東京感動線

いつかまた、ここから旅に出る。
東京駅と東日本エリアを
ARでつなぐアートイベント
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TOKYO STATION AR ART PROJECT
(HAND!in Yamanote Line
期間中開催)

交流・体験
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誰もが体験できるARアート

11月16日(月)〜30日(日)に開催される、山手線の30駅とその周辺施設、オンラインで繰り広げられるアートと音楽の祭典「HAND!in Yamanote Line‐山手線でアートと音楽を楽しむ15日間‐」。
そのひとつとして、東京駅丸の内駅前広場で「TOKYO STATION AR ART PROJECT」が開催されます。

これは、新型コロナウイルス感染症の終息への願いを込めて、東京駅とそこから広がる東北を中心とした東日本エリアをARアートでつなぐ試み。
積極的に旅に出かけることがまだ難しい今、東北地方や新潟、長野に「落ち着いたら行きたいな」と感じてもらいたいという想いから生まれました。

専用の無料アプリ「XR CHANNEL」をダウンロードし、スマートフォンで東京駅の丸の内駅舎周辺を写すと、ポップにデザインされた赤べこや七夕飾りなどの東北の縁起物が駅前広場に出現します。

コンテンツデザインを手がけたのは、国内外で活躍しているインタラクションデザイナー、中田拓馬さん。今回は中田さんに、制作に込めた思いや見どころについて聞きました。

最新技術を生かした、ここにしかない体験を‐中田拓馬さんインタビュー

東日本エリアの縁起物でポジティブな気分に

コンテンツの制作は、ARでどんなモチーフを出現させるか考えることから始まりました。“東日本エリアに思いを馳せる”というテーマに合わせ、縁起物をモチーフにしてポジティブになれるようなものをつくっていこうと考えたんです。

JRさんも含めて意見を交わし、初めに候補として赤べこやこけし、それからねぶた、なまはげなどが挙がりました。ただ今回は、モチーフをすべて3Dでつくるという技術的な試みをすることになっていたので、形が複雑だったりして3D化することに向かないモチーフだと難しかったんですね。そのことを踏まえて検討した結果、赤べこ、仙台七夕、三角だるまをメインモチーフとして採用することにしました。

実際の体験では、東京駅の丸の内駅舎のあたりに巨大なメインモチーフが浮かび、そのまわりに小さな七夕のモチーフとか、こけしが浮遊して見えるようにしました。赤べこが首を振ったり、三角だるまが起き上がってまた寝転んでというように、動きも楽しんでいただけるようになっています。

子どもも楽しめるポップな世界観

TOKYO STATION AR ART PROJECTは、コロナ禍になって以降、僕が初めて携わる大型のリアルイベントです。だからこそ、デザインを考えるうえでまず思ったのは、子どもたちが楽しめるものにしたいということでした。世の中がこういう状況になり、子どもが一番被害を受けているというか、楽しみを奪われてしまっている気がしたので。だから、色がポップで怖くないとか、パッと見ておもしろいなと思えるものにしたいなと考えました。ユーザーや東京感動線の読者には女性も多いと感じたこともあり、今回はアートワークを知り合いのデザイナーにお願いすることにしました。

というのも、普段僕がつくっているものには、もうちょっと色が強かったり、情報量が多くて幾何学的な見た目のものが多いんです。東京駅っていう象徴的な場所でみんなが体験できるイベントと考えると、ルックは別の人にお願いしたほうがいいと判断しました。3D部分は分担しながら、アートワークはそのデザイナーが担当して、ふたりでバランスをとりながらつくっていった形です。

【画像】
中田さんが過去に手がけた作品。《DailyGen116》(左)、《DailyGen130》(右)。

街に巨大なモチーフを“出現”させる新技術

今回使用するアプリ「XR CHANNEL」は、技術的にもおもしろいんですよ。従来のARは、カメラで自分のまわりの空間をスキャンすることで床などが認識され、モチーフがポッと出る。でも「XR CHANNEL」は、建物なども含めた“街の形”の情報があらかじめ3Dマップとしてつくられていて、それを認識するらしいんです。

これによって、東京駅とか大きい立体物の向こう側に、隠れるようにモチーフを出すことができます。目の前の風景に重ねて表示されるというよりは、“街にモチーフが出現する”という感覚が味わえるはず。

そうなると、モチーフが浮いていたり、現実にはありえないスケールのほうが絶対におもしろいと思ったので、赤べことかはかなり大きいサイズに。気球のように浮かんで見えるようにしたのも、今回の技術の特徴を生かすためです。しくみ上、実際に現地に行かないと体験できないという、すごくリッチなつくりになっているのも魅力のひとつではないでしょうか。

東京駅の前に現れるポップな世界観を、駅舎も写し込みながら写真や動画に撮って、ぜひSNSにアップしてもらいたいです。今回は僕が現地に行けないかもしれなくて、そうなると行った人たちからの目からしか完成形が見られないんです。だから拡散された写真を見て、こうやって見えているんだ、自分の作品がこうやって元気にしているんだと感じられたらうれしいです。

<profile>
中田拓馬
1歳から中学生までブラジル、セネガル、インドネシアで過ごし、現在は京都を拠点に活動するビジュアル/空間アーティスト。仮想的な現象を物理的体験に変換することに情熱を注ぐ。学生時代に中程度の色弱であることに気づくも、憧れていた映像作家を志すため自費で美術大学に入学。その後プログラミングを通じた表現や、お客さんの反応が直に感じられるインタラクティブアートの世界に興味を持ち、オランダに留学。以後フリーランスのインタラクションデザイナー兼アーティストとして活動する。
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【画像】
TOKYO STATION AR ART PROJECTの制作画面(中田さん提供)。

《TOKYO STATION AR ART PROJECT》
ディレクション:中田拓馬
デザイン:山岸遥
テクニカル:原淳之助

TOKYO STATION AR ART PROJECTの楽しみ方

■体験方法
①アプリ「XR CHANNEL」をスマートフォンにインストール
 


Download on the App Store
Google Play で手に入れよう


②「XR CHANNEL」を開き、TOKYO STATION AR ART PROJECTのバナーをタップ

③体験したいコンテンツのMAPボタンをタップ

④コンテンツの表示場所を確認

⑤コンテンツをダウンロードし、PLAYボタンをタップ

⑥スマホをゆっくり右に動かして、現在地をスキャン

⑦コンテンツが表示されたら写真や動画を撮ろう

※本サービスは2020年10月現在のものです。サービス、コンテンツは予告なく変更、中止される場合があります。
※App storeはApple Inc.のサービスマークです。
※Google Play および Google Play ロゴは、Google LLC の商標です。


■開催概要
「TOKYO STATION AR ART PROJECT」
・開催期間:2020年11月16日(月)〜30日(月)
・開催場所:東京駅改札外 丸の内駅前広場
※日没後はご利用いただけない場合がございますので、日中にお楽しみください。


■「#東京感動線HAND」で投稿! SNSキャンペーン
期間中、各イベントでの写真を「#東京感動線HAND」をつけてTwitterまたはInstagramに投稿すると、東京ステーションホテルのペア宿泊券や、東京感動線がセレクトするアートグッズ等の賞品が合計20名様に当たります。ぜひご参加ください。

→各種イベントなど、HAND!in Yamanote Lineについて詳しくはこちら