エンゲージメントの向上
すべてのグループ社員が
生き生きと活躍するために
(エンゲージメント)
グループ社員一人ひとりが多様性を活かし、やりがいをもって能力を発揮できる企業にします。
基本的な考え方
グループで働く社員等が有する職歴・年齢・ジェンダーなどの属性、知識及び技能を反映した多様な視点や価値観の違いが強みであると認識したうえで、社員等の活躍フィールドの拡大等を通じ、多様な人材がその能力を最大限発揮できる企業グループをめざしています。社員が持つ能力を最大限発揮するには、社員一人ひとりが心身ともに健やかであることがベースとなります。社員の健康推進を進めるとともに、事故のない安全で快適な職場環境を整備していきます。
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- 1.DE&Iの推進
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目標
- 多様な人材の活躍
- 柔軟な働き方の実現
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- 2.人材育成
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目標
- イノベーションマインドの醸成と多様なキャリア形成
- 活躍フィールドの拡大
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- 3.健康経営の推進
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目標
- 社員の健康推進
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- 4.労働安全
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目標
- 事故のない安全な職場
1.DE&Iの推進
当社グループを利用されるお客さまはさまざまです。そのため、サービス提供においてダイバーシティの観点が常に求められます。また、当社グループは、駅、乗務員、メンテナンスや、生活ソリューションの流通・サービス、不動産・ホテル、IT・Suicaなど幅広い仕事の集合体であり、まさにダイバーシティそのものです。
当社グループの強みは、働く社員の多様性を反映させたさまざまな視点や価値観の違いです。お客さまの多様なニーズを把握し、新たな価値創造を実現するため、多様な個性やスキルを持った人材が活躍しています。また、多様な人材がその能力を最大限発揮できる環境づくりも引き続き推進していきます。
女性社員の活躍推進


JR東日本では、性別や年齢、国籍、障がいの有無にかかわらず、多様な人材がさまざまな業務において活躍しています。
社員の多くが不規則な勤務体系で就労していることから、女性社員の活躍をダイバーシティの試金石として位置付け、特に力を入れて推進しています。1987年の会社発足以降、男女共同参画の実現をめざし、乗務員への運用など職域拡大を中心に取組んできた結果、すべての職域において女性社員が活躍しています。
近年、女性社員の勤続年数が伸長してきたことを踏まえ、マネジメント層としての活躍が期待できる人材への育成も見据え、スピード感をもって必要な施策を実施してまいります。これまで推進してきた「採用」及び「定着」の取組みを継続するとともに、「育成」及び「登用」を一層強化することを目指し、以下の通り、一般事業主行動計画として目標を設定しております。
女性社員の活躍推進に向けた目標設定
一般事業主行動計画(女性活躍)
【2024-2027年度まで】
- 目標 1
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採用者に占める女性比率を35%以上とする。(2024年4月1日時点採用者実績:32.2%)
- ・エリア内外における採用広報を強化する。
- ・技術系の職種における女性採用を強化する。
- ・経験者採用における女性採用を強化する。
- 目標 2
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10事業年度前およびその前後の年度に採用された女性社員の定着率を85%以上とする。(2023年度実績:82.5%)
- ・育児、介護等と仕事の両立支援を推進する。
- ・社員の多様なキャリア形成を支援する。
- 目標 3
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男性社員の育児休職等取得率を85%以上とする。(2023年度実績:61.9%)
- ・両立支援制度の周知を強化する。
- ・性別を問わず、育児と仕事の両立支援を推進する。
- 目標 4
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管理職に占める女性比率を10%以上とする。(2023年度実績:7.8%)
- ・多様なロールモデルを提示するとともに、女性社員のネットワークを強化する。
- ・特に技術系における女性社員の育成を強化し、活躍の場を拡大する。
- ・社外研修の参加等による女性管理職候補社員の育成と両立支援を推進する。
- 目標 5
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自律的なキャリア形成に資する応募型の研修等に挑戦する社員に占める女性比率を25%以上とする。(2019~2023年度実績平均:18.2%)
- ・自律的なキャリア形成に資する応募型の研修等(社内公募制、社内・社外研修等)を実施、拡大する。
- ・特に技術系における女性社員の育成を強化し、活躍の場を拡大する。
- ・育児等により長期の研修等に参加できない社員のリスキリング機会を創設する。
仕事と育児・介護の両立支援

