安全に対する基本的な考え方

安全綱領

安全に関わる社員の行動規範として、安全綱領を定めています。

安全綱領の行動規約画像

グループ安全計画2028

安全計画の図

当社は会社発足以来、5か年ごとに安全計画を策定し、2023年度に第8次となる「グループ安全計画2028」を策定しました。
グループを取り巻く環境が激しく変化する中、これらの変化への的確な対応が必要です。「グループ安全計画2028」では、「本質をふまえ、想定外も想像して安全を先取る」をテーマとし、特に注目すべき「4つの着眼点」を掲げ、具体的な取組みを進めています。

「グループ安全計画2028」の全体像

大きな環境変化

社内

「仕事」と「組織」の見直し/新システム導入/グループ経営/重大事故に遭遇する機会の減少 など

社外

自然災害の激甚化・ 頻発化/人口減少/DXの 進展/コロナ禍を経たライフスタイルの変化/働き方の多様化 など

これまで経験したことのない「未知の事故・事象発生」の可能性

2028年までの5年間で特に着目し、対応すべき変化として掲げた「4つの着眼点」から日頃の業務を見つめ直し、これまで想定外だったリスクも想像して対処していきます。

着眼点 1
「人(ヒト)」と「機械(システム)」の関わり方の変化
  • 人でしか対応できない事態(故障などイレギュラーな事態)の際、人が的確に判断できるよう本質(しくみ、構造、動作原理)の理解を進めていきます。
  • 新たなシステムを導入するにあたっては、本質をふまえた想像力でこれまでは考えられなかった事態が起こることを想像し、慎重に検討していきます。また、見落としがちな周辺システムとの関係にも目を向けて全体像を把握した設計を進めます。
  • 変化を捉えて備えるべきことを考えられる専門家を各部門で育成し、当社グループの鉄道システムを進化させていきます。
着眼点 2
「仕事」と「組織」の見直し
  • ルールやしくみの見直しに際し、本質をふまえた想像力で安全を先取りします。
  • 社員が自ら考えて訓練を企画・実践することにより、社員一人ひとりの気づきを増やしていきます。
  • 安全の企画・実践業務を確実に進めるため、本質を理解した安全の取り組みの核となる人材が連携する体制を創ります。
着眼点 3
「コミュニケーション手段」の変化
  • ICT の進展により、多くの情報の取得や移動時間に縛られないコミュニケーションが可能になります。一方で、大事な情報が埋もれていないか、確実に伝わっているかの確認が重要となることから、目的に応じてコミュニケーションツールを使い分けていきます。
着眼点 4
「自然災害」の激甚化・頻発化
  • 外部気象等情報の活用、システム化、体制の構築、防災訓練の充実などを進めていきます。

JR東日本グループの到達点

お客さまの死傷事故ゼロ
社員の死亡事故ゼロ

  • 当社グループの仕事に携わるJR東日本、グループ会社、パートナー会社など、すべての社員

「想定外を想像」する

社内外の大きな環境変化により、これまで経験したことのない「未知なる事故・事象発生」の可能性が高まっています。「仕事の本質」の理解や「うまくいっていること」にも着目する取組みで「気づき」を増やし、これまで想定外であったリスクも想像し、環境変化に伴う新しい仕事のしくみの中でも課題を探し出し、対処していきます。「まさか、こんなことが!」と後悔せずに済むよう「気づき」から「想定外を想像」して、リスクへ適切に対応していきます。

想定内を拡げるイメージ

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想定内を拡げる

人は何かを企画、計画する際に自分の考える範囲を決めます。この範囲内が「想定内」、範囲外が「想定外」となります。「想定内」を拡げることで、今は想定外にあることを今後は想定内(自分の考える範囲)としていきます。
「想定外を想像」することの第一歩は「気づき」から始まります。意識して「気づき」を増やし、想定内を拡げていきます。

「気づき」を増やす

さらに「気づき」を増やしていくために視点を変えていきます。
「気づき」を増やすためのポイント

  • 「変化点管理の3H(初めて、変更、久しぶり)」を意識する。
  • 他の人の考えを知る(社員一人ひとりの想定内は異なる)
  • 外に目を向ける(他職場、他系統職場、他支社、他社、他業界等)。

築いてきた「安全文化」

安全の取組みの土台となるのは、当社グループがこれまで築きあげてきた安全文化です。これからも安全文化を大切に育み、経営のトッププライオリティである「安全」を高めていきます。

安全文化の原点“チャレンジ・セイフティ運動”(CS運動)

「社員一人ひとりが安全について考え、自律的に行動する」ことをめざし、1988年9月から「CS運動」に取り組んでいます。

CS運動の4つのポイント

ポイント1発意がある ポイント2職場全体で共有される ポイント3議論がある ポイント4グループ全体に共有

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職場でのCS運動の様子

会議中の写真
現場での写真
訓練中での写真

CS運動の具現化“5つの文化”

「5つの文化」に基づく行動が、事故の再発・未然防止につながっています。「グループ安全計画2028」では「5つの文化」を基に「想定外を想像」するための力を伸ばしていきます。

5つの文化と想像力を伸ばす図

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グループ全体の確固たる“行動規範”

「安全」と「安定」はどちらも鉄道にとって重要です。列車を遅らせまいとするあまり、安全確認の手順を疎かにすると「安全」がおびやかされます。グループ全体の確固たる“行動規範”「危ないと思ったら列車を止める」を実践していきます。

列車を止める訓練

訓練中の写真
訓練中の写真
訓練中の写真

行動基準“三現主義”

安全の問題は常に「現場」で起こります。問題が「現場」で起こるため、答えも「現場」にあります。現地に行くだけではなく、感じたことや学んだことを安全行動に結びつけていきます。

現地

実際に現地に出向いて状況を知る

現物

実際に現物(車両、装置、機械など)を見て、状態を知る

現人

実際に関係している人々と向き合って状態を知る

三河島事故慰霊碑への訪問

事故の予兆を活かす

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事故・事象の正しい把握、原因の分析、対策の実施により鉄道運転事故等の再発防止・未然防止を実現するため、事故等の報告と分類に関するルールを定め、さらなる安全性の向上をめざしています。

関連リンク