Vol.48 「TRAIN SUITE 四季島」に灯る暖炉の炎 ~揺らぎと煌めきに心温まるひとときを~
「新たな旅立ちの13.5番線ホーム」を進み、「TRAIN SUITE 四季島」のメインエントランスから一歩足を踏み入れると、東日本の樹林を思わせる5号車「LOUNGE こもれび」が広がります。10両編成で運行する「TRAIN SUITE 四季島」。その中央に位置し、みなさまの集いの場となるこの「LOUNGE こもれび」。特徴的な形をした窓からは日中は太陽の光が注がれ、夜は月明りに照らされます。そしてその中央には、いつでも乗客のみなさまを温かく迎える「暖炉」があります。東日本の厳しい冬をあたため続けてきた、「炎」。寒さを凌ぐために、囲炉裏、暖炉、ストーブと形は違えど、人々は古くからこの「炎」を囲み温もりを求めてきました。
列車のなかに、「暖炉」。不可能ではないだろうか、と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。列車のなかでは、もちろん火を取り扱うことは叶いません。実は「TRAIN SUITE 四季島」の暖炉は、「水蒸気」と「灯り」により、まるで本物のような炎を演出しています。そして列車内で限りなく本物に近い暖炉を表現するために、車両デザインに合わせて造られたオーダーメイドの暖炉です。薪の中までもじんわりと赤く、まるで本当に炎が灯っているのではないかと感じてしまうほど忠実に再現されています。
暦の上では春分を過ぎ、春を迎えましたが、「TRAIN SUITE 四季島」が訪れる東日本の各地はまだまだ寒さが残り、時に冷たい風が吹き抜けます。炎の揺らぎがもたらす温かさは、みなさまが列車内でお過ごしいただくひとときに、より一層の安らぎを与えてくれることでしょう。
非日常を体験できる「TRAIN SUITE 四季島」で、暖炉の炎を囲む時間は、心が温まる特別なひとときです。この心地よい空間で自然と会話が弾み、新しい出会いが生まれる瞬間が、私にとって大きな喜びです。皆さまと共に、このひとときを共有できることを、心から楽しみにしています。