性別に関係なく、多様な社員が活躍できる環境を整えるため、仕事と育児・介護を両立する社員へのサポートを実施しています。
休職や短時間・短日数勤務など、法定水準を上回る内容(育児休職3年、介護休職1年など)で制度を導入しているほか、配偶者出産休暇の設定や養育休暇・看護休暇の拡充など、ライフスタイルの変化に合わせた新たな制度変更を実施しました。
両立への理解促進の取組みとしては、各種研修やセミナーを実施するとともに、各職場において「ワーク・ライフ・プログラム」活動と称して仕事と育児・介護の両立に関する情報発信等に取組んでいます。
両立支援制度の整備 -働き続けるために-
今後、育児や介護の必要な家族をもつ社員が増加することを踏まえて、「職種にかかわらず仕事と育児・介護を両立するための選択肢を増やしたい」という考えのもと、法定水準以上の両立支援制度を拡充しています。
休職制度
- 育児休職
- 子が満3歳に達するまで取得可能。
(法定水準 子が2歳に達するまで) - 介護休職
- 対象家族1名につき365日取得可能。
(法定水準 1名につき通算93日)
勤務時間短縮などの措置
- 短時間勤務(育児・介護勤務A)
- 3歳までの子を持つすべての社員は、日中時間帯の6時間勤務を取得可能
- 短日数勤務(育児・介護勤務B)
- 小学校3年生までの子を持つ社員は、月4日の育児・介護休日を取得可能

事業所内保育所
育児休職からの復帰支援、不規則勤務における就業支援、優秀な人材の確保と定着を目的として、また、事業所内保育所を東日本エリア各地に設置しています。不規則な交代勤務にも対応するため24時間保育日の設定、通勤時の負担軽減を考慮したおむつ・ミルクサービスや洗濯代行も行っています。
地域 | 名称 | 最寄駅 |
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東京 | キッズハーモニー・新宿 | 新宿 |
東京 | ぽっぽランドおおさき | 大崎 |
東京 | ぽっぽランドたばた | 田端 |
東京 | ぽっぽランドはちおうじ | 八王子 |
神奈川 | ぽっぽランドおおふな | 大船 |
埼玉 | ニチイキッズおおみや保育園 | 大宮 |
千葉 | ぽっぽランドちば | 千葉 |
群馬 | ぽっぽランドたかさき | 高崎 |
茨城 | ぽっぽランドみと | 水戸 |
宮城 | ぽっぽランドせんだい | 仙台 |
岩手 | ぽっぽランドもりおか | 盛岡 |
秋田 | ぽっぽランドこまち | 秋田 |
新潟 | ぽっぽランドにいがた | 新潟 |
長野 | ぽっぽランドあさま | 長野 |


また、社員向けの保育所だけでなく、地域の皆さまがご利用いただける駅型保育園、駅型学童の開設を進めており、育児・仕事の両立をサポートしています。
LGBTQ社員等への理解に向けた取組み

LGBTQ(性的マイノリティ)を組織の多様性の一つとして認識して、差別のない働きやすい環境をつくることが会社の責務であると考えています。
これまで、同性パートナーに対して、人事制度、福利厚生制度等の適用を拡大したり、役員やグループ会社等を含めた当社グループ社員を対象とする研修やセミナーを実施するなどの対応をしてきたほか、2017年からはコンプライアンス・アクションプランハンドブックにLGBTQ社員への理解について記載を追加し、毎年の全社員教育に組み込んでいます。
当社は、work with Pride(ワーク・ウイズ・プライド)が策定する企業・団体等におけるLGBTQ等の性的マイノリティに関する取組みの評価指標「PRIDE指標」において、最高評価「ゴールド」(評価三段階の最高位)を8年連続で受賞しました。
制服のリニューアル


