連載コラム
TRAIN SUITE
四季島を
支える想い

2019/07/29

「TRAIN SUITE 四季島」ツアーデスク

内川 実保 / 中山 幸代の想い

お一人お一人の「旅の物語」を実現させるため、その想いに寄り添い続ける――。

出発に向けて、事前にお客さまにご案内を差し上げ、旅のご要望やご心配ごとを承るのが、ツアーデスクの役割だ。お客さまに寄り添いながら、実際の旅のスタッフとミーティングを重ね、本番に向けて準備をすすめてゆく。

お一人お一人の「旅の物語」に真摯に寄り添う

中山 幸代(以下、中山):「TRAIN SUITE 四季島」の旅に参加されるお客さまには、「お伺い書」という、ご要望などを記入していただく書類をお送りいたします。そしてご返送いただいたタイミングで、私どもからお電話を差し上げております。 お電話でお話ししながら、車内や旅先でのご要望、お食事に関するご希望などを確認し、お客さまがこの旅に一番望んでいらっしゃることを、一緒に明確にしていきます。これから始まる旅への橋渡しをさせていただくのが、私どもの役割です。 最初にお電話を差し上げるのは、出発の5〜6ヵ月前になります。出発までには複数回、お電話を差し上げ、その間にお手紙でもご案内をお送りするなど、徐々に旅への期待感を高めていけるようにコミュニケーションを取らせていただきます。

内川 実保(以下、内川):お電話を差し上げるのは、お客さまの日常のなかに、突然お邪魔することになりますので、時間帯には特に気を遣っています。ご意向をできる限り伺い、ご不安な点や行程の詳細などのご質問にお答えしていくなかで、旅をより楽しみにしていただけるようにお手伝いをしております。

お客さまの「想い」を実現するために

内川:お客さまには、何かの記念やお祝いとして参加されるという方も数多くいらっしゃいます。
以前、ずっとお二人で力を合せてお店を経営されてきたご夫妻が、店舗を閉められることになり、一生に一度の記念の旅を、ということで参加されることになりました。そこでご主人が奥さまに、改めて感謝の気持ちを示したいとのご相談があり、お食事のあとにサプライズでアニバーサリーケーキをお出ししてはいかがでしょうか? とご提案をさせていただきました。
また、ご夫妻ともに体調にご不安のあるお客さまが、1泊2日コースに参加されたことがありました。特に奥さまが列車での旅に不安を感じていらっしゃるようでしたので、事前にお電話でのやりとりを重ね、実際の行程内容などを入念にお伝えし、ご出発の日を迎えられました。
果たしてお客さまは、旅を十分に楽しんでいただけただろうかと、気にかかっていたのですが、上野駅の13.5番線ホームに戻ってこられた時、お二人が満面の笑みで、私に向かって両手を振ってくださいました。そのご様子は、今も忘れられません。

トレインクルーとの連携がとても重要

中山:私どもが勤務している「TRAIN SUITE 四季島」ツアーデスクは上野駅の構内にあり、現在のスタッフは全員女性です。
日頃心がけているのは現場の明るい雰囲気づくりです。お客さまにツアーデスクが頼りになると感じていただくには、現場のポジティブな空気が大事です。チーム内でいつも明るく声をかけあっています。
また、実際に旅に同行するトレインクルーとの連携も重要です。ご出発の4、5日前には、お客さまから伺ったご希望だけでなく、お客さまのご嗜好やお人柄をお伝えする意味でも、交わした雑談の内容なども、クルーに口頭で伝えていきます。

「心のふれあい」がつながる場所に

中山:お客さまからは、旅先での地元の方々のお出迎えに感激した、というお手紙をいただくことも多いです。「TRAIN SUITE 四季島」の旅は、そういった地元の方々をはじめ、さまざまな方々との心のふれあいで成り立っているのだと実感しています。皆さまの気持ちがつながる場に、自分がいるのだということに感激し、身の引き締まる思いがしています。

内川:単に「TRAIN SUITE 四季島」の旅だからと、マニュアル的に対応するのではなく、お一人お一人で異なる、「お客さまの想い」に寄り添った旅を実現していくのが私どもの役目です。
旅を終えてお客さまが、上野駅13.5番線ホームに笑顔でお戻りになること。そのことが何よりの私どもの使命であり喜びだと思っております。

「TRAIN SUITE 四季島」ツアーデスク 内川実保 / 中山幸代
[ 文=鈴木伸子 撮影=的野弘路 ]