TRAIN SUITE 四季島を支える想い

Vol.372019/09/25

函館 料亭 冨茂登 主人 尾形 有司の想い

函館自慢の海の幸が勢ぞろいの朝ごはんで、北海道の魅力を存分に味わっていただきたい。

「TRAIN SUITE 四季島」3泊4日コースの2日目の朝、列車は北海道・函館駅に到着後、函館山の麓にある料亭「冨茂登」を訪ねる。
そこには、新鮮なイカやイクラ、根ボッケなど、北の海の幸をふんだんに使った“最高の朝ごはん”が待っている。

函館の朝には、イカは欠かせない

  • 函館の名物といえば、やはりイカです。お客さまには、朝獲れたてのイカを使った“イカそうめん”、イクラの醤油漬けをのせた“イクラごはん”、そして、函館近海の岩礁に根付いて成長した“根ボッケの風干し”。この3品をメインにした朝食をご用意しています。
    当店は料亭ですので、昼・夜は営業していますが、昭和36年の創業以来、朝食の営業は「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまに向けた今回が初めてのことです。
  • そもそも函館では、イカ刺しは朝食に食べるものでした。私の少年時代には、毎朝、“イカ売り”の行商のおばさんが獲れたてのイカを運んできて、その場で皮をむいてくれました。おばさんの手拭がイカの墨で真っ黒になった情景を今でもよく覚えています。
    そんな昔ながらの函館の「朝ごはん」をぜひ味わっていただきたいと、この度、初めての“特別営業”で「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまをお迎えすることになりました。

家業を手伝うことになり、勤め人から料理の道へ

冨茂登は、もともと母がおでん屋として出発した店でした。40年ほど前、料理屋も始めることになり、当時、東京でケミカルプラントの設計会社に勤めていた私が帰郷し、手伝うことになりました。28歳の時のことでした。
料理の仕事はまったくの未経験でしたが、当時の板長が東京の老舗料亭の「辻留」で修業した素晴らしい料理人で、その仕事ぶりを見ながら一から日本料理を学んでいきました。そこで古典的な料理の基礎を習得したことが、今でもとても役立っています。

鮮度のよい素材を、鮮度のよい状態で、美味しく召し上がっていただきたい

お出ししているイカは、その日の朝獲れたばかり、包丁を入れるとまだピクピク動くほど鮮度のよいもの。イカそうめんに仕立てたものを、ツルツルっという感覚で召し上がっていただく一品です。 イクラは、10~11月に函館近海沖で獲れる、産卵を控えた鮭からのものが一番美味しい。毎年その時期に1年分の醤油漬けを一気に仕込んでいます。また、根ボッケはよく脂がのって皮も柔らかいので、「皮ごと全部召しあがれます」とお客さまにもおすすめしています。
八寸は、旬の野菜等を用いて、四季の彩りを考え、量を少なめに、品数は数多く取り揃えるようにしています。氷室で長期間熟成させて粘りと甘みを出したジャガイモを使った、“ジャガイモ豆腐”など、主に北海道産の野菜を使ったものをと、日々工夫を重ねています。

笑顔のおもてなしで、くつろいだ雰囲気での朝食を

「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまをお迎えするのは朝7時30分頃。当日は午前3時に起きて、4時には準備を始めます。
お客さまがいらっしゃると、まず女将がご挨拶をして、私も調理場の仕事が落ち着いたところで、お料理の説明に伺います。皆さまには、何よりゆったりくつろいだ雰囲気で楽しく召し上がっていただきたいので、笑顔のおもてなしを大切にしています。
当店は、お客さまが本州から北海道に入られて、最初の訪問地になります。トップバッターとして、「ようこそ北海道へ」という強い気持ちでお待ちしています。
函館ならではの「朝ごはん」を堪能していただき、まずは食を通して、函館の街を感じていただければと思います。
そして先に続く、さらなる北海道の旅をぜひ満喫していただければと願っています。
函館 料亭 冨茂登 主人 尾形 有司 [ 文=鈴木伸子 撮影=栗原論 ]