グループ経営ビジョン「変革 2027」にある、すべての人の「心豊かな生活」の実現を目指し、社員が新たな気持ちでチャレンジするシンボルとして、2020年5月より制服をリニューアルしました。新制服は女性社員の活躍の場の拡大や、LGBTQに配慮し性差の少ないデザインとしています。(リボンタイおよびスカート等を廃止しました)
障がい者雇用
障がい者の積極的な採用を進めるとともに、さまざまな職域において活躍できる環境の整備を進めています。2024年6月現在で障がいのある社員が766名在籍しており、雇用率は2.76%と法定雇用率2.5%を上回っています。引き続き、障がいのある社員にとって働きやすい環境の整備を通じて社会的責任を遂行していきます。
(株)JR東日本グリーンパートナーズ

新幹線グランクラス車内で提供された「木のストロー」も、同社にて作成
当社の特例子会社である(株)JR東日本グリーンパートナーズは、JR東日本の制服管理を主な業務として2009年4月に事業をスタートしました。その他、印刷業務、植栽の維持管理業務、事業用品の集配・仕分け業務や「TRAIN SUITE四季島」のアメニティグッズの在庫管理業務を手がけるなど、障がい者の活躍の場を広げるために取組んでいます。
多様なキャリア
経験者採用
多様な経験が企業の持続的な成長へのエンジンと位置づけ、毎年経験者採用を実施しております。2023年4月現在、社員全体のうち、約20%の経験者採用社員が在籍しており、前職での職務経験を生かして活躍しています。
公募制異動
公募制異動は、業務を続ける中で新たな目標を見つけた社員の意欲に応えるために、2013年にスタートしました。現在の職種に関わらず、チャレンジしたい業務の領域を希望して応募できる制度であり、生活ソリューション分野への公募制異動(出向)等を実施しています。
高年齢者雇用
定年を迎えた社員が年金満額支給開始年齢まで安定した生活を設計できるよう、また、国鉄採用社員の大量退職に際してグループ全体の人材育成および技術継承を確実に推進するために、2008年度から「エルダー社員制度」として65歳までの再雇用制度を導入し、JR東日本およびグループ会社での活躍の場が広がっています。
また、エルダー社員の契約満了後も、当社グループ等で仕事をしたいという方を対象に、「JR東日本グループ高年齢者求人・求職情報提供サービス」を展開し、更なる求職支援を行っております。
グループ会社での業務経験機会の拡大(副業)
社員が自らの活躍の場を拡げ、社外での多様な業務経験を通じ成長実感を高め、その経験から得た気づきが、新たなサービス・付加価値の創出につながっていくとの考えから、一定の条件の下、「副業」を認めています。
※本業に支障を及ぼすおそれがないなどの条件を満たす場合に限り、副業を許可しています。なお、グループ会社での副業は原則として可能としています。
外国籍社員の活躍推進
国籍を問わず優秀な人材の採用に努めています。2024年4月現在、18か国・地域107名の外国籍の社員が在籍し、現場第一線をはじめ、企画部門など幅広い分野で活躍しています。

学生向け採用イベントで当社をPRする外国籍の社員
PRIDE 指標(企業・団体等のLGBTQ 取組み指標)にて8年連続「ゴールド」に認定(2017年~)

任意団体 work with Pride(ワーク・ウイズ・プライド)が策定した企業・団体等におけるLGBTQなどの性的マイノリティに関する取組みの評価指標「PRIDE 指標」において、8年連続「ゴールド」(評価三段階の最高位)を受賞しました。
くるみんマークの取得(2008年、2012年、2018年)

次世代育成支援対策推進法にもとづく認定(くるみんマーク)を2008年、2012年、2018年に取得しています。
厚生労働省の「えるぼし」認定の最高評価を取得(2016年)

厚生労働省より、女性活躍推進法にもとづく「えるぼし」の最高評価である「3段階目」を取得しました。
会社名 | えるぼし |
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JR東日本東北総合サービス(株) | ★★★ |
(株)ジェイアール東日本物流 | ★★★ |
JR東日本スポーツ(株) | ★★★ |
(株)JR東日本情報システム | ★★★ |
(株)JR東日本マネジメントサービス | ★★★ |
(株)JR東日本パーソネルサービス | ★★★ |
(株)ジェイアール東日本企画 | ★★★ |
(株)JR東日本環境アクセス | ★★★ |
JR東日本ビルテック(株) | ★★★ |
経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」に選出(2015年)

