭文化は奥深く、「村上人は、頭から尻尾、内臓まですべて食べ尽くす」といわれ、各家庭で伝統的に受け継がれてきた鮭の調理法は100種を優に超えるという。中世から今日に至るまで食される郷土食は、歴史と文化の産物である。