「TRAIN SUITE 四季島」を支える想い

Vol.82017/04/27

株式会社 玉川堂 代表取締役七代目 玉川 基行の想い

新潟・燕の玉川堂(ぎょくせんどう)。
鎚音が響きわたる、築100年の工房で、お客さまをお迎えします。

ものづくりの活気のある現場

新潟県燕市は、金属加工業の町として全国的に知られていますが、なかでも銅板を鎚で叩いて器を作る鎚起銅器は、江戸時代からこの地の風土によって培われ、受け継がれてきた歴史を持つものです。 私ども玉川堂は、その鎚起銅器の工房として1816年に創業し、2016年には200周年を迎えました。
職人は、人間国宝である叔父の玉川宣夫(のりお)をはじめ、近年は若手が増えているので、ものづくりの活気のある現場を実際に見ていただき、感じていただけることでしょう。

現場の雰囲気や職人たちの手わざ、
使い込むことによって日々味わいを増す器の魅力

このたび「TRAIN SUITE 四季島」3泊4日コースのお客さまに、ツアーの途上で工房を見学していただくことになりました。鎚起銅器が作り出される現場の雰囲気や職人たちの手わざ、使い込むことによって日々味わいを増す器の魅力などを皆さまに知っていただけることを、心より嬉しく思っております。

銅板を叩く槌音が響いている畳敷きの工房

玉川堂では、30年ほど前から一般のお客さまにも、工房を見学していただいており、歴史や技など、器の背景にある世界を肌で感じとることができる、と好評をいただいております。
日がな一日、こつこつと銅板を叩く槌音が響いている畳敷きの工房では、湯沸(ゆわかし)や酒器、茶筒などの銅器がひとつひとつ丁寧に作られています。
私、玉川基行は、玉川堂の7代目になります。玉川堂は、燕市以外に、東京の青山店、2017年4月に開店した銀座店のほか、近年は海外でも日本の伝統工芸が注目されていることから、おかげさまで、販売の機会も増えております。 そんなわけで、私も各地を飛び回っていることが多いのですが、この燕の地にいるときには、ぜひとも「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまに直接お目にかかり、お迎えしたいと考えております。
店舗となる母屋は、築100年を超える明治末の建造物で、国の登録有形文化財に指定されているものです。
毎朝、私はその前庭の掃除をしており、草むしり、落ち葉掃き、簡単な庭木の剪定などをとおして、季節のうつろいを感じることから一日が始まります。
そんな古い建物や庭のたたずまいも、ぜひこの旅の思い出としていただければ嬉しいです。
株式会社 玉川堂 代表取締役七代目
玉川 基行(たまがわ もとゆき)
[ 写真=的野 弘路、文=鈴木 伸子 ]