トランヴェール Train Vert
トランヴェール 2020年月 宮城

2020年 2月号 特集
横丁を歩けば仙台が見えてくる

かつては多くの都市にあった風情ある横丁。しかし、再開発が進む都市からは、消えつつある。それが仙台市には、その数も規模もバリエーションも豊かに、活気ある横丁が残っている。そして、発展の可能性も秘めていそうだ。横丁など道から仙台の旅を始めることで、都市の未来の姿も見えてくるのではないだろうか。そんな楽しみを胸に、仙台の道を歩いてみた。

目的別に楽しむ横丁

源氏

仙台の横丁には、郷土料理を出す居酒屋や、焼き鳥店、ロックバー、ワインバーなど、夜を楽しめる店が数多くある。海外からの旅行客のために、そうした店を巡って飲む「はしご酒」のツアーを企画する会社もあり、店から店へと移る途中では、横丁の雰囲気を楽しみながら歩く。初めて訪れた不案内な日本人旅行客も横丁が楽しめると、人気を呼んでいるという。

modern jazz & snack KABO(カーボ)

仙台は音楽の町でもある。夏には、定禅寺通りを開放してジャズやロックのバンドが出演する音楽祭が開かれ、全国から多くのファンを集めている。仙台が音楽の町であるもう一つの理由は、ジャズ関連の店が多いことだろう。バンドが出演してライブを聴かせる店や、クラシック・ジャズから最新のジャズまで、オーディオにこだわって聴かせる店などが多いからだ。

菅原酒店

一番町にある近代的なアーケードの商店街には、通りの様子からは想像しにくいが、創業100年を越す老舗の店が多くある。一番町四丁目商店街の入り口にある「菅原酒店」は、2020年で創業125年。酒類の販売を行いながら、店先をバーとして日本酒やワインなどをショットで提供している。ぶらんど~む一番町商店街の「こわめしや」は、110年ほどの歴史をもつ蕎麦店だ。