技術革新
知的財産
知的財産のマネジメント体制
当社に関する知的財産(特許・意匠・商標・著作権・技術情報)については、知的財産センターが、知的財産権の取得・活用・管理に取り組むとともに、知的財産戦略を策定し、実行しています。
知的財産活動の具体的な取組み
知的財産センターは、「モビリティ」「生活ソリューション」の各事業について、知的財産に関する啓発・教育、知的財産のポートフォリオの構築、知財人材の育成等の活動を実施しています。また、「現場第一線における技術開発」制度から生まれた開発品を紹介するサイトを2026年4月に開設し、「GENICHI(ゲンイチ)」(商標登録第6994474号)として開発品をブランド化して、社会に新しい価値をお届けする取組みも行っています。
DXの推進に向けた多様なデジタル人材の育成
デジタル人材を役割に応じて「エキスパート」「ミドル」「ベーシック」の3つの階層に分類し、育成を体系的に進めています。これらの人材育成を通じて「勇翔2034」の実現に向けた組織基盤の強化を図っています。特に「ミドル」人材に関しては、社内のDX推進人材によるハンズオン研修を中心に育成を加速させています。
また、DX事例の共有とDX文化の醸成・推進力強化を目的として、「JRE DX-EXPO 2025」を2025年12月に開催しました。当日は、各職場のDX推進好事例の発表に加え、社内外のDX推進有識者による特別講演などを行いました。


駅のDX化
お客さまの快適性・利便性向上などを図るため、駅におけるAI・アバターによるご案内の実証・試行を着実に進めていきます。これまで、AIとの対話を通じてお客さまのご要望を聞き取り、きっぷの購入をサポートする実証実験をみどりの窓口(立川駅・大宮駅)で実施しました。さらには、シンプルな新幹線きっぷ等の発売に対して簡易なサポートを行う機能を持つAI付話せる指定席券売機を町田駅に試行導入しています。また、一部駅の改札にAI・アバターを設置し、お客さまが駅係員を直接介さずにお困りごとを解決いただくための検証をしています。
時代を先取りした技術開発の取組み
「勇翔2034」で掲げる事業活動のエンジンの一つ「技術力の深化と進化」の実現に向けて、水素利活用による水素社会の実現、AIやロボティクスの活用によるお客さま案内や設備メンテナンスの革新、点群データを活用したデジタルツインによる設備管理など、時代を先取りしたさまざまな技術開発と成果の実装に取り組んでいます。あわせて、フュージョンエネルギーなどの新エネルギーや宇宙分野をはじめとする新たな技術フィールドについても検討を深度化しています。
UWB技術を用いたウォークスルー改札の開発
Suica Renaissanceでは、「タッチする当たり前を超える」を実現するため、「ウォークスルー改札」の開発に取り組んでいます。2027年春より広域品川圏5駅を含む首都圏の駅においてUWB(Ultra-Wide Band)を用いたウォークスルー改札の試行導入を予定しています。UWBが持つ「高精度な距離測定性能」、「端末との高速なデータ通信」、「高いセキュリティ」などの特性を活用し、UWBに対応するスマートフォンを携帯するだけで端末をかざすことなく通過可能な改札機の実現をめざします。
多機能鉄道重機の導入
電気部門では、ロボット等による働き方改革の推進、メンテナンス作業の効率化・生産性向上に取り組んでおり、JR西日本との技術連携の成果として、多機能鉄道重機を2026年3月に導入しました。当面は第一線職場社員の負担が大きい伐採作業に活用し、将来的には系統横断での活用や対象作業の拡大をめざしていきます。
ワンマン運転の取組み
鉄道を将来にわたり持続可能な輸送モードとしていくために、最新技術を導入しながらワンマン運転の拡大を進めています。3~6両編成の線区では、運転士がお客さまの乗降状況を確認できるよう、車両側面に設置した乗降確認カメラの画像を運転席で表示する「車載ホームモニタシステム」を使用し、ドア扱いや発車時における確実な安全確認を実現しています。一方、これらの線区ではホームドアが整備されていないため、ホーム混雑時などにおけるさらなる安全性向上を目的として、乗降確認カメラの映像をAIで解析し、列車に接近する人物を検知した際に運転士へ通知するシステムを開発しました。本システムは、2026年4月より相模線の一部編成で使用を開始し、その後、全編成への導入を完了しました。
鉄道事業者との鉄道技術の共有化
