「TRAIN SUITE 四季島」を支える想い

Vol.32016/12/27

総料理長 岩崎 均の想い

キッチンとサービスの連携で
レストランそのままのフランス料理を

「TRAIN SUITE 四季島」で、旅の大きな楽しみとなる車内での食事。その調理を担当するキッチンクルーが初めて乗車しての実務を体験する訓練が、12月11日早朝上野発のカシオペア号で行われた。
今回乗車したキッチンクルーは、「TRAIN SUITE 四季島」総料理長の岩崎均を含む9名。
通常のキッチンより狭く、調理機材も限られる条件下で、いかに完璧なフレンチのコース料理を提供していくかに挑戦した。
その車内で出された料理は、雲丹を添えたムース仕立てのヴィシソワーズ、繊細で美しい盛りつけの穴子と湯葉のガトー仕立て、絶妙な焼き加減の仙台牛のローストなど、グラン・メゾンのフレンチ・レストランで味わうような品々……。 列車内という条件下での充実した内容には驚くばかりだ。
総料理長の岩崎は、訓練の成果を語る。

「私も含めて全員が、今回初めて走行する車両のなかでの調理を経験しました。12月1日には上野駅の13.5番線「TRAIN SUITE 四季島」専用ホームの脇にプレパレーション・キッチンが完成したので、そこで万全な仕込みをして臨みました。車内での仕事は、揺れなど様々な心配もありましたが、考えていたよりはスムースに運びました。
また、課題も見えたので、今後本番に向けてクリアしていきます。」
一度にキッチン内に入る料理人は3名。繊細を旨とするフランス料理だけに、揺れが伴う状況のなかでの調理とサービスには不安が伴う。

「車内では調理ばかりではなく、お客さまに料理をサービスするクルーも大変です。フレンチではソース類などは軽くさらっとしたものが主流になっているのですが、それでは運んでいる途中に流れて盛りつけが崩れてしまう。一皿一皿に特殊な環境に負けない美しく、美味しく、食べていただける工夫をしていくことを考えています。」

12月中だけでカシオペアでの3回の走行訓練、その後は実際の車両での訓練を経て5月に控える本番まで万全の体勢を整えていく。
TRAIN SUITE 四季島
総料理長
岩崎 均
※車内の写真は、すべてカシオペア内の写真です。
[ 写真=名取 和久、文=鈴木 伸子 ]