ホームにおける安全対策
KPI (2031年度の数値目標) | ホームにおける鉄道人身障害事故 | 2023年度比 80%減 |
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ホームドア整備駅数・番線数 | 330駅・758番線 |
ハード面の対策

ホームドア整備
ホームでのお客さまの転落や列車との接触を防止する対策としてホームドアの整備を進めており、2024年度末までに山手線、京浜東北・根岸線を中心に124駅(線区単位※140駅)288番線でホームドアの整備を完了しました。
これまで、2032年度末頃までに東京圈在来線主要路線の243駅(線区単位330駅)への整備を目標に、主要な番線660番線程度の整備を優先してきましたが、さらなる早期整備として、主要な番線以外も含めた東京圈在来線主要路線の244駅(線区単位330駅)758番線に整備対象を拡大しました。また、軽量型の「スマートホームドア®」及び施工性や保守性を向上した「スリットフレームホームドア」の導入や設計荷重の見直しなどによる工期短縮を図ることで、従来より1年前倒した2031年度末頃までの整備をめざしていきます。
- ※線区単位の具体例:有楽町駅の場合、山手線、京浜東北線の2駅となります。
2031年度末頃までにホームドアの整備を予定している線区(2022年4月公表)

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鉄道をご利用のお客さまに向けたキャンペーン等の実施
駅社員等による声かけや見守り、駅構内放送によるご案内を実施するとともに、目の不自由なお客さまを含むお困りになっているお客さまに対して、当社グループの社員だけでなく、一般のお客さまにもお声かけにご協力いただく「声かけ・サポート」運動を通年で実施しています。
このほか、「プラットホーム事故0運動」「やめましょう、歩きスマホ。」等のキャンペーンを各社局と共同で実施しています。

スリットフレームホームドアの展開
JR東日本グループでは、軽量型の「スマートホームドア®」の導入を積極的に進める一方で、お客さまのご利用状況や必要なホームドア開口幅に応じて従来型ホームドアの整備も継続しています。この従来型ホームドアは風の影響を受けやすいためホーム改良工事の負担が大きく、工期やコストに課題がありました。そこで、安全性を維持しつつ扉や戸袋をスリット化して風が抜ける構造とした、次世代型の「スリットフレームホームドア」の開発に取り組みました。
開発には多くの苦労があり、特に開発終盤ではフレーム構造の特徴が仇となり着雪に弱いことが判明しました。私たちは当社グループで積み上げてきた知見を活かして課題を解決し、ホーム及びホームドア支持部の風圧影響を従来型から約40%軽減すると共に、ホーム改良工事の簡素化やメンテナンス性の向上を実現させた「スリットフレームホームドア」の開発を実現しました。2024年12月には南武線分倍河原駅で稼働を開始し、本格展開を進めています。
ホームドアはホームにおける安全対策の切り札ですが、整備にはさまざまな困難が伴います。だからこそ、関係者全員が額に汗を流して努力することが重要であり、私自身もその一員として責任とやりがいを感じながら、今後もお客さまの安全・安心につながるホームドアの早期整備に尽力していきます。
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従来型のホームドア -
スリットフレームホームドア -
スマートホームドア®