今後、生産年齢人口の大幅な減少が進むことで、鉄道事業の持続的な運営が困難になることが想定されます。この鉄道事業者共通の課題に対し、JR各社をはじめ、多くの鉄道事業者がユーザーである「鉄道技術情報データベース」を活用し、他社が保有する技術を活用することで、技術導入のスピードアップとコストダウンを図る取組みを進めています。
時代を先取りした技術開発の取組み
「技術革新中長期ビジョン」に掲げた「安全・安心」「サービス&マーケティング」「オペレーション&メンテナンス」「エネルギー・環境」の4分野において、IoTやビッグデータ、AIなどを活用して、新しい価値を生み出すための時代を先取りした技術革新をめざしています。特に「生産年齢人口減少」「エネルギー・環境問題」「激甚化している自然災害対策」などJR東日本グループが置かれている経営課題や現場の課題の解決に向けて重点的に取り組んでいます。
技術革新中長期ビジョン
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主な取組み例
新幹線車両用側
ふさぎ板取外し装置
MTT自動タンピング
支援システム
次世代新幹線試験車両
(ALFA-X)
AIを活用した復旧支援や検査の効率化
信号通信設備における生成AIを活用した復旧支援
2023年3月より、首都圏の在来線信号設備の一部において、故障発生時に指令員の判断を支援するAIを活用したシステムを導入しています。
2025年度内に、現行システムを改良し生成AIを導入することで、信号通信設備における故障発生時のさらなる復旧時間短縮、お客さまへのタイムリーな情報提供、社員の知識と経験依存からの脱却を実現していきます。今回導入するシステムをさらに機能向上するとともに、他分野でも導入を検討しています。
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新幹線トンネル検査へのAI導入
鉄道土木構造物は定期的な検査を行うことで列車の安全・安定輸送を確保しており、トンネルでは覆工コンクリートの表面のひび割れ等に着目した検査を行います。この度、新幹線トンネル覆工コンクリート表面の画像からひび割れをAIにより自動抽出する技術、二時期のひび割れを比較する技術を開発し、これらの技術を組み合わせた新幹線トンネル検査のDXを日本で初めて実現しました。
検査効率の向上
変状を図示した「変状展開図」を上記2つの新技術を適用して作成することにより、ひび割れの見落としリスクの低減、ひび割れ進展箇所の明確化、並びに夜間作業時間の2割削減が可能となります。
今後の展望
2025年度から新技術を活用した検査を導入するほか、覆工から路盤まで画像で確認・検査が可能な仕組みを整備し、さらなる検査の効率化・DXを進めていきます。
DXの推進に向けた多様なデジタル人材の育成
DX戦略策定・実行に取り組むエキスパート人材や、箇所の業務課題に対するより高度なアプリ等の作成による解決、さらには習得したITスキルやノウハウを一般社員に教えるミドル人材について、2031年度末までに累計11,000人の育成・認定をめざします。これらを通じて、各箇所が自発的にデジタルを活用して課題を解決する風土を醸成していきます。
DXプロによるデジタル人材育成【イノベーション戦略本部】
2023年11月にJR東日本のDX推進を牽引する専任担当として、約40名の「DXプロ」が各機関に配属されました。DXプロは主にMicrosoft 365のPower AutomateやPowerAppsを活用したノーコード・ローコードツールに関するハンズオン研修を実施し、各職場が業務課題に対し、自らアプリ等を作成して業務改善や効率化を進める風土を醸成しています。また、ある職場で作成されたアプリ等の好事例を他職場に展開する伝道師としての役割も担い、効率的なデジタル改善を促進しています。これらの取組みにより、全社的なデジタル人材育成は加速度的な盛り上がりをみせ、2027年度末としていたミドル人材5,000人、ベーシック人材25,000人の育成目標は、2024年度末に早期達成されました。
今後は、ミドル人材を中心に、さらなるデジタル人材のレベルアップを図ることにより、各職場がDXプロに頼ることなくデジタル技術による業務効率化を加速させることをめざしています。DXプロは、デジタル人材育成を通じて、社員一人ひとりのDXリテラシー向上に取り組み、会社全体の業務効率化を進めていきます。

