16時20分上野発 懐かしの開業時の時刻表

1999年7月16日にその
歴史を刻み始めた
寝台特急「カシオペア」。
その詳細を掲載したのが、
1999年7月1日発行の『JR時刻表』です。
今回「カシオペア」の25周年を記念して、
「カシオペア」にまつわる
当時の時刻表誌面を一挙掲載!
懐かしの時刻表の誌面をたどれば、
デビュー時の高揚感が思い出されます。

  • 〔表紙〕

    時刻表
    時刻表

    「カシオペア」の列車名の由来から想起した、「星座に導かれて北の大地へ」のキャッチコピーが添えられています。
    象徴的な展望室(カシオペアスイート)が美しく表紙を飾り、そのデビューを祝いました。

  • 〔時刻表〕

    時刻表
    時刻表

    1999年7月16日、上野発16時20分。ここから「カシオペア」は走り始めました。
    注記として添えられている「オール2階建車両」は日本初の寝台車両でした。個室寝台車の種類を表す記号「SA2」「A2」の「2」は2人用を意味します。眺めの良い2階建ての車両で、二人の大切な時間を過ごす…そんな特別感が、時刻表を見るだけでも読み取れます。
    ちなみに、「SA2」という記号は、「カシオペア」の登場とともに新たに作られた記号です。
    ここでツウな話をひとつ。上野発16時20分の「カシオペア」の列車番号は8009。8000番台の列車番号は、臨時列車として計画されるものに割り当てられます。他の8000番台の列車と、時刻表の表記ルールが違うところに気が付きませんか?
    臨時列車は、時刻表記が斜字になるのですが、「カシオペア」は標準(正体)での表記になっているのです。これは、「定期列車としてご案内したい」という希望を受け、交通新聞社(当時は弘済出版社)の時刻表編集部が工夫して実現したものです。

  • 〔JRビジュアルトピックス〕

    時刻表
    時刻表

    まるでホテルのような設備とサービスを備えたハイクラスな寝台列車を、客室の様子や食事などの写真とともに紹介しています。
    「乗ってみたい!」「この列車で北海道へ…」という期待感が高まる巻頭特集でした。
    全88室がすべてあらわされた編成図にも注目です。

  • 〔特急運転系統図〕

    時刻表
    時刻表

    全国の、新幹線・特急の運転網を一覧できるこの図。上野から、北へ伸びる紫色の線が「カシオペア」です。先輩である「北斗星」、青森までの「はくつる」も名を連ねます。
    1999年7月時点では、「カシオペア」をはじめ、計16の寝台列車が北へ、南へ走っていました。

  • 〔寝台特急利用の主要駅間運賃・特急料金早見表
     および寝台特急利用の主要駅間個室料金早見表〕

    時刻表
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    寝台特急を利用するには、運賃(乗車券)と特急料金(特急券)、それに寝台料金(寝台券)が必要です。
    1999年7月16日にカシオペアスイートを上野駅から札幌駅まで利用した場合の大人1人の運賃・料金を、当時の時刻表から算出してみましょう。
    正解は、運賃14,070円+指定席特急料金3,150円+カシオペアスイート寝台個室料金25,490円=42,710円です。今は乗り換え検索サービスで運賃もすぐに表示されますが、早見表を見ながら必要な費用を計算するのも、旅の醍醐味のひとつといえるのではないでしょうか。

  • 〔食堂車のご案内〕

    時刻表
    時刻表

    「カシオペア」での食事についても『JR時刻表』で案内されていました。夕食は17:30からと19:20からの2回制、フランス料理コースもしくは懐石御膳を予約できました。
    2024年現在、『JR時刻表』に食堂車の案内ページはありません。時代の移り変わりを感じます。

  • 〔在来線寝台特急 席番配置図〕

    時刻表
    時刻表

    カシオペアには、カシオペアスイート・カシオペアデラックス・カシオペアツインという大きく3種類の個室タイプがあります。1号車・2号車・4号車(1階・2階)を載せることで、すべてのタイプの配置図を網羅しています。
    なお、個室ごとに書かれている番号は部屋番号にあたるもので、特急券・A寝台券の券面に「1号車 1番 個室」のように印字されます。

監修:交通新聞社

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