2022/6/30

Vol.21
列車の旅に快適な「眠り」のひとときを ~真綿掛布団が紡ぐ福島の伝統〜

今回は、「TRAIN SUITE 四季島」の全客室でお客さまにご使用いただいている、こだわりの掛布団についてご紹介いたします。
みなさまは、「列車の中で眠る」と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「飛行機に似たような感じかな?」、「音や揺れがあって、ゆっくり眠れるか不安」など、寝台列車にご乗車されたことがない方にとっては、なかなかイメージをしにくいかと思います。「TRAIN SUITE 四季島」では車両の揺れを軽減する様々な設備や工夫に加え、客室には西川株式会社の「入金真綿(いりきんまわた)」を使用した最高級の掛布団を採用しております。その掛布団が織りなす極上の掛け心地は、列車でのお客さまの快適な「眠り」を支えます。
「入金真綿」の掛布団は、綿ではなく蚕の繭(まゆ)を使用しており、言うなれば “シルクで作られた布団“ です。
繭は福島県産で、1kgの布団を作るのに約3000個もの繭が使われており、熟練の職人がいくつもの行程をひとつひとつ全て手作業で行っております。手挽きで丹念に伸ばして作られる真綿を使った布団は、驚くほど軽く、まるで上質な絹織物のような仕上がりで、幾重にも重なった空気の層が、優しくお客さまの身体を包み込みます。1日の余韻に浸りつつ最高級の掛布団に包まれる瞬間は、私のお勧めしたい旅の醍醐味のひとつです。

  • トレインクルーは乗務を始めるにあたり、ホテルや旅館、また四季島の客室などでベッドメイクのトレーニングを積んできました。こだわりの掛布団を存分にご堪能いただけるよう、客室のベッドは私たちトレインクルーが一台ずつ丁寧に設えさせていただきます。
  • 「TRAIN SUITE 四季島」の旅は、お食事や各地の深遊探訪など魅力が満載で、「眠る時間がもったいないくらい」というありがたいお声を頂戴することもしばしばありますが、こちらの「入金真綿」の布団でお休みいただくひとときも、旅の楽しみとして感じていただければ幸いです。
トレインクルー 桑原 力也