津軽海峡を航行し続けた青函連絡船は、1988年3月13日、本州と北海道を結ぶ懸け橋としての使命を全うし、その役目は青函トンネルへと引き継がれました。青函トンネルは構想から貫通まで42年もの歳月をかけて完成した海底トンネルで、その全長は53.85kmにも及びます。かつては寝台特急「北斗星」や「カシオペア」、快速「海峡」など多くの列車が運行していましたが、現在は在来線の旅客列車が通ることはできません。しかし、最新鋭の技術の粋を結集させた「TRAIN SUITE 四季島」では、新幹線や貨物列車以外の在来線旅客列車で唯一、本州と北海道の行き来が可能となっています。
青函トンネルでは、青森側の竜飛定点、函館側の吉岡定点という2つの定点があり、この2つの定点間で海の下を走ります。「TRAIN SUITE 四季島」の旅の3泊4日コースでは、2日目の北海道への往路と3日目の本州への復路で青函トンネルを通り、この時間を多くのお客さまが楽しみにされております。2日目の通過時は、まだ外が暗い時間にも関わらず、多くの方が展望車でその瞬間を今か今かと待ち構えます。中には、夜通しお待ちになる方もいらっしゃるほどです。3日目の青函トンネル通過時は、期待感を盛り上げる演出でお客さまにお楽しみいただいています。
北海道新幹線が誕生し、移動のスピードに注目が集まる昨今、車掌の話を聞きながらゆったりと海底の世界に浸れることも、「TRAIN SUITE 四季島」での旅の大きな魅力です。トンネルを抜ければ、北の大地ならではの雄大な景色がお迎えいたします。北海道へ向かう高揚感を感じながら、魅惑の海底トンネルの世界をご堪能ください。