勝頼を讃えた
仇敵・信長

甲斐武田氏発祥の地であり、本拠地であった甲斐国(現在の山梨県)。勝頼の祖父が拠点として選んだのは、山がちな甲斐国の中心にある甲府盆地だった。甲府盆地からは、富士山の美しい姿を眺めることができる。現代では、宝石を散りばめた箱のような夜景も有名だ。

織田・徳川軍に甲斐まで攻め込まれたとき、勝頼が最後に頼りにした城が、巨大な岩山に築かれた岩殿城だったといわれている。しかし、城主である家臣に裏切られ、この城に逃げ込むことはできなかった。

1330年、京都から高名な僧、夢窓疎石を招いて立てられた恵林寺。勝頼の父、信玄はここを自らの廟所とし、死後は恵林寺に墓を建てるように定めた。寺には、夢窓疎石がつくった禅宗庭園があり、700年近い時間を経てなお美しい姿を見せている。