お薬Q&A

お薬の保管について

お薬の保管場所はどこが一番いいのでしょうか。

まず、お薬は一般的に光と湿度に弱いという傾向があります。よって、直射日光の当たらない涼しいところが良いと思われます。お薬によっては冷蔵庫に保存しておくことが望ましいことがあります。点眼薬やシロップなどがそうです。

インスリン製剤の保管について気をつける点は何でしょうか。

インスリンの自己注射薬は凍結を避け、冷蔵庫などの冷暗所に保管することが適切です。ただし、ペン型のインスリン注射薬は使用する前には冷蔵庫に保管してもよいですが、開封後は結露を避けるため冷蔵庫には保管しないでください。

お薬の飲み方について

『食前』『食後』『食間』の違いについて教えてください。

まず、食前というのは食事前30分をいいます。食前に服用するものとして胃腸の働きをよくするお薬や制吐薬、漢方薬、抗糖尿病などがあります。また逆に食後とは食事のあと30分をいいます。ほとんどのお薬は食後に飲むことが多く一番のみ忘れがないと考えられます。更に、食間という指示もあります。これはもちろん食事の最中ではなく、食事と食事の間のことであり大体食後2時間くらいをいいます。

お薬を飲むときはなぜ水で服用したほうがいいのでしょうか。

一般的に薬は150~200mL程度の水、またはぬるま湯で飲むのが良いとされています。これは、薬によっては吸収が妨げられ、本来の効果が得られなかったり、逆に吸収されすぎて効果が強く出ることがあるからです。よって、なるべく水またはぬるま湯で服用するようにしましょう。また、水なしでお薬だけを飲む方が見られますが、お薬は水に溶けることにより体に吸収され薬効が発揮されます。水なしでお薬を服用するとのどに詰まらせたり、また吸収されずに便とともに排泄されてしまい効果が出ないときがあります。ただし、口腔内崩壊錠については水なしで服用できます。

お薬を飲み忘れました。どうしたらいいでしょうか。

もし、次の服用時間まで時間があるのであれば、気づいた時点で速やかに決められた分を服用してください。一番良くないのは2回分を一度に服用することで、これにより効果が強く出すぎたり、副作用が出ることがあります。また、飲み忘れが多い場合は次の受診時に医師にその旨を伝えることをお勧めします。

他の病院にも通っています。そのことを伝えるべきでしょうか。

他の診療科や病院に掛かっている場合は、医師にその旨を伝えましょう。また、お薬手帳があるならばそれを医師に見せるだけで、重複投与などを避けることが出来ます。当院では投薬口横のお薬相談コーナーにおいて、お薬手帳の記入をおこなっております。気軽にお申しつけください。

アルコールについて

二日酔いの原因はなんでしょうか。

二日酔いの原因はアルコールが体内の酵素により代謝されることにより生じるアセトアルデヒドが原因だと考えられています。一般的に日本人はアルコール分解酵素が少ないのでアルコールに弱い人種であると考えられています。よって、体にアセトアルデヒドが多く残ると頭痛・吐き気・動悸などが生じるいわゆる二日酔いという状態になります。
しかし、「酒は百薬の長」とも呼ばれるように、適量に飲めば心をリラックスさせ会話も滑らかになり、コミュニケーションも円滑になるなどの効果もあります。更に、血流量も増加させるので疲労回復にも役立つと考えられています。

不眠がちで、いわゆる寝酒をよくするのですが。

アルコールは精神の緊張を抑えたり不安を抑える作用があるので、確かに寝つきをよくする効果があります。しかし、毎日であったり飲みすぎると逆効果で、アルコールは眠りの初めの部分は睡眠を増加させますが、その作用が長続きせず目覚めが早くなります。よって、寝酒は睡眠の質を低下させ、また飲酒量の増加による肝臓への負担など体にいいことはありません。

催眠薬とお酒はなぜ併用してはいけないのですか。

アルコールと催眠薬の両方の作用が強く出てしまい、ふらつき、記憶障害、ひどいときには半狂乱などに陥るときがあります。催眠薬を服用するときは絶対にお酒と併用しないでください。

抗生物質について

抗生物質とはどのようなお薬でしょうか。

抗生物質とは細菌やカビ等の微生物から産生されて、微量で他の微生物を死滅させたり、増殖を抑えたりする物質です。おなじ微生物に対し死滅・抑制作用を持つ物でも、微生物から産生された物ではない人工合成化合物は化学療法剤とよばれ区別されてきました。しかし、現在では、抗生物質の中でも人工的に合成されるものや、微生物由来物質にたいし人工的に修飾を加えた物質もみられ、抗生物質と従来の化学療法剤を合わせて「化学療法剤」と呼ばれることも多くなっています。

抗生物質を服用すると下痢してしまうことがありますが、飲みつづけるべきでしょうか。

抗生物質を服用して下痢をする原因は、腸内細菌の量とバランスを崩してしまい、病原性の細菌を増殖させてしまうからです。抗生物質を服用するたびまたは服用後に激しい下痢に襲われた場合は、服用を中止し医師にご相談ください。

漢方薬について

漢方薬とはどのようなものを指しますか。

様々な生薬を組み合わせて用いる薬であり、主に慢性疾患に用います。現在当院では服用が簡単なエキス剤が多く用いられておりますが、これは煎じ薬を濃縮乾燥させたものでそのままお湯に溶かすだけで服用できます。

漢方薬に副作用はありますか。

漢方薬による副作用はほとんど無いといわれていますが、一部で副作用の報告されています。とりわけ多いのが胃腸症状で、吐き気・もたれ・下痢・食欲不振などが見られます。これらの中でも吐き気、食欲不振はにおい、胃に対する刺激のものが多く、次第に慣れてくることもあります。一般的には食前に服用ですが食後に変更することで、胃腸症状を回避することが出来ます。また、葛根湯では心拍数上昇の報告があります。さらに小柴胡湯とインターフェロンの併用による間質性肺炎の報告があり、これらは同時に使用できません。複数の漢方薬を服用する場合は医師、薬剤師に副作用のことをたずねてみることをお勧めします。

漢方薬と西洋薬の違いはなんですか。

漢方とは中国で生まれた医学でありその歴史は二千年以上にもわたり、早くから日本にも伝わり独自の発展を遂げました。そして漢方薬は自然の草や木、動物からとった生薬の組み合わせで出来ており、これらの生薬が互いに協力し合って効力を発揮します。一般的に漢方薬の効果は緩やかであり、どちらかというと急性疾患より慢性疾患に効果を発揮します。
これに対し西洋薬は有効成分を単一で用いることが多く、効き目が強く急性疾患に用いるものが多いのが特徴です。このような違いは漢方薬の体全体を見る特長に対し、西洋医学は臓器や組織に原因を求めていくというところから来ていると考えらます。