ネイチャーポジティブ
生物多様性の維持
TNFD提言に基づき自然資本に対する事業の依存・影響、リスク・機会の把握、分析を進め、適切な情報開示を行うとともに、ネイチャーポジティブに必要な活動に継続的に取り組んでいきます。
ふるさとの森づくり

JR東日本グループは、生物多様性を保全し、持続可能な社会へ貢献するため、その土地本来の主役となる樹種について植樹を行い、自然の力で森を再生させる活動「ふるさとの森づくり」を2004年度から行っています。2025年度は一関市にて初めて森づくりを開催し、JR東日本グループ社員及び家族、地域の皆さまと一緒に植樹を行いました。これまで5県8市町村で植樹し、合計約17万本の植樹を行っています。今後もネイチャーポジティブの実現と企業価値向上のため、「ふるさとの森づくり」をはじめとした生態系が豊かになるような取組みを継続していきます。
鉄道林の維持管理

吹雪や雪崩などから鉄道を守ることを目的として、当社全体で約3,900ヘクタールの鉄道林を管理しています。適切な間伐や各林地の機能にあった樹種の植林を継続することで、防災機能を確保しつつ生態系の保全にも寄与しています。
また、鉄道林の維持管理の過程で発生する伐採木材をオフィスの什器や内装に活用するなど、資源循環社会実現に向けた取組みも進めています。
-
鉄道林からテーブルへ(JR目黒MARCビル) -
鉄道林を使ったモニュメント(大宮駅)
魚道の整備による河川環境との調和

信濃川から取水した水を利用している信濃川発電所(新潟県十日町市・小千谷市)では、魚が遡上しやすくなるような魚道の整備や、サケの稚魚放流活動などを通じ、河川環境との調和や地域との共生をめざしています。
竹芝干潟から豊かな江戸前の海の再生をめざして【首都圏本部 マーケティング部】
私たちは、水辺の複合施設「ウォーターズ竹芝」にて、地域の活性化をめざし、(一社)竹芝タウンデザインを運営しています。
施設内にある竹芝干潟は、かつてこの地に広がっていた「江戸前の海」の再生をめざして、水辺の複合施設ウォーターズ竹芝の開業に合わせて整備されました。ここでは、海の環境を身近に感じられる環境学習の場として、また自然が蘇る様子を体感できる自然再生の場として、都市の中で地域の人々と自然が共生する貴重な場所となっています。
毎月第2日曜日には「干潟オープンデイ」を開催し、干潟の生物とのふれあいや、カヤックに乗ってゴミ拾いを行うなど、楽しみながら環境について学べるプログラムを提供しています。地域の東京都立芝商業高等学校の「ひがた部」や、地域住民と環境再生に取り組む「干潟ファンクラブ」では、干潟の課題を自分ごととして捉え、竹芝干潟がめざす環境づくりを育む活動が進んでいます。
もちろん、人工干潟ならではの課題もあります。砂の乾燥による湿潤化の難しさや、干潟に愛着を持ち、共に育てていく仕組みづくりには多くの試行錯誤がありました。私たちは専門家の知見を取り入れながら、干潟を「開かれた学びの場」として位置づけ、持続可能な運営をめざしています。
現在では、造成前には見られなかったコメツキガニや海浜植物が定着し、江戸前の海の再生に向けて一歩ずつ着実に進んでいます。参加者が自ら干潟づくりに関わるスタイルも定着しつつあり、竹芝干潟の取組みは、都市の中で自然を再生し、地域とともに育む「ネイチャーポジティブ」の好例として、今後のさらなる発展が期待されています。
-
ひがた部 -
竹芝干潟