経済産業省が、多様な人材を活用してイノベーションを生み出している企業に対して表彰する「ダイバーシティ経営企業100選」に選出されました。
「ワーク・ライフ・バランス大賞」で優秀賞を受賞(2012年)
公益財団日本生産性本部が主催する第6回「ワーク・ライフ・バランス大賞」において、誰もが活躍できる組織をめざし、女性の活躍を促す両立支援策の深化が評価され、JR東日本が優秀賞を受賞しました。
平成24年度均等・両立推進企業表彰『ファミリー・フレンドリー企業部門』で「厚生労働大臣優良賞」を受賞(2012年)
厚生労働省および都道府県労働局が主催する「平成24年度均等・両立推進企業表彰」の『ファミリー・フレンドリー企業部門』において「厚生労働大臣優良賞」を受賞しました。
同表彰『均等推進企業部門』で「東京労働局長優良賞」を受賞(2012年)
『均等推進企業部門』では、「東京労働局長優良賞」を受賞しました。1999年の労働基準法改正以降、女性社員の活躍に期待し、職域の拡大や一定規模の採用数確保などに取組んできました。現在の「ワーク・ライフ・プログラム」においても継続してポジティブ・アクションに取組んでいます。
「2010年にっけい子育て支援大賞」の企業部門で大賞を受賞(2010年)
日本経済新聞社が主催する第5回「2010年にっけい子育て支援大賞」において、JR東日本が大賞受賞企業のひとつに選ばれました(現在、同賞は実施していません)。
2.人材育成
グループ経営ビジョン「変革2027」のフォーカスポイントとして、「社員・家族の幸福」を掲げています。「業務改革」「働き方改革」「職場改革」という3つの大きな構造改革を推進する中で、社員の活躍フィールドを拡大するなど、一人ひとりを「主役」とする働きがいの向上に取り組んでいます。また、鉄道事業を運営するうえで必要なオペレーション業務に加えて、新たな価値を創造するための知識やスキルを身に付ける「リスキリング」に取り組み、既存の事業だけではなく重点・成長分野でも活躍する社員を育成していきます。


3.健康経営の推進
当社グループでは、社員一人ひとりが心身ともに健やかに生活し、その意欲や能力を最大限発揮し、いきいきと働くことを目的に、2024~2029年度までの6カ年の中期計画である「グループ健康ビジョン2029」を策定しました。
「疾病予防」「メンタルヘルス」「健康増進の取組み」「グループ全体のヘルスリテラシーの向上」を柱に積極的に健康経営を推進しております。
また、当社においては、経済産業省の健康経営度調査に基づく「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」や、社員の運動促進の取組みによるスポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2024」の認定を取得しております。
4.労働安全
当社グループは、社員(当社、グループ会社、パートナー会社等を含む)の死亡災害ゼロを目標として掲げ、安全で快適な作業環境の整備に力を入れています。法令を遵守し、事業者として社員の安全を守る責務を果たしていくことはもちろん、社員一人ひとりが主体的に職場の安全性向上に挑戦し、社内外の変化を捉えた作業環境の改善に取り組んでいます。労働災害を未然に防ぎ、誰もが安心して能力を発揮できる職場づくりを通じて働きがいの創出に努め、持続可能な社会の実現に貢献します。
・労働災害に関する2027年度末時点の目標:お客さまの死傷事故ゼロ、社員の死亡事故ゼロ
- 【2023年度の状況】
- 休業以上災害の発生件数(JES-Net※等)88名 うち2名死亡 (単体)70名
- 死亡災害の発生件数(JES-Net等)2名 (単体)0名
※JES-Net:当社と加盟会社(グループ・パートナー会社)との安全に対する考え方、価値観、取組みの共有を図るネットワーク


5.その他
当社グループは、「JR東日本グループ社員持株会」を福利厚生制度の1つに位置づけています。会社が奨励金(拠出金の5%~15%)を支給し、毎月わずかな拠出金で会社の株式を購入できるよう、社員の長期的な財産形成を支援しています。
- JR東日本グループ社員持株会加入状況
- 2024年3月1日時点 (連結)69.0% (単体)86.6%