2023/11/20

Vol.38
「お手振り」という旅の愉しみ
〜車窓越しの笑顔が見える旅〜

「TRAIN SUITE 四季島」の旅では、列車の中とは思えない上質なくつろぎの空間の中で、日常では体験できないような豊かな時間をお楽しみいただけます。東北や北海道、甲信越など、走行する沿線各地で採れる旬の食材で彩られた食事に舌鼓を打ち、世界に誇る日本酒やワイン、ウイスキー、そして茶、ジュースを愉しむ。満開の桜や青々と茂る木々、舞い踊る紅葉、真っ白な銀世界など、車窓から広がる壮大な自然は四季のうつろいを感じます。車掌やトレインクルーと、またお客さま同士の語らいも、旅の愉しみの1つになるかもしれません。お客さま一人ひとりにそれぞれの旅があり、その旅の数だけ愉しみがあります。今回は、その中から「お手振り」についてご紹介いたします。
列車が上野駅を出発する際や停車する各駅、そして通過する線路の遠くからなど、行く先々で大勢の方々が手や旗を振ってお見送りやお出迎えをしてくださいます。初めてお会いした人に手を振り返すことには抵抗があるのか、はじめは気恥ずかしそうに小さく手を振り返すだけのお客さまがほとんどですが、旅の中でその温かいお手振りに触れていくうちに、気付けば大きなお手振りでお応えくださるようになります。走行中の列車ですと、手を振りあう時間はたった数秒のことですが、ほんの一瞬の交流である「お手振り」から非日常を味わう。通常の列車旅ではない、新たな出会いを体験できるのも、この旅の愉しみの一つです。

  • ご自宅のベランダから総出でお見送りくださるご家族や、早朝や夜遅くにも関わらず、きらきらと光るペンライトを片手に、毎運行必ずお出迎えくださる地域の皆さま。年々その箇所や人数も増え、花畑の中から、田んぼのあぜ道から、川に架かる鉄橋の袂から、様々な場所から、お手振りをしてくださる地域の方を見つけるたび、とても嬉しく感じます。
  • 運行開始から6年が経ちましたが、変わらずにずっと駅や沿線に駆けつけてくださるたくさんの方々のお手振りに支えられて「TRAIN SUITE 四季島」は本日まで運行を続けて参りました。お手振りしている時のお互いの表情は、自然と素敵な笑顔が溢れています。皆さまもご一緒に、笑顔のお手振りを愉しみませんか。
トレインクルー 足立 真理絵