2023/1/31

Vol.28
雪国新潟の風土に育てられた「村上茶」
~北限の茶で客室でのほっと一息を愉しむ~

客室のお飲み物からも東日本各地の魅力を感じていただけるのが「TRAIN SUITE 四季島」の旅の醍醐味の一つです。「沿線地域やこれから訪れる地域の魅力をお伝えし、地域との懸け橋になりたい」という想いから、トレインクルーが厳選したお飲み物をご用意しております。水や茶、ジュースを季節やコースに合わせて種類を変え、お飲み物を通して「TRAIN SUITE 四季島」が巡る東日本各地の文化や風土、歴史をお伝えしております。今回はその中から、雪国新潟県村上市で江戸時代初期より生産が続く茶である「村上茶」をご紹介いたします。
新潟県村上市は商業的な茶の生産地の北限と呼ばれており、村上市周辺で生産されている茶を「村上茶」と呼びます。1620年、村上の町人であった徳光屋覚左衛門が宇治伊勢から茶の実を持ち帰り栽培を開始し普及につとめ、今日の産業基礎を築きました。村上茶の特徴は、その甘みと香りにあります。村上市は他の産地と比較するとひと冬の期間が長く、年間の日照時間が短い地域です。冬の間に雪の下で栄養分をじっくり蓄えられた茶葉は旨味や香りの成分が凝縮され、渋味成分が少なくまろやかな、この土地ならではの味わいの茶に仕上がります。
※村上茶の起源には諸説ございます。

  • 「TRAIN SUITE 四季島」では明治元年に創業し、栽培から製法まで一貫して行っている「冨士美園」の村上茶をご用意しております。村上茶は明治時代、アメリカやロシアに輸出されており、当時輸出の際に使われていた「蘭字」と呼ばれるラベルを基に作られたレトロモダンなパッケージが、とても目を引くデザインとなっています。
  • 旅を通して地域の魅力をお伝えするとともに、この旅で出逢ったものを思い出としてお持ち帰りいただいた後、実際にその土地に足を運んでいただいたり、再び手にしていただいたりすることが、私たちトレインクルーの願いでもあります。ご乗車の際には、さまざまな想いが詰まった沿線地域のお飲み物で、客室でのひとときをごゆっくりお愉しみください。
トレインクルー 和田 麻莉奈