TRAIN SUITE 四季島を支える想い

Vol.342019/06/25

青森「HOTEL Jogakura」洋食料理長 川口 正典の想い

「TRAIN SUITE 四季島」3泊4日コース、
青森でのディナーでフランス料理のコースを担当する川口正典シェフ。
地元が誇る海山の食材を用いた旅の3日目に味わうディナーは、
青森のやさしい味がつまっている。

とげくり蟹、津軽海峡の平目、倉石牛、山菜など、青森各地の食材を生かし、 工夫を重ねたメニューは、旅の記憶と味を思い出深いものにする。

青森県立美術館でフランス料理のディナーを

「TRAIN SUITE 四季島」3泊4日コースで、3日目の夕方に、お客さまは青森駅に到着、三内丸山遺跡を観光されたのち、青森県立美術館で、フランス料理のディナーを召し上がります。
通常はカフェとして営業している場所ですが、「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまをお迎えする日は、特注のテーブルクロスやフラワーアレンジメントなど、テーブル・セッティングもふだんとは異なる、グランメゾン仕様に空間を仕立てて、サービススタッフ全員でお客さまをお迎えいたします。

フルコースでも重すぎず、青森ならではの食材を楽しんでいただく

  • 私どもが担当するのは、3泊4日コースの3日目、最後のディナーです。お客さまは、それまでの立ち寄り先で、すでにおいしいものをたくさん召し上がってきていらっしゃいます。
    メニューは、アミューズに始まり、オードブル、スープ、魚料理、グラニテ、肉料理、デザートまでのフルコースですが、分量に配慮し、全品最後まで楽しんでいただけるように工夫しています。
  • 食材には、帆立貝やりんごのほか、青森ならではの海の幸、山の幸を取り入れます。春には、陸奥湾で獲れる“とげくり蟹”、秋には、岩木山麓の寒暖差で甘味が増す、とうもろこし“嶽きみ”などは、初めてというお客さまも多いと思います。
    春は山菜、秋はキノコなどをアクセントに、ソースも、バターなどの乳製品の使用は極力控えて、身体に負担のかからない一皿を、と心がけています。

青森の風土、そしてフランスの厨房で学んだこと

平成30年5月から「TRAIN SUITE 四季島」の本線運転を担当することになり、ほぼ1年が経過しました。乗務のたびに、やはり特別な緊張感があります。
「TRAIN SUITE 四季島」は、車窓の風景や車内での料理など、なにより“旅”自体を楽しんでいただく列車です。出発前の車掌との打ち合わせでは、運行に関わる事項の他、「TRAIN SUITE 四季島」のマザーベースである尾久車両センター、桜やあじさいの季節には飛鳥山公園、そして富士山や筑波山等、ゆっくり走行する地点の確認もします。お客さまには、流れる車窓からぜひ特別なシーンを体験していただきたい。一方で、もちろんきちんと定刻に着けるように、細かく運行の調整をしていきます。
「TRAIN SUITE 四季島」の大きく開かれた前面展望車からのパノラマは、本当に素晴らしいです。3泊4日コースの私の担当区間では、富士山、筑波山が見どころですが、ほかにも2泊3日コースでは男体山、女峰山や那須の連山の眺めもご覧いただきたい。また1泊2日コースでは、中央線の立川駅付近を過ぎて次第に山々が姿を現わす、ダイナミックな変化なども、ぜひ展望車で味わっていただければと思います。

最後のディナーを旅のよい思い出にしていただければ

お酒はワインのほか、「田酒」や季節限定の日本酒など、青森の地酒もご用意しています。お酒は嗜む程度とおっしゃっていたのに、「田酒を3合も飲んでしまった」というお客さまもいらっしゃいます(笑)。
とにかくリラックスして、お皿の上で思う存分、「青森」の風土を感じていただければというのが、常に目指していることです。
毎回デザートが終わるタイミングでご挨拶にうかがうのですが、お客さまから、青森の食について、さまざまな感想をうかがえるのが本当にうれしく、日々の励みになります。
「TRAIN SUITE 四季島」の旅での最後のディナーを、みなさまの良き思い出にしていただけるよう、一同、楽しみにお待ち申し上げております。
青森「HOTEL Jogakura」洋食料理長 川口 正典 [ 文=鈴木伸子 撮影=的野弘路 ]