ER PgR HER2

通常の病理診断の後、さらに詳しくがんのタイプを確認します。一言で乳がんと言っても、それぞれ効果が期待できる薬剤が異なるためです。
乳がんには女性ホルモンによって大きく成長するタイプのものがあります。その性格を調べるためにエストロゲンレセプター(ER)とプロゲステロンレセプター(PgR)を検索します。通常、免疫組織化学的な方法を用いており、当院では自動免疫染色装置を使用して染色標本を作製しています。
これらのレセプターが陽性の乳がんは内分泌療法(ホルモン療法)が適応になります。

自動免疫染色装置のイメージ

自動免疫染色装置

さらに、HER2というタンパクの発現状況も検索しています。
HER2は細胞の膜にあるレセプターのことで、これがたくさんある乳がんは増殖が速い事が知られています。HER2が陽性の乳がんには分子標的薬を投与し、がんの増殖を抑えます。このHER2の検索も免疫組織化学的な方法を用いています。

ER(+)のイメージ

ER(+)

PgR(+)のイメージ

PgR(+)

HER2(3+)のイメージ

HER2(3+)

これらのER、PgR、HER2等の検索結果によって、乳がんのサブタイプ分類が行われ、治療薬の選択に役立っています。