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【本イベントは終了しております】
山手線でアートと音楽を楽しむ50日間「HAND! in YAMANOTE LINE」。
初めて実施した2020年11月につづき、今年は1月17日から3月7日の期間、沿線の駅やまちを舞台にアート展示やワークショップ、音楽イベント、まちあるきイベントなどを開催しました。
これほどまでに長期化するとは思っていなかったコロナ禍。私たちの日常には、不安や閉塞感、疲れや諦めといった感情が漂っているようにも感じます。
一方でそういう時にこそ、アートや音楽や人との出会いによって、心がほっとしたり、わくわくしたり、感動したりという出来事と遭遇した時に起きる心のざわめきが必要なのではないかと思います。
「HAND! in YAMANOTE LINE」は山手線・駅という私たちのくらしに近い場所に存在する当社だからこそ、こうした状況下においてこそ必要な「日常の中の彩り」を提供したいという思いで企画した祭典です。イベント名のHAND! は「Have A Nice Day!」の頭文字をとったもの。そして山手線の手ともリンクしています。期間中、一緒に、山手線沿線の日常を楽しみましょう、そんな思いを込めています。感染対策に留意しながら行われた様々な企画。ここではそのいくつかを振り返りながらご紹介します。
ひと駅ごとに全く異なる個性をもつ30の駅・まちを結ぶ山手線。日々多くのお客さまにご乗車いただいています。HAND! のオープニングを飾る1月18日から2月1日には、特別仕様の車両「山手線ver.HAND! by東京感動線」を運行しました。
中吊りを飾るのは広告ではなく、11アーティストによる実物のアート作品やスマートフォンで楽しめるARコンテンツ。中吊りアート「YAMANOTE LINE MUSEUM NAKAZURI GALLERY」は、1両ごとに異なる気鋭のアーティストの実物の作品が展示されているだけでなく、作品に取り付けられた二次元コードをスマートフォンで読み込むと、アーティストの紹介や世界観を知ることができ、気になる作品はJRE MALLで購入することもできるという初めての取組みでした。墨の作品からは香りまで匂い立つような迫力が感じられ、中にはおもちゃのような立体作品も。普段の電車内とは異なる景色となりました。
また、車両内では目だけでなく耳で楽しむコンテンツも実施。沿線の音を感じられる特別な車内放送をラジオ局のアナウンサーによる音声で放送しました。新橋駅付近では「♪汽笛一声新橋を~」と鉄道唱歌が不意に流れるなど、沿線にまつわる歴史や音が感じられるいつもと違う車内アナウンスに、驚きと喜びの声がSNSにも多数寄せられました。
「山手線ver.HAND! by 東京感動線」は、これまでの「通勤電車」を振り返り、いままで搭載することのできなかった新しい仕組みや技術も盛り込みながら、お客さまの日常に驚きや彩りをもたらすような、新しく素敵な乗車体験を目指して実施しました。
山手線の中吊りや、上野駅公園口の改札内、高田馬場駅のベックスコーヒーショップ内、有楽町駅~新橋駅間の高架下にある日比谷OKUROJI・・・。そんな駅や沿線の至るところが美術館やアートギャラリーに。これらの取組みは今回のHAND! in YAMANOTE LINEのポスターやリーフレットデザインなども手掛けたアートディレクションユニット「MELTed MEADOW」とともに企画しました。山手線の車内や駅構内の広告フレーム、駅構内のカフェの中といったふとした日常風景の中に現れる思いがけないアートとの出会いを愉しんでいただきたい。そんな思いに共感いただいたアーティストの方に参加いただきました。
(上野公園口改札内「YAMANOTE LINE MUSEUM」、ベックスコーヒーショップ高田馬場店内「ToMoRrow Gallery」は、HAND! 終了後も継続して展示しています。)
日比谷OKUROJIでは期間中、誰でも弾けるピアノ「LovePiano」も展開し、100年を超える煉瓦アーチをアートと音楽が彩りました。日比谷OKUROJIで展示されたのは画家水野竜生氏の長尺アート。1月下旬には水野竜生氏とともに一緒に長尺アートを創るワークショップも行われ、日比谷OKUROJIのショップの方や、通りすがりのお客さまなど、様々な方が思い思いにアクリルチューブを手にして一緒に作品を制作。その作品がHAND! 期間中日比谷OKUROJIに展示されました。
3月4日から6日の3日間、東京駅グランスタ地下1階イベントスペーススクエアゼロで開催したのは東京駅と昭和女子大学田村圭介研究室による企画展示「山手線全30駅模型展」。スクエアゼロの空間をぐるりと囲む円に添って吊るされていたのは、山手線と同様の並びで配置された山手線全30駅構内を1/500スケールで精密に再現した駅模型。各駅の全貌を好きな角度から思い思いに堪能することができるユニークな展示でした。複雑すぎるターミナル駅と驚くほどシンプルな構造の駅の対比も面白く、何周も回ってじっくり眺めている方もいらっしゃいました。
様々な文化施設が広がる上野エリア。その中でも歴史、文化、芸術が交差する上野公園と谷中方面をつなぐポイントにある「旧博物館動物園駅」「国立国会図書館国際子ども図書館」「東京国立博物館黒田記念館」「東京藝術大学」「旧東京音楽学校奏楽堂」の一帯を総称する「上野アートクロス」。上野の美術館や博物館に訪れたことがある方でも、この辺りまで足を延ばしてみる機会はもしかしたら少ないかもしれません。そしてこのエリア、実は鶯谷駅からもとても近いのです。上野と鶯谷というと、まったく印象の異なる駅ですが、今回のHAND! では、この2駅と上野アートクロスの各施設をつなぐまちあるきツアーを企画しました。普段は入ることのできない「旧博物館動物園駅」の中を実際にご案内くださったのは京成上野駅の駅長!会社の垣根を越えたおもてなしに驚かれるお客さまも。建物内は駅としての役割は終えたものの当時の看板やきっぷうりばなどがそのまま残されており、時を経てもなおその魅力を存分に湛えた空間でした。さらに黒田記念館は本企画に合わせ、年に数回の特別室を開室。黒田清輝の代表作をじっくりと鑑賞することができました。東京藝術大学や奏楽堂では、講師や学芸員の方による特別ツアーを実施。スペシャリストだからこそ知る歴史や逸話の数々に皆さま興味津々でした。
他にもここに書ききれないほどたくさんのイベントを開催した今回の「HAND! in YAMANOTE LINE」。イベントの中で参加いただいた様々な方の驚きや喜びやワクワクといった表情に出会うことができ、企画した私たちがたくさんの元気をいただきました。駅とまち、まちと人、さらには人と人のつながりを生む取組みとして、またお目にかかれるように、今後も色々と企画を練っていきますので、どうぞお楽しみに。