「TRAIN SUITE 四季島」を支える想い

Vol.562021/12/10

TRAIN SUITE 四季島 同行カメラマン
岡田 卓也/大澤 智子/吉間 敬憲/川野邉 久の想い

ずっと記憶に残る、最高の1枚を。

「TRAIN SUITE 四季島」の旅では、専属カメラマンが同行し、車内や旅先でのお客さまのご様子や風景を撮影する。撮影された写真は、旅の終わりに、上野駅「PROLOGUE 四季島」でのフェアウェルパーティーでスライドショーの形でお客さまにご覧いただくほか、のちにフォトブックとしてお届けする。旅先の絶景や料理、人とのふれあいを記録した一枚は、かけがえのない大切な旅の思い出となる。


写真を通じて「おもてなしの心」を伝えたい

岡田 卓也:
私たちカメラマンは、始めから終わりまで、ずっと旅に同行させていただいております。お客さまとお話していると、皆さまが「TRAIN SUITE 四季島」の旅を心から楽しみにしていらっしゃることを感じます。素敵な1枚をできるだけ多く撮りたいので、お客さまとの距離感を縮めるようにしています。ですから、私のことは、「たくちゃん、と呼んでください!」とお声掛けして、リラックスした雰囲気を作るようにしています。時には「カメラマンが同行していると聞いたので、カメラは持ってこなかったよ」という方もいらして、「これはいい写真を撮らなくては!」と、より一層気持ちが引き締まります。
お客さまを撮影する主な人気のスポットは、例えば3泊4日コースですと、発着駅である上野駅や、ホームがカーブしていて車両全体がよく見える函館駅です。お客さまと車両がいいバランスで写真に収まるので、列車の旅ならではの1枚になります。
「TRAIN SUITE 四季島」が大切にしている「おもてなしの心」を、私も写真を通してお客さまにお伝えしたい、といつも心を込めてシャッターを切っています。


あたたかなふれあいから生まれるベストショット

大澤 智子:
お客さまの笑顔や自然な表情を1枚でも多く撮影したいので、できるだけ“黒子”に徹するように心掛けています。ただ、旅の時間をお客さまとともに過ごしていますと、つながりが自然と生まれてきます。時にはお客さまを絶景ポイントにご案内することもあります。お客さまと目の前に広がる素晴らしい風景に一緒に感動するなかで、会話も弾み、ベストショットが生まれます。
私は撮影の際は一眼レフのカメラを2台下げて、10両編成の列車の中を行ったり来たりしています。冬のコースですと、積雪で足もとが不安定な環境での撮影もあり、体力勝負の場面もあります。
なかには、以前参加された際のフォトブックをお持ちくださるお客さまもいらっしゃいます。写真を通じて新たなご縁が生まれ、この仕事がますます好きになりました。撮影の瞬間は、一期一会。旅を終えてからもご自宅で何度も見返していただけるような写真を撮りたいと、毎回気持ちを込めて臨んでいます。


極上の鉄道の旅ならではの写真をお客さまに届けたい

吉間 敬憲:
「TRAIN SUITE 四季島」の旅は、唯一無二の鉄道の旅です。お客さまには鉄道がご趣味の方も多く、年配のお客さまですと寝台特急やブルートレインがお好きで「TRAIN SUITE 四季島」にご乗車になられたという方もいらっしゃいます。
旅先では「どこで写真を撮るといいの?」というご質問をよくいただきますが、私が特におすすめしているのは、たとえば3泊4日コース/春~夏の場合ですと、洞爺湖の展望台からの眺望、鶴岡市立加茂水族館のミズクラゲの大水槽の前、三内丸山遺跡の大型掘立柱建物跡(六本柱)、五所川原の立佞武多(たちねぷた)でしょうか。それぞれ圧巻の自然美、歴史や文化の奥深さなどあらゆる魅力が詰まっています。
「TRAIN SUITE 四季島」の旅は、クルーや車掌がとてもアットホームで、お客さまとの和やかな一体感があります。私自身、そんな特別な旅の時間に同行させていただく一員として、お客さまの記憶に残る、最高の一枚を撮りたいと思っています。


「素敵な旅だった」と思い出していただくことが、一番のやりがい

川野邉 久:
旅のあと、お客さまから労いのお手紙を頂戴したり、「今度、日本に行くからその時は写真を撮って」と海外のお客さまからご連絡をいただいたりすることがあります。そんなとき、この仕事はカメラマン冥利に尽きると感じます。
私がおすすめしたい撮影スポットは、1泊2日コースですと、信越本線の青海川駅周辺です。海に最も近づく場所で、月が出ている夜は海面に月が反射してとても綺麗です。また、阿賀野川(阿賀川)に朝靄が低く垂れ込める景色は実に幻想的です。
「TRAIN SUITE 四季島」は、沿線の皆さまやレストラン、訪問施設など多くの方々に支えられている列車です。この特別な列車の旅の先には、多くの人の想いや笑顔があります。お客さまにはこの旅で1つでも多くの出会いを作っていただき、あとからアルバムを開くとき、「素敵な旅だった」と思い出していただくことが、一番のやりがいだと感じています。


【プロフィール】
  • 岡田 卓也
    創業100年近い写真館の4代目で、普段は七五三、成人式、結婚式などの撮影に従事。2017年の「TRAIN SUITE 四季島」運行開始時から同行カメラマンとして撮影を担当
  • 大澤 智子
    料理、スポーツ、学校行事の撮影などで経験を積み、2019年夏から「TRAIN SUITE 四季島」の同行カメラマンとして撮影を担当
  • 吉間 敬憲
    出版社勤務時に趣味で写真撮影を始め、2010年よりカメラマンに転身。「TRAIN SUITE 四季島」運行開始時より同行カメラマンとして撮影を担当
  • 川野邉 久
    「TRAIN SUITE 四季島」運行開始時より、同行カメラマンとして撮影を担当。通常は広告関連の写真撮影に従事している

※春~秋コースは2022年4月出発分からコースが変更となります。詳しくは旅の行程をご覧ください。
TRAIN SUITE 四季島 同行カメラマン
岡田 卓也/大澤 智子/吉間 敬憲/川野邉 久
[ 文=鈴木伸子 撮影=小山一成 ]