「TRAIN SUITE 四季島」を支える想い

Vol.502020/9/25

「いわきチョコレート」代表取締役社長 柳沼 大介の想い

おだやかな海と風が薫る、絶品の塩チョコレートを

2018年の「TRAIN SUITE 四季島」1泊2日コース/秋で「めひかり塩チョコグランクリュ」を提供した「いわきチョコレート」。チョコレートと生キャラメル、そしてトッピングされた海塩が口の中で溶け合う独特の塩チョコレートは魅惑の味わいだ。


福島の味覚をチョコレートで

2018年と2019年の2年間、「TRAIN SUITE 四季島」の車内で弊社のチョコレートを提供させていただきました。2018年の1泊2日コース/秋では、「めひかり塩チョコグランクリュ」、2019年1泊2日コース/春〜夏では、福島県伊達市の白桃を使った「チョコっと桃サンド」「ホロっと桃クッキー」、そして2019年1泊2日コース/秋では、福島市の巨峰と伊達市のリンゴ「紅玉」を使ったチョコレート「巨峰醇菓」と「紅玉醇菓」と、お客さまには福島の味覚が詰まった5種類それぞれの味を楽しんでいただけたかと思います。なかでも「めひかり塩チョコグランクリュ」は、塩チョコレートという珍しさもあって、「TRAIN SUITE 四季島」の旅のテーマである、“記憶に残る旅”という世界観にもふさわしいお菓子だったのではないでしょうか。


いわき市からチョコレート文化を発信

私は郡山市出身でかつて地元の老舗菓子メーカーに勤務していました。ある時、フランスのブルターニュ地方ゲランドの塩の粒を振ったキャラメル入りのフランス製チョコレートに出会い、太平洋の海に面したいわき市ならではのお菓子にぴったりだとひらめきました。そこで3年かけて開発し、2006年にいわき市で創業しました。そして完成したのが「めひかり塩チョコ」です。クリーミーな生キャラメルを熱々のチョコレートで包み、その上に海塩をトッピングした塩チョコレートで、「塩」「キャラメル」「チョコレート」の3つの味が絶妙なバランスがくせになります。
なぜ“めひかり”のチョコなのか?とよくご質問をいただくのですが、いわき市の小名浜漁港では、深海魚のめひかりが獲れ、唐揚げや干物にするなど、地元のソウルフードとして親しまれています。いわき市ならではのチョコレートを、と考えていましたので、チョコレートをいわき市のシンボルである、めひかりの形にしようと、この愛らしい型になりました。
2011年の東日本大震災ではいわき市は甚大な被害を受けました。弊社も需要が大きく落ち込み、苦境に陥りましたが、地元・いわきの復興を信じて試行錯誤を重ねながら歩んできました。復興に向けて前進する街の一員として頑張っていくことができればと思います。


「TRAIN SUITE 四季島」の思い出をご自宅でも

2020年の夏からは、「めひかり塩チョコグランクリュ」が「TRAIN SUITE 四季島」オリジナルのパッケージで上野駅の「PROLOGUE 四季島」で販売し、「TRAIN SUITE 四季島」のホームページからでもご購入いただけるようになりました。「TRAIN SUITE 四季島」の旅は一生の記憶に残る旅です。ですからご自宅に帰られた後、「TRAIN SUITE 四季島」での思い出話を語り合うとき、まだ「TRAIN SUITE 四季島」にご乗車されていない方へのお土産として、わたしたちのお菓子がお客さまにとってより親しみのあるものになれば嬉しく思います。
「いわきチョコレート」
代表取締役社長 柳沼 大介
[ 文=鈴木伸子 撮影=小山一成 ]