「TRAIN SUITE 四季島」を支える想い
Vol.452020/6/10
古山 優子 / 福田 和也 / 小沢 道子の想い
皆さまとお会いできるその日まで
新型コロナウイルスの影響で「TRAIN SUITE 四季島」は運休となり、「TRAIN SUITE 四季島」に関わるスタッフは基本、自宅待機になった。そこで今回は、トレインクルーのとりまとめや指揮にあたるトレインマネージャーへのリモート取材を行った。トレインマネージャーからの運行再開に向けた想い、お客さま・地域の皆さまへのメッセージをお届けする。
パワーアップしたおもてなしでお客さまをお迎えしたい
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古山 優子:
まず4月以降にご出発予定でいらしたお客さまには、楽しみにされていた旅がキャンセルになってしまい、残念な思いでいっぱいです。もどかしい思いをバネに、現在は運行再開に向け、新しい旅のかたちを私たちなりに模索しております。たとえば、お食事の提供の仕方や現地での移動の仕方など、お客さまの安全を第一に、楽しんでいただける旅をつくらなければならないと考えております。 この春、列車は大きな点検を終えて、塗装や車内のじゅうたんなどがピカピカになりました。真新しくなった車両はきっとご乗車される全てのお客さまに楽しんでいただけると思います。クルーたちも皆、早く乗務に復帰したいという気持ちが高まっております。再びお客さまをお迎えするその日までに、「TRAIN SUITE 四季島」らしいおもてなしをさらにパワーアップさせ、お客さまの心に残る新しい旅をともにつくれたらと思います。
お客さまからの励ましの言葉を支えに
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福田 和也:
自宅待機になってからは、ワインや料理といった業務に直接関係する知識を学ぶ時間だけではなく、自分の趣味の時間も増えました。仕事に直結するものではありませんが、感性を豊かにすることが、これからのサービスの質を高めていくことにつながるのではと考え、いまは運行再開まで、私なりにおもてなしの質を磨いていきたいと思っています。
またこの期間、何よりもうれしかったのは、以前ご乗車いただいたお客さまから「皆さまはお元気ですか?」というメールをたくさんいただいたことでした。また、沿線の提携先のレストランのスタッフからも、「今の状況はつらいけれど、みんなで乗り越えていきましょう」といった元気が出るメッセージもいただきました。皆さまの優しさと励ましの言葉に触れ、心が温かくなりました。運行が再開されたら、今度は私たちがお客さまや行く先々の皆さまに明るい気持ちをお届けできるよう、「TRAIN SUITE 四季島」ならではの新たな旅をつくりたいと思います。
「TRAIN SUITE 四季島」の走る姿で、元気と勇気を
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小沢 道子:
運行のないこの期間、改めて気づいたことがあります。それは、お客さまや沿線の皆さま、運行に携わる方々など、本当に多くの方たちに支えらえて、私たちがこの列車で仕事をさせていただいていたということです。皆さまの支えがあってこそ、私たちがある。改めてそのありがたさが身にしみました。
今後は「TRAIN SUITE 四季島」が大切にしてきたおもてなしのかたちを守りながら、これからの時代に即した新しい旅をつくっていかなければなりません。心に残る旅をしていただくためにも、私たちは旅の楽しさと安全をもう一段上のサービスを通してご提供したいと考えています。
そして運行が再開されたときには、お客さまはもちろん、沿線で「TRAIN SUITE 四季島」が走行する姿をご覧になる地域の皆さまにも、元気と勇気を与えられる存在でありたい。そのために、私たちがしっかりと自分たちの役割を果たさなければならないと思っています。皆さまとお会いできるその日が、今から待ち遠しいです。
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古山 優子(写真下)
【プロフィール】
トレインマネージャー。「TRAIN SUITE 四季島」プロジェクトの立ち上げから携わる。トレインクルーの管理・育成のほか、海外からのお客さまの対応も担当。
自宅待機中はスキルアップのため英語学習にトライした。 -
福田 和也(写真右上)
【プロフィール】
トレインマネージャー。「TRAIN SUITE 四季島」プロジェクトの立ち上げから携わる。ソムリエの資格を持ち、ワイン、日本酒の選定などの業務も担当。
自宅待機中は楽器の演奏や水彩画、読書など感性を磨くことに取り組んだ。 -
小沢 道子(写真左上)
【プロフィール】
トレインマネージャー。「TRAIN SUITE 四季島」プロジェクトの立ち上げから携わる。車内の清掃、備品の管理からトレインクルーの育成・管理なども担当。
自宅待機中は体力維持のためエクササイズに挑戦した。
古山 優子 / 福田 和也 / 小沢 道子 [ 文=鈴木伸子 ]