技術革新
時代を先取りした技術開発の取組み
「技術革新中長期ビジョン」に掲げた「安全・安心」「サービス&マーケティング」「オペレーション&メンテナンス」「エネルギー・環境」の4分野において、IoTやビッグデータ、AIなどを活用して、新しい価値を生み出すための時代を先取りした技術革新をめざしています。特に「生産年齢人口減少」「エネルギー・環境問題」「激甚化している自然災害対策」などJR東日本グループが置かれている経営課題や現場の課題の解決に向けて重点的に取り組んでいます。
技術革新中長期ビジョン

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主な取組み例

新幹線車両用側
ふさぎ板取外し装置

MTT自動タンピング
支援システム

次世代新幹線試験車両
(ALFA-X)
AIを活用した復旧支援や検査の効率化
信号通信設備における生成AIを活用した復旧支援
2023年3月より、首都圏の在来線信号設備の一部において、故障発生時に指令員の判断を支援するAIを活用したシステムを導入しています。
2025年度内に、現行システムを改良し生成AIを導入することで、信号通信設備における故障発生時のさらなる復旧時間短縮、お客さまへのタイムリーな情報提供、社員の知識と経験依存からの脱却を実現していきます。今回導入するシステムをさらに機能向上するとともに、他分野でも導入を検討しています。

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新幹線トンネル検査へのAI導入

鉄道土木構造物は定期的な検査を行うことで列車の安全・安定輸送を確保しており、トンネルでは覆工コンクリートの表面のひび割れ等に着目した検査を行います。この度、新幹線トンネル覆工コンクリート表面の画像からひび割れをAIにより自動抽出する技術、二時期のひび割れを比較する技術を開発し、これらの技術を組み合わせた新幹線トンネル検査のDXを日本で初めて実現しました。
検査効率の向上
変状を図示した「変状展開図」を上記2つの新技術を適用して作成することにより、ひび割れの見落としリスクの低減、ひび割れ進展箇所の明確化、並びに夜間作業時間の2割削減が可能となります。
今後の展望
2025年度から新技術を活用した検査を導入するほか、覆工から路盤まで画像で確認・検査が可能な仕組みを整備し、さらなる検査の効率化・DXを進めていきます。
DXの推進に向けた多様なデジタル人材の育成

DX戦略策定・実行に取り組むエキスパート人材や、箇所の業務課題に対するより高度なアプリ等の作成による解決、さらには習得したITスキルやノウハウを一般社員に教えるミドル人材について、2031年度末までに累計11,000人の育成・認定をめざします。これらを通じて、各箇所が自発的にデジタルを活用して課題を解決する風土を醸成していきます。
DXプロによるデジタル人材育成【イノベーション戦略本部】
2023年11月にJR東日本のDX推進を牽引する専任担当として、約40名の「DXプロ」が各機関に配属されました。DXプロは主にMicrosoft 365のPower AutomateやPowerAppsを活用したノーコード・ローコードツールに関するハンズオン研修を実施し、各職場が業務課題に対し、自らアプリ等を作成して業務改善や効率化を進める風土を醸成しています。また、ある職場で作成されたアプリ等の好事例を他職場に展開する伝道師としての役割も担い、効率的なデジタル改善を促進しています。これらの取組みにより、全社的なデジタル人材育成は加速度的な盛り上がりをみせ、2027年度末としていたミドル人材5,000人、ベーシック人材25,000人の育成目標は、2024年度末に早期達成されました。
今後は、ミドル人材を中心に、さらなるデジタル人材のレベルアップを図ることにより、各職場がDXプロに頼ることなくデジタル技術による業務効率化を加速させることをめざしています。DXプロは、デジタル人材育成を通じて、社員一人ひとりのDXリテラシー向上に取り組み、会社全体の業務効率化を進めていきます。

